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はっ...?

「はっ...?」


 我は急にはっきりとした意識に対してそう呟いた。


「サラ?」


「...【次元龍】には他のことをしてもらうつもりだから取り敢えず3()()を送り込んだよ」


「...3人?」


 我を送り込まないのも解せないが、それ以上に3人送りこんだと言うのが気になる。


「ミカとサラ...、後1人は誰だ?」


「ケロナお姉ちゃんの精神体だよ」


 彼女が言うには我の体からケロナの精神のみを幻夢界に送りこんだらしい。


 肉体と精神が離れすぎたら2度と戻って来れないかもしれないと言うのに、彼女はそれを行ったのだ。


「サラ...、いや! アルフィ!! お前は自分が何をしたのか分かっているのか!?」


 思わず大声を張り上げて目の前の少女の首根っこを掴む!!


 今はケロナの精神がないせいか躊躇ができない。


 勢い余って目の前の少女を殺してしまいかねないほどの力を入れた。


 徐々に弱っていく少女の呼吸音を聞いた時にようやく我に帰る。


「はぁ...!! はぁ...! はぁ...」


 息が苦しい...。


 目の前の少女に殺意が湧いたのは言うまでもないが、それを行ったのがケロナの妹である事によって最悪の事態は免れたのだ。


 落ち着いた我は静かに冷たくこう言い放つ。


「貴様...、もう少しで殺していたぞ...!」


 我の言葉に彼女はこう答える。


「大丈夫、ケロナお姉ちゃんなら私は殺さないから」


「理由になってないだろう!! そのケロナお姉ちゃんは今夢の中なのだぞ!? 我に貴様を殺させるつもりか!?」


 その言葉を聞いてむしろ彼女は嬉しそうな表情を浮かべていた。


「その言葉...聞けてよかった...、【次元龍】...今の貴方なら信じられる...」


「...貴様、まさか我を試したのか?」


「ええ...、もしかしたら私達をはめようとしている可能性もまだあったからね、でもケロナお姉ちゃんの精神体がその体になくても私を殺さなかった事で証明されたでしょう? ()()()()()()()()()()()()()()事が」


 目の前の少女は自分の命を賭けて我の事を測ってきたのだ。


 無謀さにも程があると言いたい所だが、その無謀さのお陰で我は信頼を勝ち取れたと言っても良いだろう。


 そんな我の心情などどうでも良いといった風に手招きをしてくる彼女。


「取り敢えずついてきて、とにかく今の私達の装備品じゃあこの先の戦いを生き残れない、()()()()()()()()()()()()()()()が私達には必要なの」


「...このような事を許すのは今回だけだぞ」


 我の言葉にコクリと頷いた彼女の手を静かに取るのだった。

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