一話 普通じゃない俺のプロローグ
俺の名前は秋津勇将17歳高校2年生自慢することでもないが生まれてから喧嘩は無敗で通ってる。
まあそんなことはどうでもいい問題は俺の体についてなのだ。
小学校に入ってしばらくしたあたりから気づき始めていたんだがどうも俺は他の奴と違う気がするのだ。
まず10歳の時にトラックに跳ねられたことがある。しかし、俺は無傷むしろ俺にあたったトラックの
方が損傷が酷かった位だ。
当時はその現象よりも俺が無事であったという安堵の方が強かったらしくあまり深く追求されなかった。
その頃の俺はよく漫画の中のキャラクターの技や動きを真似して遊ぶことが多かった。今思えばありえないが
俺は漫画のキャラクターの技や動きをほんとに再現できていた。指でコインの二つ折り。水の上を走る。岩をパンチで砕く。マンションの屋上からノーロープバンジーなどなど。
小学校に入って友達ができ始めた頃友達と遊びの話をして今まで自分がやってきた一人遊びがかなりおかしいことに気がつき始めた。それは小学校の体育授業中が一番わかりやすかった。かけっこを走れば俺はどうも世界記録を軽く超えるタイムで走ったらしい。俺が投げたボールは遥か彼方に消えていく。当然学校の先生達の間でも問題になった。
そも俺が小学校に入るまでこうした違和感に気づかなかったのはひとえに俺の両親と幼馴染にある。
俺の両親はかなり母親が天然でおっとりしており。父親はかなりのほほんとしていた。俺が常識はずれのことをするたびに両親の反応は以下のとおり。
「あらあら~元気いっぱいねぇ~」母
「いや~男の子は元気が一番。多少無茶でもこれくらいのほうがいいかもね~」父
このとおりである。これじゃ違和感にきづかねぇ
もうひとつは俺の幼馴染三姉妹にある。
姫屋三姉妹、俺の一つ上の長女・姫屋沙織 同い年の次女・姫屋香織 一つ下の三女・姫屋詩織
彼女達の家は、俺たちが生まれる前から付き合いがあり俺たちは生まれてすぐに家族のように育った。
彼女たちと遊んでも彼女たちは
「ユウちゃんすご~い。さすがわたしのしょうらいのだんなさまだね~」沙織
「ふん、わたしのゆうしょうならこれくらいとうぜんよ」香織
「わあ~ゆうにいはすごいね。わたしもゆうにいのおよめさんになるためがんばらなくちゃ」詩織
こんな感じである。若干気になる部分もあるがおおむねこんな感じである。
そんなこんなで俺は小学校に入るまで自分の力を自覚せず。小学校に入ってその力を存分に発揮したわけである。してしまったわけである。それからの俺はとにかく周りがうるさかった。新聞では取り上げられ、いろんな研究機関や企業が俺を引き取りたいと両親の所に毎日来た。もちろん俺の両親はその全てを断っていった。中には俺を誘拐しようした奴までいたが俺は当然のごとく捕まらなかった。俺には麻酔針も刺さらず、睡眠薬の類も俺には効かなかった。いきなりつかみかかってきたのでやさしく(自分基準)押し返して動かなくなった隙に逃げた。
そんな周りの騒ぎもまったくでわなかったがだいぶなくなってしばらく経った。その間世の中も色々な意味でめまぐるしく変化が起こった。そして俺自身も良くも悪くも変わらなくてはいけないことが起こることになる。
高校一年目春
「ゆうちゃ~ん早く~」
そんな間延びした声が俺の前方から伸びてくる。
「ふぁ~。わかったからそんなに急かすなよ沙織姉」
そういって俺はあくびを噛み殺しながら前方を歩く姫屋家長女・姫屋沙織こと沙織姉に目を向けた。
「も~だめだよ~夜はちゃんと寝なきゃ」
そう言って俺の顔を下からのぞきこむように見ながら言った。日本人離れした薄くブロンドがかった色の薄いウェーブのかかった腰あたりまで伸びた髪が一房顔にかかる。その髪を手で優雅にどけながらこれまた日本人離れした整った顔が俺を覗き込む。
「しょうがないだろ。この間買った新しいゲームが予想以上に面白くてついつい夜中までやってたんだよ。悪いのはあんな面白いゲームを作った会社が悪いな、うん」
「そんなわけないでしょ、まったく勇将はすぐそうやって別のことに責任転嫁して」
そう言って俺の隣から叱責が飛ぶ
「そうは言ってもなぁ香織こればかりは冒険とファンタジーに憧れる男のロマンがあってだなぁ」
「そのファンタジーのキャラよりよっぽどファンタジーな男がなに言ってんのよ」
そんな身も蓋もないことを言ってるのが姫屋家次女・姫屋香織こと香織である。姉や下の妹と違いこちらは腰まで伸びた見事な黒髪を頭の後ろで結びこれまた誰もが振り返りそうなほど整った顔を俺に向けている。
「お前それは言いこっなしだぜ香織」
「あははは。でもしょうがないよね事実そのとおりだもん」
そう言って元気に笑うのは姫屋家三女・姫屋詩織こと詩織である。沙織姉よりさらにブロンドの完全に金髪に近い髪をツインテールにし上二人の姉比べてまだ美人より可愛いといえる顔を俺に向けながら俺の背中に飛び乗って来た。
「そうだがなんだかな~」
「でもでも勇にいはどんな漫画やアニメやゲームに出てくる人よりすごくてかっこいいよ」
と俺が若干落ち込んでいるときに詩織がフォローしてくれる
「ああ、ありがとな詩織」
「あは、どういたしましてでも心配しなくても沙織お姉ちゃんも香織お姉ちゃんも詩織と同じ気持ちだよ。ね、お姉ちゃん」
「当然よ~、お姉ちゃんは毎日ゆうちゃんに惚れ直してるんだから」
「まあ、そこは否定しないけど・・・」
そんな会話を続けながらあらためて三人を見る。三姉妹で唯一香織だけがはっきり日本人だという外見をしている。それもそのはず彼女達は父親が同じだが実は三人とも母親が違う。彼女達の父親は世界でも有数の大企業を束ねる社長である。その彼には妻が三人しかもそれぞれ一人ずつ娘がいるそれが彼女達である。
「なになに~ゆうちゃんたらお姉ちゃんをじっと見ちゃって~♪」
「いや、別に・・」
「もしかして~お姉ちゃんに見とれちゃってた~?」
そういいながら俺の隣、香織の反対側に回って腕を取ってくる。まだ発展途上ながら同年代から見れば十分に大きいといえる膨らみが俺の腕に当たる。俺の腕に高級羽毛布団もかくやという感触が伝わってくる。
「うふふふ~♪」
なにがうれしいのか沙織姉がやたら上機嫌で鼻歌を歌い始める。
「ちょ、ちょっと姉さんなにやっているのよ」
「なにって愛情表現よ~」
香織の抗議の声を間延びした声で沙織姉が答えた。
「今は登校途中だよ。そんなうらやま・・・じゃなくてはしたない行為人に見られちゃうよ」
「いいじゃな~い。別に見られたってお姉ちゃん見せつけちゃうも~ん」
そう言ってさらに沙織姉は強く抱きついてくる。
「ああ~沙織お姉ちゃんずるい~私も勇にいに抱きつきた~い。えい」
そう言ったとたん詩織は俺の背中に飛びついてきてちょうど俺が詩織をおんぶするような形になる
「もう、詩織まで」
「だって勇にいはこれくらい全然へっちゃらだよね~」
確かに正直沙織姉と詩織が抱きついた程度では俺はほとんど抵抗を感じない。まあたとえ10tトラックを引いたとしても同じ感じだろうが。
「なによ~、香織ちゃんもうらやましいなら反対側の腕に抱きつけばいいじゃな~い」
「そうだよ。香織お姉ちゃんも素直になりなよ」
「なな、わ、私はべ、別に」
香織が顔を真っ赤にしながら俺の顔と腕と地面を見ながら視線をさまよわせる。
「う~~、う~~////////」
「もう、香織ちゃんたら相変わらず素直じゃないんだから~。しょうがないわね~もう」
そう言ってニヤリと笑った沙織姉はいきなり香織の腕を取り自分の方つまり間にいる俺のほうに。
「きゃ!」
必然的に香織は倒れない為に俺の腕にしがみつく。とたんその腕にもすばらしい感触がひろがる。沙織姉ほどではないが十分にその存在を確認できる二つの山が俺の腕に確かな存在感を残している。
「もう、なにするのよ姉さん!」
「だって香織ちゃんが素直じゃないからお姉ちゃんお節介焼いちゃった☆」
てへ。と舌を出してまるで反省してないふうであやまるふりをする。
「もう、なにがお節介よまったく」
そういいながらもいっそう強く俺の腕に抱きついてくる。
「ていうかファンタジーて言えば俺に限らず皆も似たようなもんだろ」
「まあね~」
「そうだよね~」
「それでも勇将と一緒にされちゃたまらないわ!」
「まあ、否定はしない」
そういまや世の中はひと昔前とは少々事情がちがう。
「それにしても~ようやくゆうちゃんとまた同じ学校生活がおくれる♪うれしいな~♪」
「それで朝からやけにテンション高かったのかぁ」
「そうなのよ姉さん昨日の夜からずっとあんな調子で一人でずっとはしゃいでるのよ。まぁ私もうれしくないわけじゃないけどさ//////・・・」
そう赤くなりながら香織が言ってくる、最後のつぶやきも俺の聴覚はしっかり拾って聞こえていた。なので香織の頭を感謝の意味を込めてなでるとさらに真っ赤になって俯く。
「あ~あ、今度は私がお姉ちゃんや勇にいと離れ離れかあ~」
そう不貞腐れながら詩織が嘆いた。
「まあいいじゃな~い、また一年したら皆で通えるようになるわよ~」
「そうだぞ詩織、だいいち中学と高校の校舎の敷地一緒じゃねえか。会おうと思えば休み時間にいつでも合えるだろ」
「そうよ詩織、朝はどうせ毎朝皆で通うことには変わらないんだから」
「そうだよね~うん、そうだね♪」
納得したのか詩織は俺の背中でうれしそうに足をふる
「そういえば香織は例のあれのクラス分けはどうなったんだ?」
「A」
「あ?」
「だからAよAクラス」
「え?、ああA~そうかAクラスか入学してそうそうAクラスとはすげえじゃねぇか。沙織姉以来じゃないのか?」
「わたしの時はSクラスだったわ~」
「あれ?そうだっけ、でもAも十分すげえと思うぜ」
「うん。沙織お姉ちゃんもだけど香織お姉ちゃんも私の自慢のお姉ちゃんだもん。ちなみに私はBだよ~もう少しでAになれるって先生が言ってた~」
「ありがとう~。わたしも詩織ちゃんのこととっても大好きで自慢の妹よ~」
そういって沙織姉は今度は俺の背中から下ろした詩織を抱きしめる。
「別にそんなのはどうでもいいのよ。せっかくだから勇将と同じ教室になりたかったのにAじゃ望みがないじゃない」
「ああ、まあしょうがない俺は特殊だからなちょっとそれは無理だな」
「確かにね~厳密にはゆうちゃんの力は私達の異能と違うものだものね~」
「まあね」
異能、そう異能、今から約10年ほど前に原因はいまだに(表向きは)不明だがある一定の割合で特殊な力や体質に目覚めるものが現れだした。当時は発現した人間は極少数だったがそれでも世間はかなり騒然としたものだ、まあこのおかげで俺のことがあんまり目立たなくなったのだが。後にこの力を異能この力を操るものを異能者と呼ぶようになった。
「そういえばあの学校も元々は政府じゃなくて沙織姉達の親父さんが発案だっけ?」
そう今から俺達が通う学園、私立光明学園は日本で唯一の異能者の為の学園である。約五年前に建造されいまでは約三千人の異能を持つ少年少女が通う小中高はては大学部まであるマンモス学園である。
「そうよ~、お父さんが元々はわたし達の為になにかできないかって思ってのことらしいわ~」
「でもその後に他に同じ境遇の子供達を救いたいて言ってたよ~」
「自分の異能に困惑している学校の子供達に共通の事情を持つ子供と学び、そして自分の異能を正しく使えるようにそういう環境を与えてやりたいとも言ってましたね」
「う~ん、いいこと言ってるけどたぶん大部分は沙織姉の言ったことがほとんどだろうな」
「たぶんね(×3)」
あの学園ができるまでは世間の異能者に対する扱いは酷いものではなかったが優遇されたわけでもない、ようするにどうしたらいいのかわからないのが共通の見解だった。異能者のほうもある日突然異能に目覚めるのでどうすればいいかわからずなかには自分の異能を暴走させる者までいた。異能が発現した多くの者には10代の若者からそれ以下の子供に多くの発現が見られた。当時はその異能が原因で各地の学校で異能者がイジメまたはその逆で異能を使って怪我をさせるという事件も起きた。これを重く見た政府は解決策を模索中にあの学園の案を出したのが彼女たちの父親である。
「しかも~学校運営の資金の半分以上もお父さんが出してるらしいの~」
「それでか、俺があの学園に入れたのは。厳密には俺異能者じゃないのにやけに素直に入れたなーとは当時思ってたんだよなー」
「それはねお姉ちゃん達と私がパパにお願いしたの。勇にいと同じ学校に行きたいって」
「ひさしぶりの私達のお願いだったものだからお父様かなりうれしそうにうなづいてましたよ」
「あの人も相変わらずだな」
「あっ学校が見えてきたよ」
「お、ほんとだ」
さて初めての俺の高校生活がスタートだ