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弟子と師匠

「...ふぅ」


「落ち着きましたか?」


 サラの姿で優しい言葉をかけてくるアルフィ様には本当にギャップがある。


 私よりもずっと小さい体の筈なのに、私よりもずっと大人な言葉遣いで私を安心させてくれるのだ。


「ええ、もう大丈夫です」


「それは良かった、これから最終決戦だと言うのにあの様に泣きじゃくられては困りますからね」


 ふふふと笑う彼女の対応に私の顔は真っ赤になりました。


「すみません、何しろアルフィ様が生きているなんて思ってもいませんでしたから」


「それもそうですね」


 そう呟く彼女と私は互いに笑い合いこれまでの旅路を静かに話し合った。


 彼女はサラとしての人生での私と師匠としての観点から見た私の両方を答えてくれるのでとても勉強になります。


「サラとして貴女に弟子入りできた私はとても幸運でしたよ、私なんかよりもずっと師匠に向いていると思いました」


「そんな事ありませんよ、アルフィ様の教え方だって充分に上手...?」


 そこまで言いかけるとなんだか不安になってきました。


(あれっ? そう言えば私ってアルフィ様の魔術を見様見真似で真似していただけじゃ...)


「...」


「レイナ? どうかしましたか?」


「い...いえ! なんでもありません!」


 よく考えてみると、私は彼女の魔法をただただ真似していただけなのかもしれません。


 一応魔術を教えて貰ってはいましたが、なんと言うかその...雑だったのを今でも思い返せてしまいます。


 薬の調合などは真似をするだけでも相当上手くなったのですが、魔術の方はアルフィ様のをベースに私が自分なりに改良した物ばかりですね。


 それだけ彼女の魔法が強力で私程度では再現出来なかった事の裏返しでもありますけど...。


 はははっと笑っていると、とある事に気がつきました。


(あれっ? そういえばアルフィ様が処刑されたのって確か...)


 私はとんでもない事に気がついてしまう。


(あれっ!? なんで私は自分の事を17歳だと思っていたの!?)


 そう、アルフィ様の処刑された日から考えるととんでもない月日が流れている筈なのに、私の中では17年程の記憶しかないのです。


 その事に気がついた私は師匠に相談してみるのでした。

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