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食事作り

(なぜ我がこんな事を...)


 そう思いつつも我は皆のメシを作っていた。


 どうやらこのパーティのメシ係がケロナだったようで、皆からケロナの作るご飯が食べたいと言われたからである。


 まあ、ケロナの記憶から料理の仕方は分かるのでどうにかなりそうだ。


 初めてやる料理なのにケロナの記憶のお陰でテキパキと料理を進めていると...。


「ケロナお姉ちゃん」


 突然妹であるサラが台所に現れて私の横に立った。


 我はケロナのように笑顔を作り出して妹を安心させる。


「なに? サラ」


「...ちょっと手伝っても良いかな? ケロナお姉ちゃんが出て行った後の食事係をやっていたのは私だからさ」


 意外な事に妹が食事係をしていたと言う。


 妹曰く「いつもお姉ちゃんの料理を見ていたから自然と覚えていた」と言う。


 しかし、それでも最初の方は調味料に分量を間違えたりしていたらしい。


 我は妹とそんなたわいのない話しをしていると、彼女はふとこんな事を言い出した。


 辺りをキョロキョロと見回しながら、皆に聞こえない程度の音量で我に「貴方は誰?」と聞いてきたのだ。


「誰だって? ひどいな、サラのお姉ちゃんであるケロナだよ」


 そう呟く我に彼女は静かに返す。


「嘘、お姉ちゃんとほぼ一緒な調理の仕方だけど若干不慣れ感が見られるよ? いつもお姉ちゃんの調理姿を間近で見ていたから私には分かるんだ」


「...」


 その言葉に我の手は止まる。


 まさかこんな小娘に我の擬態がバレそうになっているとは...、やはり記憶と肉体を共通していてもそれを扱う者が違うだけで違和感と言うものは現れるのだろう。


 もしかしたら皆も言葉に出さないだけで既に気がついているのかも知れない。


 ()()()()()()()()()()()()


「サラ...」


 我は妹になんて言えばこの場を切り抜けれるのかを必死に考えているのでした。

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