集え!問題児たちよ!
ども、初めまして、土御門虎千代です!
今回の小説は淡い恋の物語です。
ハラハラ、ドキドキしてながら読んでいただけるといいです。
あぁ古鷹よ。かわいそうにあんなにも殴られて…。
え?ちょっと待って飛燕!
俺は古鷹じゃないよ?殴る相手がちがっアーッ!
試験的に行われている自主防衛型都市、川口の専属兵士。それが悪魔だ。
治安が極端に悪化しているこの国日本では、「自分の身は自分で守る」をモットーに、試験的に武装可能の自主防衛型の都市を構築した。その試験番号1番の都市が、川口である。
自主防衛型都市とは、周囲を広大な壁に囲まれ、そこを攻撃できるものを徹底的に攻撃できる、いわば防衛都市とでもいうべき都市のことである。
首都圏で唯一の自主防衛型都市である川口には、主に3つの役割がある。
まずは一つ。汚職が横行している警察の代わりに、犯罪者を拘束・逮捕する。
二つ目。近年脅威になっている反社会的武装集団の撲滅・壊滅させること。
最後。首都圏を自衛隊と協力して死守することだ。
これらが川口に課せられた使命だ。その目的を完遂するために作られた制度がある。
それがここ地獄校の設立及び主戦闘力となる〔悪魔〕の育成だ。
人間離れした運動神経。的確な判断力。明確な指示。突出した行動力。
この4つが揃った人間を、人は畏怖の念を込めて悪魔と呼ぶ。
悪魔には犯罪者や犯罪グループ、イタカを見つけ次第即時に武力行使できる権利が認められており、悪魔を傷つけたものは最悪死刑になる、という恐ろしい法律まである。
俺はその悪魔となるための学校、地獄校に通う17歳。名前を陸奥古鷹という。
全寮制で東京ドーム数個分もある広大な敷地の学校、それが地獄校。
俺はもちろん寮に入っており、そこで気ままな生活を送っている。
これは、俺の悪魔人生の、物語だ。
「おい古鷹。今日は何の試験だっけ?」
「今日は射撃実技試験と歴史だ。最も、俺たち悪魔に座学の知識が必要だとは思えないけどな」
「それな。でもお前、全教科において学年最高点じゃねえか」
「それがここに通う条件だったからなぁ。親父とのな」
「だがその天才も、生活態度を見られたら終わりだな」
「それ言うな!」
「ははは。冗談だっての。ホラ急ぐぞ。お前次遅刻したら校長と面談だっけ?」
「……ああ。ったく、遅刻程度で大騒ぎしやがる」
「いや、お前がそれを言えるか?」
「ああ、言っていいことと悪いことの区別はつく」
「そういう問題じゃないと思うんだが……」
「そんなことより春吉(吉田春紀。俺の悪友)。今日のテストで今年のクラスが決まるんだったよな?」
「そうそれ!おかしいよなあ、点数でクラスを決めるなんて」
「俺もそう思うんだが……何せ俺たちは未来の軍人だからな。階級とかにならせておきたいんだろう」
「そういうものか?」
「そんなもんだろう」
「いいや違うぞお前ら」
俺たちの会話に入り込んできたのは…地獄校の生活指導部の長、筋肉ん(本名は不明)だ。彼に捕まったが最後、3時間の説教コースは逃れられないそうだ。
「き、筋肉ん!?」
「何だそれは!?いくら俺が筋肉むきむきだからって、その呼び方はやめろ!」
「それで、何が違うんです?」
「サラリと受け流すな……。まあいい、今日のテスト、お前らは受けなくていい」
「やった!」
「それどういうことですか!?」
「おう。お前らの去年起こした暴動回数を調べてみたら軽く200件を超えていた。本来なら退学ものだが、何せお前らは優秀な生徒だ。特別に、問題児クラスに編入ということで、話がまとまった。因みに担任は俺だ」
「oh、shit!」
「何だと陸奥!」
「いいえ何も言っていません」
「お前後で鳩尾の刑な」
「そんな馬鹿な!」
「ざまあみやがれ古鷹。たっぷりと味わってこい」
「何を言っている吉田」
「ふぇ?」
「お前はこの前壊した窓の修復をしてもらおう」
「そんな!あれは古鷹の罪だ!」
「濡れ衣を着せるな!」
「うるさいお前ら。もう問題児クラスのメンツは決まっているんだ。早く教室に行くぞ」
「ひ、酷い!テストさえ受けさせてもらえないなんて!」
「俺にとってはラッキーだぜ!」
「帰れ!」
俺たちは筋肉んに引きずられながらも、まだ口論を続けていた。
筋肉んは、俺たちの口論に呆れているようで、何も言ってこなかった。
「こ、これは……」
問題児クラスも前に立った俺たちは言葉を失っていた。
問題児クラスとは俺たちのような問題ではなく、ただ単に勉強ができない(しない)奴の集まりだったからだ。
「問題児ではなく劣等生の集まりじゃないか!」
「さっさと席につけ。HR始めるぞ」
ん?待てよ。この人たちってテストを受けてないのかな?じゃなかったら今頃はテストを受けている時間だ。
「えー、お前らはバカだ」
「そんなひどい一言でHR始めるの!?」
「バカには2つしか道がない。優秀になるか、戦うかだ」
「……」
なんだこのHRは。何が言いたいのかわからないぞ?
「今年度の問題児クラスには少なくとも2人の優等生がいる。おら陸奥、吉田。立て!」
えー。面倒くさい。他のクラスメイトに何を言われるかわからないしな。
え?何?立たなかったら鳩尾の刑を二回やるだって?
そ、そんな!そんなことを言われたら勝つしかないだろう!?
仕方なく、俺は立ち上がる。
おい!立てよ春吉!
「こいつをこのクラスのリーダー、つまり元帥とする。こいつの実力は、本来ならトップのクラスにいるはずだ。だが去年起こした暴動事件が、200ケインを超えていたためこのクラスに編入させた」
やめて!哀れむような目で俺を見ないで!
「去年もやったと思うが、今年もクラス間模擬戦闘がある。もちろん実弾は使わないが、将来お前たちは実際に戦闘を体験することがあるだろう。その練習だと思って真剣に取り組むように!ちなみに今年からルール変更で、勝利したクラスを使役することが可能になった」
そ、それは!俺の大好きな戦闘訓練を推奨することと等しい!これは楽しみになってきたぞ!
「じゃあ後は、自己紹介をしてくれ。適当に、廊下側に座っているやつからでいいぞ」
廊下側に座っているやつって……俺からじゃねえか!
だがま、一応挨拶くらいはしておくか。
「俺は陸奥古鷹。チームは無所属。古鷹でも古でもなんとでも呼んでくれ」
「男の敵っ!」
「……」
彼らは何を言っているのだろうか?よくわからないのだが……何故か寒気がする。
ま、まあ何もないよりはいいよねっ!
俺が席に座ると、後ろに座っていた春吉が立ち上がった。
この野郎、さっき立たなかったよな。後でぶん殴ってやろうっと。
「吉田春紀だ。無所属。春紀でも吉田でも、どうとでも呼んでくれ。以上」
パチパチと、社交辞令的な拍手が聞こえる。
しかも大半は女子からだ。くそっ、羨ましいぞ春吉!
あれ?でもよく見てみると女子と男子の比率がおかしい。
男子1で、女子が3位の割合だ。……女子って案外馬鹿なの?
「私は山中鹿之。よろしくねー」
あれ?聞いたことあると思えば前のクラスで同じだった山中さんじゃないか。
春吉とも同じクラスだったし、なんだか不思議だなあ……。
そう思っている間にも、自己紹介は進んでいく。
「私は霧村飛燕。趣味は……古鷹をサンドバックにして殴ること!」
え!?今なんて言った!?俺をサンドバックにして殴るのが趣味だなんて、とんでも無い野郎だ。誰だそんなことを言ったのは!?
俺は先ほどまで自己紹介をしていた奴を見る。そしてそいつを見た瞬間、俺は教室を飛び出していた。
神様なんて、大嫌いだ!などと罰当たりなことを考えながら、俺は廊下を疾走していた。
ああ、俺の学園生活。いや悪魔生活はどうなっちゃうんだろう……。
いやぁー。どうでしたかみなさん。
僕も飛燕に殴られながらここまできましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
楽しんでいただけたなら結構です。
殴られ続けてボロボロになった甲斐があるというものです。
できるだけ早く続編を書き上げて投稿いたしますので、待っていてください!
コメント待ってますっ!