天然少女は否めない
まえがきですか。
今は受験終わってホッとしてるのでとにかくカラオケ行きたいです☆
天然な奴は嫌いだった。理由はただ面倒くさいから。
しかし、今は違う。天然な男子は相変わらず嫌いだが、女子はいい。女子で天然だったらつい告ってしまいそうなほどだ。
俺が天然系女子に目覚めたのは、一人の転校生のせいだった。
名前は喜多原芽衣。容姿はとにかく綺麗だ。学校で一位二位を争うのではないだろうか。
それに加えて巨乳である。ここまで完璧なのだから、彼女が天然だとしても惚れて仕方ないと思う。
だからと言って、彼女の身体に惚れただけではない。正直性格もいいと思うのだ。ただ、天然なだけで。
周りにいる天然な奴を思い浮かべて欲しい。性格が悪い奴は少ないだろう。少なくとも俺は天然で悪い奴をしらない。つまり、天然で顔も良くてプロポーションも抜群な彼女は最強である。ついでに勉強もできる。授業中に先生に当てられて間違えたところをまだ一回も見ていない。
とにかく完璧な女子だ。俺の所属する2年3組にいてくれるだけでありがたい。
ーーカララララ
教室のドアが開いた音が聞こえたのでなんとなくドアの方を見てみると件の喜多原芽衣が男子生徒を数人引き連れてこちらの方に向かってくる。
なんだ?と訝げな顔を向けるも彼女は動じず……と言うより気づかずにそのまま俺の隣の席に座った。
ーーああ、そういや昨日席替えしたっていってたな。
昨日は風邪で寝込んでいたので、席替えしたことは朝、友達から聞いたが(席の場所も聞いた)隣の席の人までは聞かなかった。
まさか、彼女と隣になれるとはおもわなかった。
「あのう、もういいですから。帰っていただけませんか?」
「いえ、それはなりません。喜多原芽衣ファンクラブ会員要項第二項により、芽衣様にボディーガードは常につけておかなければなりませんので」
彼女とファンクラブ会員の男子生徒はいつもこのての会話をしている。彼女のファンクラブは過剰に彼女に関わる。そろそろ、俺が潰してやってもいいのだが、あまりおおごとにすると停学や、退学などがあり得るのでやめておく。
「おい、そこの奴」
会員の男子生徒が俺を指差しながらよんできた。
「……なんだ?」
できるだけ不機嫌そうに振る舞った。そうするのが一番楽な時があるのだ。ただ、今回は失敗に終わったようだ。
「ちょっとこい」
ケンカでもするのだろうか。まあ、いい。行くか、と腰をあげると袖が何かに引っかかった。みると彼女がちょこんと袖をひっぱっている。
「いやだったらいかなくてもいいのよ?」
きっと気遣ってくれているのだろう。
「それは、こっちのセリフだ。ああ言う奴らがら嫌だったらいつでもいえよ?」
彼女はしばらくキョトンとしながら瞬きを繰り返し、少しして顔に微笑みを浮かべ、「うん、ありがとう」と言った。
笑顔が胸に刺さる。アレは反則だろと余韻に浸っていると、さっきの男子生徒が苛立ちを顔に浮かべ、早くこいと一言だけ言って歩きだした。俺は一応その背中を追った。彼女のほうに振り返るとまだ、笑顔のままだった。
やっぱり反則だろう。