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第六話 森から現れた妖艶なエルフ熟女 ~少年達を見つめる凛とした視線~



 「こ、降伏か?・・・僕は・・・僕は降伏いやだ、戦おう!そのためにここまで来たんじゃないか!ここで降伏なんかしたら男がすたる!」


 マグリスは自分自身に言い聞かせるように叫び、なまくら剣を握った手に力を込める。

 突然の事態にうろたえはしたものの、やっと普段の調子に戻ってきたのである。

 しかし、それもつかの間の虚勢だったようだ。



 ・・・・ヒュウウンッ!・・・ズサッ!


 彼の戦意をくじくようにマグリスの足先、ほんの数ニムエールの地面に矢が射込まれる!


 「ひいいいい~っ!」


 マグリスは思わず裏返った情けない声を上げて飛び上がる!・・・強がりを言ってはいるが彼とて本音は怖いのだ。

 漁師の家に育ち、海で鍛えた屈強な体をもつ元気者の彼も、戦闘の経験などもちろん皆無、ごく普通の〇〇歳の少年なのである。


 「・・・貴方達を殺そうと思えばすぐにでも出来るけど・・・そんなことはしたくないの!ねっ、お願いだから武器を置いてちょうだい、私を信じて!・・・私は、エルフ族のドミネ村の族長、シセラよ・・・天地神明に誓って約束は守るわ!」


 ・・・凛とした美しい声・・・ヒト族の女性で言うと30代くらいらしい落ち着いた声だった。



 「マグリス・・・降参しよう・・・君が戦うと言っても僕は投降するよ、だから君も一緒に・・・みんなの命がかかっているんだ」


 セリオンはマグリスの目をジッと見つめ彼を説得する。

 マグリスは逡巡しているようだったが、足元の地面に矢を射込まれただけで飛び上がってしまった自分が、とても彼女達と戦えるとは思えないことを思い知らされたらしい。


 「・・・わ、わかった・・・」


 マグリスは小さな声で言うと手にしていた剣を地面に投げ捨てる。

 それを合図に、少年達全員が持っている弓矢や剣など、武器を全て地面に放り投げる。


 ・・・戦士としては屈辱の投降ではあるが、少年達はみなホッとした顔をしている。


 「みんな、私を信じてくれてありがとう!お礼を言うわ・・・」


 ・・・・ガサッ・・・


 5エール(約5m)ほど先の茂みから現れた人影。


 ・・・それは驚くほどの美しいエルフの女性だった!


 年齢はヒト族で言うと30代くらいの妖艶な熟女・・・ということは長命なエルフ族としては300歳を超えているだろう・・・。

 エルフの寿命はヒト族のほぼ10倍はあるのだ。


 透き通るような白い肌、エルフ族のトレードマークであるピン!と尖った長い耳、露出の多いミニスカートのようなエルフ独特の革製の衣装からはムッチリとした太股が露わになっている。

 紐で止められている大きく開いた上着の胸元からは巨大な乳房がこぼれ落ちそうだ!


 美しい金髪を綺麗に編んで頭の後ろで止めたエルフの美女は、怯える少年達を安心させるように微笑を浮かべながら弓を収め、ゆっくりと近づいている。


 ・・・あまりに予想外の展開にあっけにとれらる少年達。


 卵型の美しい輪郭、長いまつ毛が妖艶な大きな目が少年達に優しい視線を送る。

 エルフ族はヒト族から見ても容姿の整った美男美女が多いことで有名だが、彼女はその中でも極上の美を供えているのである。


 エルフ族のドミネ村の族長シセラ・・・そう名乗った美貌のエルフ熟女が少年達の前に進み出ると、茂みのあちこちから弓を携えたエルフの戦士達が次々と姿を現す!



 ・・・女性ばかりがたったの七人!・・・それも皆素晴らしい美女ばかりだった。


 「改めて自己紹介をするわね・・・私はエルフ族のドミネ村の族長シセラ・・・私を信じてくれて本当に有難う!貴方達のリーダーは・・・その二人らしいわね?」


 シセラはパッチりと表情豊かな目をセリオンとマグリスの方に向ける。


 「・・・い、いえ、僕はリーダーではありません・・・僕達を率いていた指揮官は途中で亡くなってしまいましたから」


 「ええ、なんとなくそうなっているだけで・・・この中にリーダーはいません」


 二人は口々に答える。


 「・・・そうなの?じゃあ貴方達だけでここまで!・・・呆れたわ、森を甘く見過ぎよ!これじゃ命が幾つあっても足りないわ」


 まるで小さな〇供を叱る母親のような口調で、無鉄砲なヒト族の少年達をたしなめるシセラ。


 「・・・あ、あの・・・貴女達はブルータル・デス・エルフなのですか?」


 生まれて初めてエルフという種族を目にしたマグリスが恐々と尋ねる。





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