18話 王子による前世の名前公開
「さて、名を名乗ろう」
転生者であることを強制的に明かされた俺達を見て笑う
勘弁してほしいことだが、今更名前を名乗ってどうするんねん
「すでに名乗っているだろう?」
「あっそうだったね。前世の名さ」
前世の名前ね〜
どうしてこの場で今後言わないような過去の名前を言わないといけないのか
まあ、いいけど
「まずは俺からでいいでしょ?提案したのも強制的にも秘密を明かしたのは俺だからさ。俺の名は鷹宮礼華前世は男だ。そこは安心してくれ。享年は18歳だ。よろ!」
高校生?大学生?
まあ、いいか・・・何が安心しろなのか分からないな
「何をだ?」
名前的に確かに女の子のような感じだが特にそんなのは感じない
「次は我だな。我の前世の名は瀬戸雄星だ。王子とは同い年か?享年18歳。卒業まであと少しのところで死亡したってところか」
デミロードと王子は同い年か
俺より年上なんだな
次は俺か?
「俺の名前ーいや、前世の名は笹井夜。享年17歳の高校2年生だった・・・でも言おうか」
「ほう?俺より年下なのか」
「一つしか変わらないな」
俺が言ったところで次は誰が言うのか
「私の前世の名前は綾田智。享年・・・20ですね」
この中では1番年上か?
大学生かは分からないがな
俺を含めた4人が前世の名前を言うと最後に言うのは
「最後は僕だね。僕ーいや、前世の名前を言うならここは"僕"ではないな」
『?』
どう言うこと?
メイルの雰囲気が変わった
私ではないとはどう言う・・・
「俺の名は荒風音也前世は男だった・・・でも言おうか。見た目は女、心は男ってことだ。享年19、大学1年生の時に亡くなったと言おうか。これからよろしくな」
なるほどそう言うことか
「TS逆転か。大変なんじゃないか?転生したら性別が変わるなんてことが起きて・・・」
「ふっ・・・転生して15年経てば慣れていく。これからは気に入った女性に口説く予定だ」
おい、それは駄目だろ
そんなことしていいのか?剣聖
「・・・剣聖がそんなことを言うとはな・・・いや、心は男だから無理もないか。我でもまだ気持ちはわかる」
「ありがとうね。デミロード、おっぱい揉む?」
そう言われるとデミロードは顔を顰める
嫌って顔をしているのが俺には伝わる
「無闇にそんなことを言うな・・・我はそう言うのは望んでいない」
「あら、優しいこと・・・」
「何もクソも優しくないだろ。中身が男だろうと女性であることは変わらん。自分の体くらい大事にしろ、今日あったばかりの人にそんなことを言うんじゃない」
そんなデミロードの言葉に反応する2人
「すごいことを言っているわね」
「俺でもできないことをする!そこに憧れる〜!しかし、次期剣聖の正体が元男だとはな・・・流石の俺でもそれを見抜くのは無理なんだわ。転生者であることが分かったくらいで満足したら駄目って言うのがよく分かった」
「見抜ける以前の話か?流石にそれは無理だろ」
転生して15年生きているのなら女性の立ち回りとかどう言うことをしたらいいのかなんて自然に身についている
中身が男であるなんて簡単なことではないし
いや、その以前に転生者であることを見抜いている時点ですごいことだぞ・・・強さ関係なく、すごいことをしているからな
「僕のおっぱい揉んでいいのに・・・貴方ならいいわよ?」
「思春期の男に何を誘惑している。お前なら分かるだろ?同胞」
「そうね〜理解できるわ。まあ、いまは君に誘惑しればいいかな」
「・・・それを聞かされる我の身になってくれ・・・」
呆れてため息をするデミロード
お前疲れているな
無理もないか
やべえ剣聖からのアプローチに対応できている時点ですごいことをしているし
俺では無理なことだな
え?剣聖からアプローチされたら対応できないのかって?
いや、そう言う意味ではないよ?
ミナスから誘惑されたら俺でも無理であるってことを言っているだけ
安心してくれ
浮気しようとは考えてませんから
「そうだな。俺の妻に手を出したら許さないからな!」
突然、王子がそんなことを言い出した
「何を言っているんですか!?」
顔を赤くして驚愕している聖女
「安心してくれ。僕は未婚の女性をターゲットにしているんだ。浮気なんてしないよ、社会的に殺されるからね」
流石にそこは弁えているんだな
「今は私の姉で満足しているんだ。将来には手を出すつもりだけどね」
さらりととんでもねえことを言ってんじゃねえよ
「・・・それと君だね、デミロード。君は僕の嫁にするから。絶対にね」
「絶対に逃げてやる」
「告白かよ」
転生者であることを明かす場面で告白するなよ
さらりと断らられているし
ってか、嫁にするって・・・随分気に入らられているなデミロード
「よかったのかよくないのか・・・デミロード大変だな」
「ユア・・・呑気に言っているなら助けてくれ。剣聖に告白されている我の身を・・・」
分かるけど
でも、相手は剣聖だぜ?
下手に恋愛にちょっかいかけるのはちょっとアレだし
俺が突っ込むようなことじゃないだろと他人事のように言いたいけど無視できない立場だから・・・そんなのを俺に頼むのではなく、王子に言ってくれないか?
「待て。俺に頼むことか?」
なんで心を読めるんだよお前
「俺からしたらイチャイチャしているようにしか見えないからな・・・あんたならこれくらいはなんとかなるんだろ?」
「俺に対する期待がそれなの?心傷つくよ!アイナちゃん!抱きついていい?」
「駄目ですよ」
「ガーン・・・」
ショックで倒れる王子
おいおい、これ大丈夫か?
混沌じゃねえか!
次回 2月16日0時投稿予定