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裏切り者の傷跡

 声のする方に近づいてみると...。


「アポロか?」


「その声は...、【次元龍】様ですか?」


 両目を閉じたままそう呟く金髪の男がいた。


 そいつは牢屋の中にある椅子に鎖で縛りつけられていて、両の目からは血の涙が溢れている。


「お前...、まさか目をくり抜かれたのか?」


「...【大帝】様に刃向かった者の末路なだけですよ、それよりもよろしければ僕の鎖を解いてくれませんか? 必ずあなたの力になります」


「両目が潰れていてもか?」


「はい、この鎖さえ解いてくだされば必ず...」


「...お前には世話になったしな、一度くらい言う事を聞いてやろう」


 我は彼を縛りつけている鎖を一刀両断にする。


 カランと乾いた音が地面を奏でると、彼はゆっくりと立ち上がった。


「ありがとうございます」


 そう呟いた彼の瞳から炎が噴出し、新たな光を得る。


「それは...」


「ええ、【炎帝】の加護と言う奴ですよ、体の一部を失ったとしても生きてさえいれば欠損部分を魔力で補えるんです」


「そうは言うがやはり性能は落ちるのだろう?」


「ええ、ですが見えないよりかはマシです」


 彼は痩せ我慢をしながらも我にこう告げる。


「さあさあ、後は僕の事など気にせずに【大帝】様と思う存分殺しあってください」


 にっこりと営業スマイルを浮かべる彼に我はこう呟いた。


「ああ、だがその前に...」


 我はゆっくりと刀を引き抜く。


「我を辱めたお礼参りとするか」


 そよ風が我の肌を凪いだかと思えば緑髪の奴が姿を現すのでした。

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