【風龍ルディラ=マルクス】③
私とミカが馬車の外に出てしばらく走りるとそいつの存在を認識できました。
「あれね」
「あれが【風龍ルディラ=マルクス】...」
災害級と言われている存在を目の前にしてもミカはそこまで驚いた様子がありません。
「師匠...」
「何?」
「あれって師匠より弱くない?」
そう言いながら【風龍ルディラ=マルクス】を指さす彼女に私は言いました。
「そう思うんなら試してみなさい」
「うん、そうする」
彼女は私の言葉に答えた後、巨大なドラゴンの元へと歩いて行きました。
「グォォォォォ!!!」
ミカの登場に気が付いていた【風龍ルディラ=マルクス】はいきなり暴風を呼び寄せて彼女を吹き飛ばそうとしますが...。
「【硬質化】」
【硬質化】したミカに風は通用しません。
【硬質化】と一言に言っても体を硬化させるだけではなく重さも能力値に応じて変化できると言う物でした。
なので重さを最大にすれば暴風で吹き飛ばされる事はありません。
なのに遥か後方では吹き飛ばされている王国騎士の声がこちらにまで聞こえてきました。
(...情けない、あれだけ【風龍ルディラ=マルクス】に近づいているミカは普通に堪えていると言うのに)
私はそう思いながらもミカと【風龍ルディラ=マルクス】の戦いに視線を移すのでした。




