4話
誕生日からは半年経った
今では元気よくとはいかないまでも、普段どおりである
あれから、成金商人も殆どの全財産を失った
生き残った奴隷の大半を奴隷商に売り払う事で当面の資金にした。
僕は、算術が出来る為少々の力仕事と計算や書類の補助をしている
現在の元成金商人パーティは、落ちぶれた元成金商人と、
門番をしていた護衛奴隷、古参の護衛奴隷、小間使いの女奴隷と、
僕の5人になってしまった。
僕の中でご主人様=成金商人=元成金商人、へとランクダウンした
元成金商人は、容量ギリギリまで砂漠越え、
これから向かう、『死歩く道』、シルクロードへの準備をする
=====元成金商人======
全財産を失ってしまった・・・奴隷が数人居るとはいえ旅商人に戻るにも
元手と人手が必要だ、デスパレードから生き残った奴隷は10人
3倍もの奴隷を抱えていた頃が懐かしい、本の少し前の事だったのに・・・
まずは、護衛2人と小間使いは必要最低限のメンバーだろう
護衛2人は長い間つき従った腕の立つ2人を残した
盗賊にも魔物にも倍くらいの人数であれば撃退する事ができるはずだ。
小間使いはお気に入りの女奴隷だ、なかなかの美人で、美人だ・・・
そして美人なのだ!それ以外は砂漠越えには足手まといなのだが・・・
売ってしまうには勿体無かったんだ・・・
最後の1人はよく仕えてくれた、2人の奴隷夫婦の子供だ
なかなか覚えるのも早く、算術もかなり出来る未来のある子だ
もしかしたら、自分の後継者として商人になる事もできるかもしれない
まだ5才での砂漠越えには少し、
いやだいぶ無理があるかもしれないのだが、だからと言って
奴隷商に売り払うには、あの夫婦を思い出して気が引けた
とりあえずは、砂漠の事だ!
もう何年前になるか、死に物狂いであの砂漠を私達は、越えたのだ
数人の者が犠牲にもなった過酷な数ヶ月であったのだが・・・
死歩く道、と言われるだけあって、半分を過ぎる頃には
徒歩の者の目からは光が消え、全ての水分が蒸発したようになり
一言も喋れなくなり、第三者が見れば恐怖の光景に見えてくるだろう。
しかし、その分西から持ち込んだ物を東で売ると10倍以上の
莫大な利益を生む事ができる、
それは、東と西で片方にしか無い固有の物が多いのだ
例えば、その固有同士の薬草を調合する事によって
劇的に性能、効能が上がるのだ
有名な話では
東に咲く希少なリサールの花と西に生える希少なエクナールの根を
混ぜればエリクサーと言う最上級の薬を数週間で作り出す事ができる
一般的にエリクサーを作るには、数多くの薬草を調合しそれを数年単位で発酵させ
最後にダンジョンの奥深くに住むとされるドラゴンの血を一滴混ぜると出来上がる
エリクサーが必要になるような大変な時に、作るのに何年も待っているわけにはいかない
しかし、東西の2つの花と根も希少とはいえ、
短くて半年程で用意出来るかもしれないのだ
そういう意味でも、この東西の交易に挑戦する者が後を絶たないのは事実であった
弱気な気持ちを振り払い、私は前を向く
大丈夫だ私ならやれる!!前回も成功したではないか・・・
交易路は砂漠を超える事でしかない!!絶対に無い!!無いのであーる
海は超強力な裏ボス的な奴が出てきてドカーン
北に魔境がルートがあるが、魔境には
魔族が住み入ったとたんに魔王クラスの死天王が現れて瞬殺乙・・・