『女体化+幼馴染』は食欲5割増し♪
「何やってんだよ、オメェーは…。 バカなのか? アホなのか? 死ぬのか? てゆーか色々面倒くせぇーから、いっそ一思いに死んでくれ」
近づくなり、そんな酷い罵倒を浴びせて倒れている俺を軽く足蹴にするのは、赤髪ツインテールのロリ巨乳美少女。
赤髪美少女は俺を足蹴にするだけじゃ飽き足らないのかしゃがみ込み、顔や身体を更に小突いてくる。
小突かれる度に彼女(?)の“竜の鱗”が肌に触れて、ちょっと肉癢ゆい。
「まったくよぉ…。 最初はあんなに勇んでたクセに、いざ戦闘が始まったら一目散に逃げやがってよぉ~。同じ男として見ててカッコ悪かったぞ! 幼馴染としても恥ずかしかったし、友達としても情けなく感じてよ。・・・まあ、オメェーがあのまま居ても大した役にもたたなかっただろうし、逃げてくれたお陰で気にせずやり易かったけどよ。囮にもなったしな! ──あんがとよ♪」
そう言って頭を撫でてくれるツインテ美少女。
酷いことを言っているように聞こえるが、これは彼女(?)なりの精一杯の気遣いと、褒め言葉のつもりなのである。
昔から口が悪く、よくその言動と目付きのせいで誤解されていた。
でも根はとっても良い子で、不器用ながらも家族や友人・仲間を大切にする熱い子。
ただちょっと素直になれず、口下手な子。
図星を突かれるといちいち反応がカワイイ女の子(?)
俗に言う“ツンデレ”なのである。
ちょっと話がズレるが、是非とも聞いてもらいたい。
彼女(?)のツンデレ度合いが半端ない事を。
その性格も然る事乍ら、髪型に髪色に目付き。
容姿なんかも『ザ・ツンデレ』って感じだ。
まずは髪色。
さっきも言ったが、真っ赤に燃える炎のような髪色で、某 『うるさい! うるさいっ! うるさいッ!!』 が口癖のツンデレヒロイン代表を彷彿させる。
次に髪型。
「ツンデレって言ったらやっぱりツインテールだよねぇ~♪」 って言わせるぐらい、完璧なまでに似合ったツインテール。
(長さ的には某 『かっ、かっ、風穴ッ!』 さんより、ちょっと長いぐらい。)
お次は顔立ち。
年齢の割には幼さを残す、まるっこい輪郭(童顔)
けれど目付きは鋭く、強い意思を感じさせる大きな目に、大きなクリクリとした瞳。
それでいてツリ目(猫目)
瞳の色は髪色と一緒で真紅のように赤く、キラキラしている。
まるで宝石のルビーを嵌め込んだみたいだ。
鼻筋は通っていて、鼻先はほっぺた同様ほんのり赤い。
(別に風邪をひいてるわけじゃない。)
唇は血色の良い赤い唇。
喋る度に時たま覗かせる小さな八重歯が、なんとも愛くるしい。
全体的に顔のパーツが上手い具合に揃っていて、芸術作品って言ってもいいくらい。
(簡単に言えば美少女。)
続いては容姿。
身長は低く、150cm未満のロリ体型。
「ロリ体型」とは言ったが、出る所は出ていて引っ込む所は引っ込んでいる。
まさに 『ボンッ! キュッ! ボンッ!』 である。
「それの何処がロリ体型なんだっ!」 って聞こえてきそうだけど、全体的に見てパッと見た時の印象がそう思わせるんだからしょうがない。
「ツンデレなのにペッタン娘じゃないとか論外!」 って言われそうだけど、これは俺のせいなので甘んじて非難を受け入れよう。
でもそれ以外は完全に 『ザ・ツンデレ』 の要素を満たしていると俺は思う。
そして最後。
これが彼女(?)を 『ザ・ツンデレの塊』 って俺に言わせる、一番の要素と原因…。
それは───。
「んっ、どうした? ずっと黙ったままジロジロ見て。あっ! もしかして腹減って動けないのか? だったらオレが楽しみに取って置いたメロンパン…食うか♪」
さっきから聞こえている、この美声のせいである!
思わず 「くっ…、くっ…、くぎ○うううううッッ!!」 って狂乱めいた叫び声をあげたくなる、なんとも言えない美声!
“尖った口調”なのに、ちゃんと“甘い声”が隠されていて「もう…いつ死んでも良い…」って言うぐらい素敵な声。
『ツンデレ女王』 の異名を持つ、あの御方とそっくりな声をしているのである。
まさかこっちの世界に来てあの御方の声が聞けるとは思っていなかったので、最初聞いた時は涙を流すくらい感動した。
(釘○病末期患者)
因みに。
どうでもいいけど、俺は声フェチ(声豚)である。
「おいおいおい。本当に大丈夫か? マジでどうしちまったんだよ? 吹っ飛ばされたとき、頭でもぶつけたのか…? 反応してくれよぉ」
・・・ズレてた話を戻そう。
俺が黙ったまま只官 『ツンデレ女王』 に激似の声を堪能していると、流石に心配になったのか、ツンデレ美少女がさっきまでの態度から打って変わって、困った顔をしながら問い掛けてきた。
俺は軽く笑みを浮かべ 「大丈夫だ、問題ない」 の意味を込めて親指を立てる。
それを見た赤髪美少女は ホッ! とした顔をして、再び笑い掛けながら俺の頭を撫で始める。
──嗚呼。コイツもカワイイな…♡
そんな彼女(?)に俺はあるお願いをしてみる。
「あのねピーたん。俺…メロンが食べたいな♪」
「ああん? メロンなんて何処にあんだよ…。ってどこ指してんだバカッ!! あとまた『ピーたん』って言ったなあ! マジで処刑すんぞっ!」
顔を赤くして睨み付けてくる、赤髪ツインテ美少女。
俺はお構い無しに言葉を続ける。
「良いじゃん先っちょぐらい、ピーたんのケチっ! その“おっきな果実”はなんの為に付いてんの? それに『ピーたん』って呼び方の方がカワイイでしょう♪」
「気色悪いこと言うなっ! オレが付けたくて付けたわけじゃねぇよっ! ・・・昔みたいに“ゼフレピート”って普通に呼べよ! それかゼフとかゼフレとかピートって。なんだよ『ピーたん♪』って。オレが卵の『ピータン』死ぬほどキライなの知ってんだろうっ! てかまたピーたん言ったなあッ!!」
「やだぁ…この娘…。急にセ○レって呼べって…。 確かに俺とピーたんはセ○レみたいに『友達以上、恋人未満♪』みたいな深い関係だけど……」
「うがあああーーっ!! 誰がそんな事言ったあ! てかいい加減ピーたん言うなああぁ~~ッ!! オメェーぜってぇー、オレのことバカにしてんだろうっ!? ──ぐすっ…もう…本当に本気で…ヒック…処刑すんぞっ…?」
愛嬌溢れる顔をまるで茹でタコみたいに真っ赤にし、お目々いっぱいに涙を溜めて鬼の形相で睨み付けてくる、赤髪ツンデレロリ美少女──“ゼフレピート”。
憤慨して地団駄を踏む姿は、なんとも愛くるしい。
やっべっ…! 揶揄い過ぎた。
でもやっぱりピーたんはカワイイなぁ~。
ピーたんは昔から可愛くて、いまの姿になる前からも俺や他の幼馴染達からによく揶揄われてたっけ。
──嗚呼。
コイツが俺の幼馴染の一人で、本当に良かった♪
俺がそんな事を思いながらピーたんを見詰めていると、いままで俺とピーたんのやり取りを黙って見ていた他の幼馴染二名が乱入してきた。