【対価を求めた医師】⑦
「違う!!」
私の叫び声に彼女は静かに問いを入れてくる。
「なにが違うの? あなたも私と同じで他者を助ける事に快楽を得る狂人なのでしょう?」
そんな言葉を選んでくる彼女に私は言いました。
「私はともかくあなたは違うでしょ!? ペリア!!」
私の言葉に彼女は驚いたように口を開いている。
まるで鳩が豆鉄砲でも食らったかのような表情で...だ。
そんな彼女に真剣な眼差しをぶつけながら私は討論する!
「私は短い期間だったけどあなたの行動はしっかりと見ていたつもりだよ、誰かを診察する時のあなたの表情は本物だった、あの顔は誰にでもできる物じゃない、本物の【医者】にしかできない顔なんだよ!」
「...」
言葉を慎む彼女に私は続けて言葉をぶつける。
「こうしてあなたと言葉を交わしていたらよく分かる...、今も流しているあなたの涙は本物だってことが!」
「ぐっ...! うぅ...!」
彼女は私の言葉に膝をつく。
そんな彼女に私は手を伸ばした。
「だから...さ、もう終わりにしようこんな事...、あなたは他の【眷属】達とは違うのだから...」
彼女は泣き崩れながら私の手を取ろうとした次の瞬間!
「大帝様を裏切るのか?」
と言う声が聞こえてくるのでした。




