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最初の一歩は砂漠から  作者: ハヤト
第一章 幼年期
6/20

5話

1週間後、用意を済ませて砂漠への道程(みちのり)へと5人組みが挑んだ


砂漠のくびれた腰と言われる砂漠横断の一番最短な道であり

一番挑戦者が多いコースである。


商人は駱駝に乗り、女奴隷と5才児の奴隷は1頭の駱駝を替わりばんこに乗る

護衛2人は歩きだが軽装にして荷物や交易品をソリに載せ

2頭の駱駝にそれぞれソリを引かせている


早ければ片道2ヶ月かかる。補給は出来ないので水をいっぱい積み込んでいる

食料が無くても数日は生きていけるが、水が無ければ1日ともたない

どこかの偉い人が言っていた言葉だったと思う・・・


まずは、砂漠のデベソと呼ばれる、全長1Kmもある大岩目指す事から始める

昔読んだ、本の事などを思い出した・・・。



まずは砂漠のくびれた腰の入り口から真西に進む

数日歩く頃には、全方位が砂漠・・・方向感覚がバカになり始める頃だろう


「ご主人様・・・、本当にこっちで大丈夫なんですか?」


女奴隷は駱駝に乗りながら、元成金商人に聞いている

必然的に僕は、砂漠を歩いている


「うーむ・・・このまま真っ直ぐでいい筈なんだけどなぁ・・・」


少し自信が無さそうに答えている・・・とても心配だ

あさっての方向に向かって歩き続け、

水切れになり砂漠の中央でのたれ死ぬとかいやだなぁ・・・



それから数日歩き続けたが、皆無口になってしまった

体中の水分を奪われ、息をするのにも口を開くと砂が口の中に入って気持ちが悪い

ゆすぐ事もできずに、つばも出ないため砂が口の中に残り続けるのだ

不快極まりない・・・


昼間の暑いうちは日影が出来る様に、簡単なテントの様に布を張って休む

移動は暑くなり始める前の朝方と、日が暮れ少し涼しくなる頃に移動を始める


水は決められた量をゆっくり味わい飲む、喉の渇きは急いで飲んでしまうと

渇きは癒されない、口に少しの時間含んで飲むと、

少しの量でも満足感が出るようだ


それからまた数日経った、駱駝に乗っている女奴隷が叫んだ


「ご主人様、見えました!!あれじゃないですか?おへそ!」


疲れと、一向に変わらない景色に嫌気を指していた4人は

下を向きながら歩いていたが

その声に、パッと顔に生気が戻り前方を見直した


凄く大きな岩がそこにはあった、1kmと本には載っていたが

その時の僕にはその大岩が地平線の果てまで見えたような気がした


「よかった、とりあえず目的の場所まで来れましたね」


ほっとした様に元成金商人はつぶやいた


しかし、遠めに見えるその大岩デベソまでまだまだ距離があったが、

気持ち的には十分に疲れが癒える思いであった



2日歩き続けると大岩のふもとまで着く事ができた

なかなかの高さがあり、簡単なテントを張らずとも日陰が出来ている

しかし、休む暇は無かった。


それは、音も無く忍び寄ってきた

砂漠を歩いている時にも、時々襲われていたのだが

ここ砂漠にも魔物が生息しているのだ


形はサソリを大きくした感じだが、小さくても1㍍級のものばかりで、

サソリの鱗はそこそこの強度を持っている


2人の熟練護衛奴隷が奮戦し、難なく倒していくのだが

数匹ならば難なく倒せるが、数が増えると大変な事になる

しかし今は、このサソリの死体をいや、このご馳走を食べる事に集中しよう


サソリは見た目がアレなのだが、大変美味である

大岩のデベソから少し岩を砕き平らに整えて、日の当たる所に置いておくと

数分でその平たい岩は熱を持つ、こうすると自然のフライパンが出来上がる

熱した自然のフライパンにさっき倒し、鱗を剥いだサソリの身をのせる


すると、『ジュッ』っと言う音と共に香ばしい匂いが辺りに充満した

みんな久しぶりのご馳走に喉を鳴らした


半分くらい食べた頃だろうか、突然古参の奴隷が反応した


「急げ、ここを離れる!!でかい奴が来た」

今回のテーマは『サソリの身』


この世界のサソリも尻尾に毒をもっているため、まずは尻尾を切り落とします

先端だけと言えないのは、どうやら、毒官が尻尾内に通っている為

食べると死にます。サソリの鱗を剝ぐと、ピンクの白身のような

サソリの身がありますので、それをナイフで剝がします。

そして、砂漠ではフライパンが無ければ、ダイナミックに岩を削り

表面を平らにして、直射日光で熱します

あとは、熱した岩にサソリ身を置くと、岩の塩分とサソリの身汁が

混ざり合い大変香ばしい匂いがしてきますので、

後はお好みに、ミディアムでもレアでもいけます


異世界クッキングでした。またお会いしましょう

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