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【進撃の帝王】

 その時、ぐらりと世界が揺れ動く。


「【大帝の呼び声(コール・フリーズ)】」


 彼の者の一声で氷の音色が世界中に響き渡ると同時に明らかな気温の変化が現れる。


 これは1ヶ月の間にこの世にある全ての生命活動を閉ざす為の進撃を開始するという合図である。


【大帝城】は神出鬼没だ。


 彼の者の命令一つでどこにでも移動してくる。


 手始めに【クレイトン】と言う城を落とす事にそたこだろう。


 彼の者の指の動き一つで【帝王】達は進軍を開始する。


【風帝】が城に風穴を開け、【炎帝】が燃やし尽くす。


【雷帝】が市民を焦がし、【邪帝】が正気を吸いとる。


 本来は他の【帝王】とは違い、公平に正しきを導くはずの【聖帝】さえもがこの世界の命運を市民達に伝えた。


「我らは【大帝】様の僕...、【聖帝】ラグネルが【大帝】様に変わり貴様ら人間に宣告しよう」


 人間達が固唾を飲みながら天に舞う白き鎧を纏った【聖帝】の姿に感嘆する。


 神々しい姿のあれはあの悪魔達を滅ぼすてくれる神の御使なのだと...。


 しかし、そんな微かな希望はたった一言で打ち砕かれる。


「皆殺しだ」


【六帝】の力が集結した今、人類になす術などない。


 たった数時間の内に一つの国が終焉を迎えた。


 そして、一つの国を征服した証として氷のバラが送られる。


「【凍結の薔薇(ローズ・フリーズ)】」


 市民達の死骸や城をも一つの氷の中に閉じ込めたのだ。


 一国の人間全ての命を奪い尽くしたのにも関わらず、彼女は満面の笑みを浮かべながら「まずは一つ」と呟くのみなのでした。

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