No.2 神様とご対面
あの............見逃して下さい。
蓮が再び現れた場所は、何もない白のみの空間だった。
(ここは……………、それなら。)
少し戸惑っていた蓮だが、少しして何かを思い出したように笑い、後ろへと振り向いた。
「ふおっ! お主、なぜわかったんじゃ?」
蓮の後ろには、白く長い髭を生やし、同じく白い法衣のような服に身を包んだ老爺が立っていた。
この老爺は、いわゆる、『神』なる存在である。
神にも様々なものがあるが、この老爺は『創造神』と呼ばれる、原初の神の一角、つまりは一番偉い神だ。
創造神の仕事は、その名の通り創造。他の神を創り、彼の生きる世界である『地球』、
つまりは星なども創造神の作ったものだ。非常に強く、偉い神なのだがーー
「いきなり知らぬ場所に来て戸惑う輩に後ろから声をかけて驚かせるのが、ワシのちょっとした楽しみじゃというのに」
その正体は、暇を持て余した近所の悪戯好きなおじいちゃんという表現が適切なものだろう。
「うーん、神ってよく後ろに立つイメージがあったし……?」
初対面の印象が軽すぎるせいか、蓮の口調も砕けたものになってしまっている。
「神だというのもばれちょる……。まあ良い。お主がここに呼ばれた理由じゃ。
お主のいた世界とは別の世界にある、ユルヴアという星が危機にさらされておる。お主にはその世界を救って欲しいのじゃ」
(なるほどテンプレですねわかります。じゃあ、その返答は…...)
「しかし、僕は一般人です。そんな危機を救うことはできません」
「そこで、ワシがお主に能力を授ける。しかし、運で決めるのも味気ない。というわけで、お主にはこれをやってもらう」
そういって創造神は、どこからかルービックキューブを取り出した。
(!??)
「そ、それは?」
突然ルービックキューブを出され、困惑したように蓮は問う。
「これは六面揃えといってな。わしが作ったんじゃが、この6色の色のついた………」
(いや、知ってるけど! え、いやルービックキューブ!? これ僕がおかしいの?)
創造神の説明を上の空で聞いている。蓮は本気で困惑しているようだ。
「………このように、全ての色を揃えれば良いという……お主、聞いておるのか?」
「……聞いてますよ。それで、それを完成させれば良いんですね?」
「そうじゃ。早ければ早いほど高得点となる」
ちなみに、蓮は一時期アニメで悪役キャラがルービックキューブを解きながら部下の報告を聞くシーンにハマり、ルービックキューブをただひたすらに練習してうまくなったのだがーー
創造神は、まだそれを知らない。
でも、割とあるあるエピソードだと思うんですよね。
作者もハマった時期ありますし。一向にうまくならんかったけど。
あと、ナイフとか素手でルービックキューブぶっ壊すシーンも多いんじゃないでしょうか?