【次元龍】最後のピース
「此奴が我の新しい器か...」
その言葉に威圧される私。
(私の中に2体の【次元龍】とは全く別物!! 老いている見た目に惑わされちゃダメ!! こいつが本体だ!!)
明らかにミストレアともアズムとも違う異質な存在を感じる...!
それは目の前にいる存在こそが【次元龍】の中でも1番大切なパーツである事を示していた。
その証拠に私の中に眠る2体の次元龍の呼応が飛び交う!!
『『ついに我らがひとつに...!』』
「ぐっ...!」
突然の呼応に胸が張り裂けそうになる!!
「アポロ...まさかあんた!!」
胸を押さえながら苦しむ私を見た彼はこう言いました。
「そうだよケロナ、君はもう充分に頑張った、【大帝】討伐は【次元龍】様に任せて君はゆっくりと眠るがいい...、いつまでも深く...」
そんな事を言われてしまうと意地でも抵抗したくなってしまう。
「そう簡単に行くと思うの? 【次元龍】くらい気力で押さえ込んでやるわ!!」
私は【蒼極】の力を解放して耐えようとしましたが...。
(くそっ!! 流石に私の魔力じゃ3体分の次元龍は抑えきれない...!)
どう考えても魔力の比率があちらに傾いてしまっていました。
「くそっ...こんなところで....」
視界が揺らぎ頭がぐらつく。
しまいには極度の眠気に襲われてしまい、足元さえおぼつかない。
「アポロ...あんた一体だれの味方...な...の...?」
私の最後の言葉に彼は笑って答えるのでした。
「僕はだれの味方でもない、何度も言っているだろう? 【次元対戦】の再来が見られればそれで良いんだと」




