いっそ堂々と聞いてくれ
別になにか隠し事があるわけでもないのに、いったい何が知りたいんだか。
いっそ正面からはっきり聞いてくれたほうが楽なのだけど。
だけどわざわざこっちからあれこれと口にするつもりは一切ない、そんな面倒なことしたくない。
「おチビちゃんはさ、中距離戦が得意な感じ?ちょっと世界食いとやってるの見たけど、遠からず近からずって距離とってたし」
「戦うのなんてすべからく得意じゃないよ?基本仲間の後ろでバフデバフばらまいてるだけ。今回は緊急事態だったから仕方なく1人で時間稼ぎしてただけだよ」
物理も魔法も効かず食われたら1発で終わりなんて、負け確定のイベント戦闘みたいなんじゃなければ誰かに盾役してもらってたさ。
「そりゃね、それなりにレベルも高いしそれに合うだけの能力は持ってるけどね、単純な話、技術は持ってないよ、ボク。いつだってごり押し」
技能とかスキルとかそういうのじゃなくて経験則とかそういうやつ。
なにしろすべからくめんどくさかったからね、俺はとにかく自分で操作する量を減らすことを第一にユガ―をプレイしてた。
そのためにボクの記憶にある戦闘経験の大半は部下の背中を眺めるので終わってるし、数少ない自分で動いた戦闘もレベル差とアイテムの物量戦で終わらせてる。
マップ上をマス目移動だったユガ―ゲーム時代、最初の数ターンは全体にバフをかけた後は自動戦闘任せ。
イベントで手に入る基礎能力を上げるアイテムも性能のいい装備もすべてみんなに優先して回してたから、下手にボクが敵の目の前にでて攻撃を食らうほうが大変なことになる、というかなってた。
ユガ―を始めたばかりのころ、戦闘メンバーの最後尾にいたためにバックアタックを食らって何回死んだんだったか。
あぁ、確かあまりにもそれを繰り返したものだからキーが探索やら情報収集に力をいれるようになったんだっけ。
「ふーん、なら得意なのは魔法?そういえばさっきバフデバフまいてるって言ってたよね」
ぐいぐい聞いてくるけど、どうも本題ではない気がするんんだよねー。
「魔法も同じだよ。前衛に守られた安全地帯からまいて、まいた後はみんながんばれーって」
「ほほーぅ……………」
さも雑談が楽しいから続けたいって雰囲気だしてるけど表情があってないんだよなぁ。
腹芸が苦手なのかわざとなのかどっちだろう。
ブルレもいぶかしげに眉をひそめてあーちゃん見てるんだけど気づいてるかな。




