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No.6 ステータス


この国の王女だと言う、あの女性に連れられて、蓮ら5人は謁見の間に来ていた。

一番奥にある玉座には、白い髪をはやした50代ほどと思われる王が座り、その隣には40代ほどの体格の良い茶髪の男性が剣を持って立つ。

そして両サイドには少し離れた位置に様々な装飾品を身につけた貴族たちが座っている。

まさに、蓮の好きな小説のようなシチュエーションだ。

元々ほとんど情報のない異世界転移、似たような現象が描かれる小説があればこの先も同じようなことになるのでは、と言う考えも少しは浮かぶだろう。


「……お主らが、異世界より召喚された勇者か」


玉座に座ったままの王が口を開く。


「はい、転移神様に勇者として呼ばれたと聞きました」


(転移神?確かあの人は創造神って言ってたような…… あれ状況的に創造神様が割り込んできたんだろうなぁ…)


こう言う場面で真っ先に返答できるあたり、天城のリーダーシップが窺える。人は皆、基本的に自ら何かに立ち向かおうとはしないのだ。

そして、創造神とはこの世界においてかなり広く信仰されている神の一人である。さらに、実際に初代勇者を王国に呼び出したのは転移神と伝えられており、王国では特に信仰が深い。

その名前が出ると同時に、周囲の貴族が少しざわめいたのも当然である。


「そうか……しかし、すまないが此方としても間違いを犯すわけにはいかないのでな。勇者殿らにはステータスを測らせてもらうことになる」


「いえ、それは問題ないですが、方法はどう言ったものなのでしょうか?」


蓮と同じく、天城らもこの世界の法則、魔物やスキル、ステータスなどの説明を神から聞いている。

蓮の予想通り、創造神は転移神の説明に割り込んできはしたが、伝える情報自体は中立になるようにしてあるのだ。そのため、今代勇者組の中でそこまで知っている情報に差はない。


「それについてはーーロマーヌス」


ここで、両サイドに座っていた貴族の中から、でっぷりと太った胡散臭い表情の貴族が前に進み出た。身を他の貴族よりも高価な装飾品で覆っているところを見るに、かなり高い地位についているのだろう。


「勇者様方、ようこそユルヴアへ。私はこのカラート王国宰相、ロマーヌス・ユンブロと申します」


そう言って、ロマーヌスと名乗った貴族は、彼ら4人に銀色のカードを配る。


「皆様、それを一枚ずつ手にとってみてください。それにはこの世界の金属である魔銀が混ぜられており、皆様の血を一滴たらすと、皆様のステータスが浮かび上がります。ステータスが変わるたびに表記も変わる便利さから、冒険者などにも使用されておるのですが……まあ、やってみた方が早いでしょう。これを」


ロマーヌスは蓮らにピンを渡してくる。ここで当然のように赤月がゴネるが、天城になだめられて渋々と言った様子で針を人差し指の先に向ける。


(出来ればアレ(テンプレ展開)が欲しいけど、そこにこだわる必要もないかな……)


そんなことを考えながら、蓮はピンを指に刺して血をカードに垂らし、そしてカードを覗き込む。

ステータスの説明自体は創造神から受けたし、スキルも作らせてもらったが、時間の関係上彼は自分のステータスをまだみていない。


上から順に浮き出てきた蓮のステータスは、このようなものだった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

渡辺 蓮 17才    

種族:人間

職業:魔術師

Lv.1

HP :300

MP :50

攻撃:110

防御:220

魔攻:200

魔防:210

速度:200

体力:180

運気:330

SP :0


スキル:ー

固有スキル:スキルストックLv.1


称号:ー


適正値

火:D  使役:D  特殊:ー

水:D  錬成:B  

土:D  空間:S

風:C  精霊:A

雷:E  光 :D

氷:C  闇 :C

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

固有スキル


スキルストックLv.1  無系統ーS  SP:10


効果

使用可能なスキルを通常のn倍のMPを使用して亜空間にストック出来る。

ストックした魔法は好きなタイミングで発動可能。

同時ストックはn個まで可能、ストックはn週間で消える。

スキル保持者の半径nメートル内でのみストックを解放できる。


SP強化

魔法効果上昇      :0

MP消費減少       :0

同時ストック可能数上昇 :0

ストック削除時間延長  :0

ストック解放可能範囲増大:0

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



(うーん、これがいいのか悪いのか分からない。少なくとも職業欄が勇者じゃないから気をつけるか…)


蓮がステータスを眺めている間に、天城たちは血を垂らし終え、浮かんできたステータスを国王に見せていた。




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