ばしゃばしゃー
―――シロside―――
環境操作。
世界を育てるすべてのガーデナーが最初に覚えるスキルだ。
大抵の世界は外部の介入がなくても自力で育っていく。
ガーデナーの元にくる世界の種は、物質を生み出せないとか作れるものが特定の何かに偏りすぎてるとか、なんらかの理由により自力でうまく育つことができないものばかり。
そのためガーデナーの迎えがくるまで神様の下で眠り続ける。
それを起こすのが環境操作だ。
自分で行うのではなく、世界そのものに自ら動くように指示する力。
あくまで指示するだけだからいちいちMPを使うこともない。
「全設定終了、降雨まで残り10、9、8、7……………降雨開始」
指示を受けた世界が指示書である金の輪の周囲に雲を作り出して、ダッタ芋掘りに適切な雨を降らしていく。
しばらく待って順調に振り続けるのを確認、範囲も雨量も特に問題はないかな。
ここまできたらあとはほっといても大丈夫でしょ。
ふと下を見るとみんなまだ区画の中にいて、目を見開いて空を見上げてる。
豪雨ってほどではないけどけっこうな量降ってるからずぶ濡れちゃうよ?
翼から力を抜いてすとんとそのまま下に落下する。
いつも通り地面のちょっと上でふよんとしたら、なんか両手を前にだしたポーズで走ってきたブルレが目の前で固まった。
「なにしてるの?」
勢いを止めきれなかったのか、そのまま地面に倒れこんだ。
降り始めとはいえ濡れてる地面におもいっきりぐしゃっと。
「いや、な、てっきり力尽きて落ちてきたのかと」
「そのレベルで力尽きるくらいなら雨降らせたりしないさ」
「まぁそれもそうだな、おチビだもんな」
納得してもらえてなにより。
さて、ブルレがすっかり泥まみれになってしまっている。
さすがにこのままで放置するのもなんなので、環境操作のちょっとした小技で雨を集めて宙に水球を作った。
これくらいならわざわざクッチュディプレイを出さずともできる。
「ほら、顔と手くらいならこれで泥落とせるでしょ」
「お、おぉ……ありがとよ………てっきりおチビは補助系の魔法使いなんだと思ってたけどこんなこともできるのか」
「ふっふーん」
正確にはこれは魔法とは少し違うのだけど、わざわざ言うのもめんどくさいし知らない人からしたら違いなんてわからないだろうしね。
「ところで、芋掘りは?」
「もうちょい地面が雨を吸ってからだな。地面が緩むとな、すっぽんと抜けるようになるんだ」
顔の汚れを落としてから手を洗い、きれいになったところでぴっぴと水気を飛ばしてる。
雨はまだ降ってるからまたすぐ濡れると思うけど。
混ざった泥を分離してきれいになった水球でブルレの服もきれいにしとこう。
何人かが芋の蔓を引っ張ってるのはその確認のためかな。
服の上を動き回る水球に戸惑うブルレを横目に、蔓から葉と実を採るエンナ達をぼんやり眺める。




