小話 とても小さくて巨大な希望の欠片
―――アオside―――
「大気成分簡易分析完了」
「主成分窒素74.33%および酸素21.42%、以下微量成分の割合から第5種地球型大気と疑似判定。簡易では約3%の成分分析不能を確認」
「簡易分析不能成分の精密解析開始します」
シロ様のアバターを持ってクロがどこかへいってしまい、ハイが追いかけて見つけた時にはシロ様に繋がるものはなにもかも無くなってしまって、行方どころか生存すら不明。
領域内が不安と恐怖で満たされてしまったわ。
特にシロの部隊の者達なんて一番神様に近いとされてる翼のゆりかごに集まってなんとか正気をたもとうとしながらも、抑えきれない恐れから奇声を上げて武器を振り回したり大笑いしながら無表情で自傷しようとするものだから、鎮静剤を打ったけど収まらず拘束しなければいけないこともあったわね。
「アオ様、ミド様より伝達、土の解析結果が届きました。結論として、表面上は物体を装っているものの結合はとても弱くほぼ霊体よりとのことです」
「精密分析結果でました。過去データより魔力、マナ、チャクラ、オーラ等と類似物質と仮定しました。またすべての成分より2進数構成を確認しました」
演奏隊の下級天使がシロ様に召喚されたことで生存が確定、ようやく見えた希望にみんなで縋り付いたわね。
送還時に共に戻れるのではとシロ様をつかもうとしたけど届かなったと泣いていたけど、生きてることがわかっただけでもこの時は上々だったわ。
でもやっと見えた希望も時間が経つににつれてまた姿が薄れてしまい、皮肉にもクロのスキル祭壇の囮が働き続けてることが唯一シロ様が生きている証になってしまったの。
うまく縁を辿れなくて悔しい思いをしたキーの嘆きを受け取ったチャーが、世界間を探索する技術を用いて縁辿りを改良できないかと悪戦苦闘していた最中、輝いた2回目の希望。
シロ様による聖歌隊の召喚。
そして送還された彼らの身に着けていたクワイヤーローブの内側に残されてた、化粧品に入ってるラメ1粒にも満たない小さな小さな欠片と、口内に確保してくれた大気、大地にこすり付けた靴の裏に付着した土。
シロ様の体の一部にシロ様がいる世界の一部、今私たちがどんな金銀財宝よりも求めていたもの。
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