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現在3
ふっ、と目をさますと、教室には誰もいなかった。
眩しい橙色の夕日が教室を照らしていただけだった。
あのあと、どうやら寝てしまったらしい。
「よくバレなかったな...」
僕が寝たのは六時間目の授業である
「LHR」という名の
お遊びの時間。
「LHR」の時間に普通の帰りのHRもやってしまう
ので、僕はそのおかげで助かったのかもしれない。
はぁ、っと、一人で安堵とも不安とも呼べる
ため息をはいた。
途端にガラガラガラと、教室の扉が開いた。
「おー、やっと起きたかよ、涼」
そこにいたのは、僕を下の名前で呼ぶ親友の姿。
自販機に行っていたのだろう、大好物のイチゴオレを
片手で鷲掴みしていた。
僕はその親友の言葉に、苦笑いで返した。
「ごめん。あれ、今...」
「5時半。そんな経ってねえから安心しろ」
「俺も数学のプリントの提出あったし」と、親友は
かばんを取りだした。
「お前も起きたことだし、帰るか」
ニッと笑った親友が、夕日に見えて
僕は彼にわからないように、少し目をつぶった。