12話 魔法検査
3つ目の検査まで順調な俺達
魔法検査を見ていると
「くらえ!『炎道』!」
となんともカッコいい名前を呼んだと思ったら・・・
小さな炎が現れただけだった
『・・・・・・』
流石に威力低すぎないか?
魔法に必要なのは魔力操作と想像力
どんなモノを撃ちたいのか想像して撃つ
そんな感じに魔法を撃つのだが・・・魔力操作が駄目だな
魔力操作は流す魔力量を調節するために必要な技術
制御をミスしたら爆発することがある
だから、貴族なら最低限のことを教えられるのだが今の人は貴族じゃない人ってことかな?
「ふっこの俺様、ブラス・カトリセンコウの魔法だ」
貴族かい
ってか、カトリセンコウってなんだよ
蚊取線香かい
あの男の先祖転生者か?
偶々って可能性があるけどどうなんだろうな
知らん!と結論としよう
「『水竜』!」
とただの水が出たり、
「『氷発射』!」
とただの氷が出てきたり・・・この世界、魔法最弱世界?
いやいや、そんわけがないだろう
と見ているとまた見覚えのある男が現れた
そう、デミロード
また見るがこの男なら問題ないだろう
そう言う謎の信頼が生まれている
「『絶望波動砲』」
なんかやばそうな名前が出てきましたが!?
的に向けて発動させたデミロード
すると的が消滅してしまった
いや、なんか出てきたビームが直撃して的どころか芝生までも破壊されたのだ
高威力であるがようやくまともな魔法を見れた
"ようやく"だよ。"ようやく"
「ええ、1ですね。これににて検査が終わりです」
あっ3つまでしかないのか
検査以外に多いのかと思っていたけどそんなわけではなかったか
「あの人すごいね・・・」
「他の人達が軟弱すぎるだけだろ・・・」
なんかあの人だけ別の領域にいるんじゃね?と思うくらいの結果を出しているよこの人
貴族にこんなに差が生まれるなんてな
魔法使いの家系だったりするのだろうか?
「『岩落とし』」
「『疾風』」
「『光球』」
と次々と魔法を出していくが全然普通というか弱い
岩というか石が落ちているだけだし
風どころか微風だし
光の球とか言って数センチの球が出てくるし
この中でマシなのが光球なのが酷い
光の球を飛ばして的に当てている最後の人がマシなのがなんとも信じられない話だ
どうなってんだよって思ったよ
俺の知り合いの魔法使いですらとんでもねえ火力を出すのに
冒険者の人とここにいる生徒でどうしてここまで差が生まれるんだ?
分からんな
「私がやります」
「俺も」
そろそろやろうかと思った時にミナスも参加
さて、結果を出そうか
「『黒き地獄の太陽』」
「『聖者の裁き』」
的を破壊するほどの高威力の魔法を出す
やれやれこの程度か
俺達が使用しているのは上位魔法
まあ、下級魔法と比べ物にならないほどのやべえ魔法の分類になっているということだと思ってくれ
「・・・・・・2人とも1です」
1が出たということは評価は1番高いということか
よし、全部評価最高だ
これなら落ちることはないだろう
「簡単でしたね」
「何、これからさ。今日やったことはほんの序章に過ぎない」
簡単なことだったから無理もないがここからが本番となるだろう
学園に入学するのが始まりであり、終わりではないのだから
「ケーキ食べたいか?」
「はい!行きましょう、旦那様」
こうして俺達は入学検査を終了してクラス発表が行われる時間までに暇つぶしをしようとケーキ屋に向かったのであった
「はあ!?そんなことがあるのか!!」
入学検査終了後の会議で驚愕している者達がいた
「はい、魔力量カンスト、それどころか4桁の方が数人おります。さらに試験官を倒した者が"10名“でございます。的を破壊した者は合計12名となりました」
「・・・そんな結果になるとは・・・魔力量が多くてもまともに魔法を使えないと意味がないが・・・こうなる結果になるとは・・・」
学園の職員は驚愕していた
魔力量のカンストという創立してから初めて出た者
さらに数年に1度にしか現れない魔力量4桁が複数人いるという異例な事態
どうしようかと迷っていた
あまりにも異例な事態であるからだ
「・・・依頼してやってもらった冒険者バルトくんはステータス2000以上の災害級の魔物を単独討伐できるほどの実力者・・・本気を出していなくても並の生徒では話にならないほどの強者なんだぞ・・・そんな男が話にならないほどに実力差があったなんぞ報告されては困る・・・剣聖メイルはまだしも・・・いや、ゼロ第一王子様と王女様もまだ理解できる範囲じゃが・・・」
「ユア・オルトバルト・・・彼は何者だ?カンストステータス保持者なんて有名になってもおかしくない。それなのに彼に関する情報は少ないが?」
今回1番恐ろしい力を見せたのはユア
彼の力を知っている者の彼についての話では
「バルト様の話では彼はデストピアの森に入って生き残っている冒険者であると・・・」
『!?』
一同は驚愕する
「デストピアだと!?魔王クラスがありふれている最悪の森じゃぞ!」
「・・・・・・ステータス2000以上が最低ライン。並の冒険者の平均は1000弱。魔王で5000弱、魔王クラスがうじゃうじゃといる最悪の森・・・」
ステータス2000以上ではないと話にならないほどの最悪の森
英雄と呼ばれるほどに強いバルトですら入りたくないと言われている森
そんな森で冒険していたとなれば・・・
「国に大きく影響を与えた厄災がたくさんいるとされている森で魔物を狩っていたらしいです。カンストステータス保持者である理由が理解できますね・・・」
「いや、なんでそんな世界の英雄のような存在が我が学園に通おうとしているんじゃ?この学園で学ぶことがあるとは思えないぞ」
それほど常識外れの森
最悪と呼ばれる魔物がうじゃうじゃと多くいる森は過去の剣聖や魔導王ですら生き残れても厄災の魔物を討伐できなかったと言われているほど
生き残ることができるようだが討伐がほぼ不可能と言われている
何故か森の外に出ることがないらしいがそれは運がいいことだった
そんな危険な森で魔物を倒している人なんていれば
「英雄が学園にか・・・いいじゃないか?冒険して学べることがあってもここにしか学べないものがある。まだ若造じゃ、社会を体験するいい機会であると儂は思う」
「そうですね・・・まだ15歳となれば学生らしいことをさせてもいいでしょう」
「そうしよう。さて、星1のクラスだが・・・」
「ええ、決まっていることでしょう?」
次々と新入生をどこのクラスにするのか決めた
こうしてエルドラ王立学園の新入生のクラス発表が行われる
結果はーーー
次回は2月14日7時20分投稿予定