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第2話.ギルド

「なんだここ、もしかしてギルドって言うヤツなのか?」


「そうっぽいな、多分今あの男の人と話している人が受付の人だよ」


そんな話をしていると、ワキの言う受付の人であろう女性がこちらに近づいてくる。

なんだ、また俺は何語かも分からない言葉を聞かされるのか?


「初めまして、あなたたち転生者だって?」


マジか、普通にしゃべれる人もいるんだな。ていうかやったぞ、これでやっと言葉が通じる。

俺は話が出来そうなことに安堵を感じたが、同時に何を話せばいいか分からない事にも気づく。


「えっと、ここはどう言った場所なんでしょうか、あとなんで僕たちの使う言葉を・・・」


「ここはギルドよ、あと、私達はこういう仕事上、色んな人と話す機会があるからね、最初に翻訳能力(ほんやくスキル)を覚えるのよ」


俺の予想は当たっていた、やはりここはギルドだ。そして翻訳能力(ほんやくスキル)なる便利なものがあるようだ、ワキのとは違うのだろうか?

このままだとワキのアイデンティティが失われてしまう。


「俺の能力と似てるな・・・」


本人もどうやら気づいてきてしまっている様子だ。

こっちまで心が痛くなってくる。


「あら、でもあなたのそれって特殊能力(オリジナルスキル)でしょう?それならダージを消耗しないからフルオートになってるんじゃないかしら」


ワキの能力と翻訳能力の差別化が出来たようでよかった。にしても便利な能力である。ひょっとしたらここで覚えられるのでは?てかダージってなんだ?


「ダージってなんですか?」


「この世界で魔法やスキルを使う時に消費されるエネルギーです。消費ダージ量は普通スキルの強さに比例して増えていくものなんですよ。ただ、スキルの中でも特殊能力(オリジナルスキル)にはこれが適応されないので、基本的なスキルより使い勝手が良いものが多いんですよ」


なるほど、通常であれば特殊能力(オリジナルスキル)というのは使い勝手が良いものなのか、ということはある意味俺の能力ってレアってことなんじゃないか?別に嬉しかねぇな、不便なことが珍しくてもこっちには何の得もねぇし。どうせならまともなスキルの一つや二つくらい覚えていきたい。


「すいません、ここでスキルとかって覚えられたりするんですか?」


確かに、それは考えてなかったな。ここでスキルを覚えられるというのなら大きいぞ。攻撃能力(こうげきスキル)とかも覚えて、一旦この街から出ても大丈夫な状態を作れる。

期待と裏腹に、お姉さんは少し難しそうな顔をしている。

もしかして無理なやつか?仮にそうだったらどうしようか。


「そうねぇ、大体スキルって2つに分けることが出来て、通常能力(ノーマルスキル)職業能力(ジョブスキル)っていうのがあるんだけど、ここでどんな職業か選べば、就いた職の一番最初に覚える職業能力(ジョブスキル)が与えられるわよ」


おお、一応スキルは覚えられるっぽいな、でも職業によって変わってくるっぽいから慎重に選ばないと、ていうかこう言うのって適正とかあったりするのかな、ゲームの主人公ってなんの職業でも行けたりする場合あるしな。


「ちなみにあなた方であったら、今の段階でこの5つの職業の内から選べますよ」


冒険者 、剣士 、盗賊 、 魔法使い 、僧侶・・・テンプレっぽいが、これぐらいが今の俺達にはちょうどいいかな。


「ちなみにこれ適正とかあるんですか?出来れば攻撃魔法が最初から使える感じの職業なんてありませんかね」


「でしたら剣士が良いんじゃないでしょうか、他の職業だと最初に覚えられるのはサポートですから」


どうしようか、剣士・・・悪くない、だけどなんか俺じゃない気がする。なんでだろう、俺剣士向いてない気がする。よく考えたらこの中の統率枠って冒険者だもんな。右腕が強いのはいいけど、流石にこんなチート野郎だとビックリしちゃうもん。


「あ〜やっぱり冒険者でお願いします、すいませんせっかく提案して頂いたのに」


「分かりました」


お姉さんは愛想良く答えてくれた、それだけで何故かほっとしてしまう、人の温かさというものなのだろうか。


「あなたはどうされますか?」


無論俺の後にはワキに質問の矛先が向く。

こいつどんなのがいいんだろ、流石にダブル冒険者とかいう流れにはならないだろうけど。やはり戦力になって欲しいな。

どうやらワキも悩んでいる様子だ。確かにこの5つの中だとどれも気になってしまうのは無理もないだろう。

「じゃあ、僧侶でお願いします」


なるほど僧侶か、確か似合う気がする。

漠然とそう感じたのも長い付き合いによるものだろうか。


「承知いたしました」と言うと、お姉さんは奥に行ってしまった。

なんだろう、やっぱり申請とかってお金いるのかな・・・この世界の金なんて持ってないぞ・・・ポケットに何か入ってないかな・・・あっ、なんかあった。

ただの丸まった銀紙か・・・・・・・・・


「では、こちらが装備となります、あとこれをつけてください」


そう言うとお姉さんはそれぞれの装備と一緒に鼠色(ねずみいろ)の真ん中に羽が描かれた勲章のよう

っております、恐らくステータスの方にもそう書いてあるのではないでしょうか」


俺は『ステータス表示』と言うと出てきたウィンドウの一番下の部分を見てみた。確かに『階級:ノージュアル』と書いてある。


「なるほど、階級を上げると何かいい事があるんですか?」


「そうですね、覚えられるスキルだったり、職業が1段階ランクアップしたり、就ける職業自体が増えたりしますよ」


これは階級を上げて言った方がだいぶ生活が楽になると言えるんじゃなかろうか。

とりあえず貰った装備に着替えてみると案外着心地が良い。ワキも気に入ったようだ。

やっぱり白いローブって言うと僧侶っぽさが出るな。


「ちなみにお二人はパーティの登録はされていきますか?」


「組みます」


颯爽と手続きを済ませて、パーティを登録する。その際メモ帳のようなものを渡された。

なにこれ?


「こちらに増えたメンバーの方の職業と名前を記入していただければ自動的にこちらにも登録されるので、増えた際にはお願いします。最大5人まで加入可能ですので、あなたがたを抜きにしてもあと3人ほどパーティに加えられますよ」


パーティ追加か、今のところ何も考えてないな、確かに自分たちより強い人とか居たら戦闘が有利になるのか。にしてもこのお姉さん、色々教えてくれるな。


「すいません、何から何までありがとうございました」


「いえいえ、また何かあったらこちらまで」


そう言って俺達はギルドを後にした。

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