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 現在私は、この家の家政婦であるアマネさんに案内されながら、日の光を反射させて黄金色に輝いている床の上を歩いていた。


黄金色の床と言っても、金箔で出来ているわけではない。よく手入れされているせいか、木で出来た床が美しく光沢しているだけなのだ。


足元に出来た陰によって何とか目視できる木目を見ながら、ユウナは今日からお世話になる部屋の事を思い出していた。




屋敷に入って直ぐ、「まず、4日分の着替えを入れた荷物を部屋に置いてから、リビングへ案内しますね。」と、丁寧に説明してくれたアマネさんの後に付いて、広すぎる家の廊下を歩いて7分。


「こちらが、ユウナ様のお部屋でございます。」

「あ……ありがとうございます。」


やっと着く事が出来た部屋のドアを開けると、そこには今通っている学校の教室と同じくらい、広い部屋があった。


お父さんが生まれる前に建てられた古い建物なのだと、一昨日の夜にお父さんから聞いていたのだけど、それを感じさせないシミひとつない白い壁。ガラスがついて無いと錯覚してしまうほど、クモリひとつないガラス窓。窓の外から見える青い空とは対照的に、鮮やかな赤色のカーテンがあり、そのカーテンは金色に光沢を放つ紐によって束ねられていた。


最後に、日の光を浴びて純白に柔らかく輝いているレースが掛けられた、天蓋付きベットが置かれていた。小さい頃に、お姫様に憧れていた時期もあり、一度は寝てみたいと思っていた天蓋付きベット。


しかし、実際に部屋に置いてあると、窓が開いていので風が無いせいもあり、まるでこの部屋だけ時間が止まってしまっているのではないかと錯覚してしまうほど、非現実的な光景だった。


簡単に言うと、学校と例えるよりも、物語でよく出てくるお城の一室だと例えた方が相応しい部屋が、そこにはあったのでした。


 カルチャーショックで、思わず2分くらい立ち止まっていると、おじいちゃんと話が済んだのか


「ユウナ、早く荷物を置いてきなさい。」


いつの間にか隣の部屋に荷物を置きにきていたお母さんに声を掛けられた事により、何とか現実逃避していた意識を現実に戻すことができたのでした。




話は戻って今、荷物を置いてきたお母さんと私は、アマネさんの後に付いてリビングに向かっていた。


この家に着いて早30分しか経っていないが、全体が非現実すぎて(早くも家に帰りたい)と願ってしまうくらい、私は驚き疲れていた。


しかし1人じゃ帰れないし、無理やり帰るとしてもお金や時間がかなりかかるので、疲れた後にさらに疲れることはしたくないので、大人しく泊まることにした。


今日を合わせて、後4日間もこの家にいなきゃいけないのだが


(4日間、ご飯食べるだけ食べて寝過ごせば、驚いても疲れは取れると思うから大丈夫だよね。あははは)


何時もならツッコムところなのだが、私は既に、この状況に疲れ果てているみたいで、それが得策だと思ってしまっていたのでした。


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