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第1話.チート能力?

眩しい・・・ここはどこだ?転生するって聞いただけだし、まだどんな世界なのかはよくわかんないな。

そんなことを思いながら目を開けると、そこにはいかにもヨーロッパの貴族たちが住んでいそうな街が広がっていた。


「・・・・・・・絶対俺が来る場所じゃないだろ、ドレスコートとかあったら入れないよこんな格好」


アキラはハロワに行くために着ていた黒パーカーに黒い長ズボンのままこっちの世界に来たため、到底この街の雰囲気に馴染めそうでは無い、これだったらまだ不審者や変出者と言われた方が幾分か納得出来るのではなかろうか・・・言い過ぎか。


「お前アキラだろ」


唐突に背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。振り返ってみるとそこには見覚えのある友人がいるでは無いか。

知り合いがいるってだけでこれだけ安心するもんなんだな、こっちにしといて正解だったぜ。


「おお和木、お前もやっぱりこっちに来てたか」


「和木じゃなくてタカドの方がしっくりくる」


「うい、タカドな分かったよ、お前も転生の方が良かったか」


「冥界って暇そうだしな、それに男子なら魔法とかに一度は憧れるもんだ・・・そういえばお前どんな特殊能力(オリジナルスキル)貰ったんだよ」


特殊能力(オリジナルスキル)?もしかしてあの神が言ってたヤツか?だとしたら自衛できるくらいの能力が手に入ってるはずだ。

あんまし強くなさそうだけど、そこそこ戦えればいい方かな。


「ちなみにその特殊能力(オリジナルスキル)とやらはどうやって確認するんだ?」


「俺と同じならステータスウィンドウに書いてあるはずだ、『ステータス表示』って言えば出てくると思うぞ・・・あ、俺のが出てきた」


どうやら和木の言う通りこの世界ではステータスを確認できるらしい、RPGっぽくて実にいいじゃないか。

早速俺は『ステータス表示』と何も無いところに向けて言ってみる。

元いた世界でこんなことをしていたらただの頭のおかしい奴だろうな。

そんなことを考えている間に、俺のステータスウィンドウが表示されていた。

レベルはやっぱり1か、そりゃそうだな、こっちに来て1日もたってないんだから。さて、どんな能力なのかな?・・・なになに、発動から3分間の間、法則を無視することができるようになる、ただし次の使用には168時間のインターバルが必要になる・・・


法則無視(アンチアトム)・・・・・・・・・・え?」


おい待て、いや待て!ちょっと待て!!・・・・どういうことだ?え、この世界ってこんな能力を持ってなきゃ自分を守ることができないくらい過酷なんですか?もうヤダ〜冗談よしてよ・・・・・・・・・・・・


いや、冗談じゃなさそうだな、現に自らのステータスに表示されてるんだもんな。


「俺のは『読解』っていう能力だったんだけどさ、色んな文章とか、知らない言語とかも勝手に変換されて頭に入ってくるんだ、しかも相手側にはこっちの言葉が違っていても伝わるんだ。で、お前のはどうだったんだ?」


・・・なんて言おうか、このままだと異世界転生だからって調子ぶっこいてチート能力貰ったやつみたいになってしまう。

どうやらタカドは『読解』とか言う比較的便利そうな能力を手に入れたらしい。一方アキラの能力はインターバルが168時間もいる上に、使用できる時間はたった3分と言うとっても不便な能力である。


「あ、いや〜まあそこそこなのを・・・ね?」


「どんな能力なのか教えてよ」


タカドは純粋な男児のようなキラキラとした眼差しでこちらを見てくる。

その目を辞めてくれ・・・こっちの心が痛くなってくる、いっそ吹っ切れた方がいいのか?いやでも、うーん・・・・・・・どうしよ。


「ちょっと見させてもらうね」


そう言うとタカドは俺とウィンドウの間に入り込んできた。急に入り込んできたので、俺はウィンドウをしまぅ間もなかった。

勝手に見るなよ・・・まあもういいか、見られて死ぬ訳でもないし。


「お前・・・・・・・・・超強そうなの貰ってるじゃん、いいな〜俺も戦闘向けの能力にしとけばよかった」


おいタカドよ、よく見ろ。次の発動までに要する時間は168時間、それに加え発動時間はたったの3分間だ。

3分たったら君残り1週間能力使えないよ状態なんだよ。こんなんすぐ死んでまうて。


「でもなタカド、この能力すごいインターバルがあるくせに、たったの3分しか使えんのよ」


「でも一週間に一回世界を滅ぼせるレベルの能力が使えるって考えればやばくない?」


確かに言われてみればそうだ、時間ばかりに気を取られていたが、元の能力が強すぎるから相殺できているのかもしれない、だとしても今のままじゃこの能力が使えない間は俺がくそざこなのにも変わりは無い。


「とりあえず、この街出るか?」


「何言ってんだアキラ、まともな攻撃手段を持っていない俺たちが今ここを出てもゴブリンとかそこら辺にボコボコにされて終わりだぞ」


困ったもんだ。こんな極端な能力じゃなくてもっと普通の強いやつが良かった・・・文句を言っちゃ失礼か、いただいた立場にある訳だからな。まず具体的に伝えなかった俺も悪い。神にとっての自衛と人間にとっっての自衛ってもんはレベルが違いそうだし。


「0ni13Ra72wo4tend10Sei48ka?」


考え事をしていると突然見知らぬ男の人に話しかけられる。おいおい何言ってるんだ、全く分からんぞ。どうしよう。

ふと横を見た俺、今の状況においてとても頼りになる奴がいた。


「はいそうです、転生してきたばっかりでよく分からないことばっかりなんですよ」

タカドは男の人の話を聞くとなにやら答えているようだ。

話を聞き終えた男の人はにっこりしたかと思うと、数歩先へと歩いていった。そして少し行ったところで、着いてこいと言わんばかりにこちらに手招きをしている。悪い人という感じはしない。


「どうするタカド、着いてくか?」


「行く宛ても無いしな、ここで時間食ってるより着いてった方が得だと思うぜ」


そういったタカドの声もあり、俺は男の人について行くことにした。時間を食うよりマシとは言っても、やはり知らない土地、不安もある。それにこの男の人も、人が良さそうとはいえ、俺からしたら言語も分からない謎の人だ。


「これ大丈夫なんだよな?」


「まあ、大丈夫だろ。きっと何とかなるよ、信じるものは救われるって」


お前は宗教勧誘かなんかか、こんな楽観的なら俺ももう少し楽しく人生を謳歌出来ていたんだろうか・・・四の五の行っても仕方がない、異世界に転生するという選択をしたからには存分に満喫してやろうじゃないか。

2、30分歩いていくと、何やら掲示板にたくさん張り紙がしてある建築物があった。


「おい、着いたっぽいぞ」


その建物の前で止まると、そのまま中へ入ってゆく。

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