物量③
私が空中のゲートに攻めあぐねていると...。
「師匠!!」
「ミカ!?」
さっきまで倒れていたミカがようやく立ち上がったのを見て、ペリアが処方してくれたのだと理解しました。
(ペリアの奴...)
私はそう思うと少しだけ笑顔になれました。
「空の奴は私がなんとかする! 師匠はやばい奴をなんとかして!」
そう言いながら彼女は両手をパンッと鳴らして大地の土を盛り上げ、炎のゲートに向かって伸ばす!
見た目こそアレだが、土は炎を塞きとめるのに割と良質な物質でもある。
「雑魚どもは私に任せて! 師匠はあの金髪を!!」
「分かった! こいつらはミカに任せる!」
私は声を上げて弟子にそう叫ぶと、そのまま水を足場にして空中で高みの見物を決め込んでいるアポロの元に舞い戻った。
「お早いお帰りで」
「...」
彼に煽り文句を呟かれた瞬間に攻撃に移る!
素早く刀を振るい丸腰の奴に攻撃を入れるのだが、上手く躱されてしまう。
まるで私のことを嘲笑うかのように動き続ける彼の技量はやはり本物である。
「さあ、そろそろお遊びは終わりにしようか」
「なに?」
彼はそう言い放つと、何処からともなく刀を出現させるのでした。




