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【対価を求めた医師】⑤

 蒼き力を身に纏った私は速攻で決着をつける。


「【蛙伝雷速】」


 全身に蒼き電撃が迸り、全ての身体機能を著しく向上させる!!


 私が走るだけで地面に足跡がついてしまうくらいの圧力を込めながら地面を蹴りつけた!


 私の走る音で轟音でも鳴り響くような錯覚を覚えながらペリアに一撃を入れる!


「歯を食いしばれ!」


 あちらからすれば私が突如瞬間移動したかのように感じたのだろう。


 まるでそんな感じの空気感をペストマスクを通していても理解できた。


 私は全力で彼女の顔面を殴りつけてマスクを破壊する!


 メキメキと言う音と共に彼女の体が中を舞い地面に叩きつけられた。


 壊れたマスクの残骸から素顔を見せる彼女の表情は...。


「はっ...?」


 静かに雫を垂れ流していた。


 顔を赤くしながら両方の目から涙を流して私を見つめるペリアの姿を見た時に「ふざけるな!!」と叫ぶ私。


「なんでお前が涙を流しているんだ!? これはお前が始めた戦いだろ!!」


 私の問いに彼女は答えてくれる...。


「誰が好き好んで人を殺すんだ? 涙くらい流させてくれてもいいだろう...」


「ッ..!」


 確かな人間味を彼女から感じつつも、私は言い返す。


「ならなんで無関係な人たちを巻き込んだ!? これは【眷属(お前ら)】と【次元龍()】の問題だろう!? タダで無関係な人達を診察する振りをして【眷属】に引き入れておいて今更偽善者ぶるな!」


 その問いに対し、彼女はこう返してくるのでした。

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