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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

不完全な彼女

作者: セト

ジョキジョキジョキ


「『ミロのヴィーナス』って、見たことあるかな?」


ジョキジョキジョキ


「19世紀の始めごろ、メロス島で見つかった、パロス産大理石でできた大理石像だよ」


ジョキジョキジョキ


「紀元前2世紀頃の作品だから、両腕がどっか行っちゃってね。1種のトルソの様にも見える」


ジョキジョキジョキ


「でもね、そんな『不完全』な彼女は、時代を超え、国境を越え、様々な人々に愛される」


ジョキジョキジョキ


「不完全だからこそ…って感じなのかな?まあ、元の両腕が果たしてどのようなモノだったのか、そんな無限の夢に満ち溢れているのが『ミロのヴィーナス』なんだよ」


ジョキジョキジョキ


「最も、僕もそんな彼女に一目惚れしてしまった内の一人なんだけど…って、ああごめん。別に君のことが嫌いになった訳じゃないよ」


ジョキジョキジョキ


「ただ、美しいモノはいつまでも眺めていたくなるんだ。見えないからこそ美しいっていうのは、誰もが知っている感覚だと、僕は思うね」


ジョキジョキジョキ


「そう、僕は見えないことにこそ真の美が有ると思っているし、不完全だからこそ素晴らしいと思っている」


ジョキジョキジョキ


「だからこれは、芸術家なら当然の行動なんだ。異常という訳でもない」


ジョキジョキジョキ


「君を愛しているからこそ、もっともっと美しい存在にしてあげたいと思うのは…果たして悪なのかな?」


ジョキジョキジョキ


「いや、正義のはずだ。僕は君を愛している。君も僕を愛している。愛し合う二人には、警察だって近づけやしない」


ジョキジョキジョキ


「それにしても…随分と静かになってしまったね。どうしたんだい?もっとしゃべってくれたって構わないのに」


ジョキジョキジョキ


「さて、もうすぐだ。もうすぐ君は完全に不完全な存在へと昇華される」


「さあ、僕に美しい姿を見せてくれないか」






ジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキジョキ







その後、とある芸術家の自宅から、執拗に切り刻まれた跡のある死体が発見された。

その姿は見るもおぞましく、とても美しいとは言えない代物だったらしい

何かこう言う芸術家がマジに居たら…キモいね

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