旧友
「誰ですか!?」
と声をかけてきたエルフにケロナの記憶から算出した答えを返す。
「レイナ、私だ」
フードを脱ぎ去り素顔を晒すと驚いたような声をあげるレイナ。
「...ケロナですか?」
彼女は目の前の現れたのが私だとわかった途端に杖を放り出して抱きしめてきた。
「ケロナ...! 今まで何処に行っていたんですか...? 私達貴方の事を探して回っていたのに全く情報が掴め無くてこんな所にまで来てしまったんですよ...」
いきなり抱きつかれるのはびっくりしたが、ここは冷静に返す。
「...レイナ、ただいま」
彼女の態度に驚いているミカだったが、私と彼女の関係を説明をすると納得してくれた。
「この人が師匠の元パーティメンバーなのか...」
そう呟いたミカの言葉にハッとしたようにレイナが私の手を取る。
「ほらっ! こんな所で立ち尽くしてないでください! 皆がケロナの帰りを待っていたんですからね!」
興奮した彼女が私の手を取って奥の部屋へと案内した。
奥に向かうと懐かしい声が聞こえてくる。
その場所に我が入った瞬間に視線が我に注がれた。
「皆!! ケロナが帰ってきてくれましたよ!」
その言葉を聞いた皆が一斉に声を出す。
「ケロナお姉様!?」
「ケロナさん!?」
「ケロナちゃん!?」
その声を聞いた我は静かに声を返した。
「皆...、ただいま」
そう呟いた瞬間から、嬉しさのこもった暖かい声で迎え入れられるのでした。




