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決戦前夜⑤

「良い出来だな」


 我はポニーという赤毛のドワーフに【あまみん☆=バスターDD】の出来栄えを褒め称えました。


「いえ、この程度の出来などではまだまだです、いつもエリーゼお姉様がケロナお姉様の事を話されていたのでそのイメージで刀を打ちたいと思っていたのですが、当の本人と出会ってみて話とは随分と違う人だなと思いました」


 その言葉にエリーゼが噛み付く。


「ポニーさん!!? お姉様の美しさを目の前にしてそう思うのはお姉様に対して失礼と言うものですよ!!」


 いつものノリで叫ぶエリーゼを見ていると少し笑える。


 なので我はケロナの様に接する。


「いやいいんだエリーゼ、私もポニーも初めて顔を合わせているんだからな、話の中のイメージと実際出会うのとでは差があってもおかしくない」


 我の言葉に彼女は肯定的な言葉を並べる。


「は...はいっ!そうですわね!! ポニーさん、ちょっと言い過ぎましたわ」


 ちゃんと謝れるエリーゼはいい子ですね。


 とりあえずポニーには何がイメージと違って見えたのか聞いてみましょう。


「ところでポニー、イメージの中の私と実際に会った私のイメージではどう違って見えたの?」


「そうですね、エリーゼお姉様の話で聞いていたケロナお姉様のイメージは潤い流れる蒼き水の様なイメージでしたが、実物のケロナお姉様はまるで黒く錆び切り果ててなお鋭さを増す黒竜の様なイメージですね」


 我はその話を聞いて僅かに口角を上げた。


「そのイメージ案外間違ってないかも知れないな」


「えっ?」


「いや、気にしなくて良い、ポニーにはポニーの思想があるだけだろう? それはそれで大事にするべきだと思う」


 彼女の話を聞いて確信した。


 やはりこの刀はケロナではなく我の強化アイテムだと言う事に。


(それならそれでありがたい、有効に活用させて貰う事にしよう)

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