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【フィルア王国】③

「...そりゃあ私の故郷は酷かったけどさ、それとこれとは話が別じゃん! なんで師匠は手柄の殆どをあんな奴らにあげちゃったの!?」


 ミカは未だに私が【王国騎士団】に手柄を渡した事を根に持っているようですね。


「ミカ、私は別に豊かな暮らしがしたい訳じゃない、ただ守るべき者の場所に帰りたいだけなんだよ」


「...じゃあ早く帰ろうよ! それがどこか知らないけど師匠なら行けるでしょ?」


 その言葉に私は首を横に振る。


「そうしたいのは山々だけど、残念ながら私にもこっちでできた仲間って者がいてね、最悪そいつらが安心して暮らせる世の中になったと見届けるまではこの世界を離れる訳にはいかないのさ」


「世界を離れる訳には行かないって...、別に師匠は宇宙から来た人って訳でもないんでしょ? なんでそんな抽象的な言い方するの?」


「それは...」


 これは困りましたね...。


 素直に私が【()()()()】だと言ってもきっと信用してくれないでしょうし、かと言って嘘を吐くのもなんだかな...。


 私はしばらく考えた後に言いました。


「とにかく、私はこの世から【聖典】を全て消すまでは遠くに行けないの、分かったら【大帝】や【高難易度ダンジョン】で聞き込みするよ」


 私の声を聞いた彼女は嫌そうな顔をしてうへぇ...と舌をだしています。


「またその聞き込み? 【大帝】なんてもういないし無駄じゃん! それにその名前を出すだけで皆から嫌な顔されるし正直嫌なんだけど」


 と言ってくる彼女にはこう返します。


「じゃあ師弟関係は終わりね、どこにでも行きなさい」


 そうやって歩けばすぐにひっついてくる彼女。


「わ〜!! 分かったわかった! 私が悪かったって!」


 彼女としても短期間で強くなれるコツを知っている私との縁を切りたくないのでしょう。


 毎回駄々をこね出したらこの方法で黙らせれば良いのです。


「じゃあ聞き込み開始としようか」


 私とミカは裏路地から出て早速ギルドへと向かうのでした。

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