出会い
たのしんでくんさい
あの日から2年経った。
つまり402年になった。
これで俺も18歳である。全員の徴兵は20歳からだが、ヤル気があるな、18歳で軍に入れる。
俺は2年間デリスさんの下で必死に修行していた。そして、俺は今日、クリアネル軍イティディア支部への入隊を試みる。
☆★☆★☆★☆★☆★
俺はイティディア支部のある街に来た。背中には、花に買ってもらったヴォルグソードを背負っている。竹刀などは、修行の過程で600本は折っただろう。つまり、相当な修行であった。だから自分の実力に少々の自信がある。
支部基地の前まで来た。
ここから始まるんだ
俺は小さくガッツポーズをしながら、基地の門をくぐる。真ん前に基地の建物。司令室というらしい。裏には訓練施設がある。これはパンフレットで確認済みだ。でも、パンフレットに載っていないことがある。それは煙臭いのだ。俺的にはあまり煙の匂いとか、モワモワしてる感じが、苦手である。しかしそんな事を考えていても仕方が無い。
俺は緊張気味にドアを開けた。
「うーす!!!!」
馬鹿でかい声が聞こえた。
声の主は強面のおっさんであった。それに、おっさんに続いて他の人達も、挨拶してくるし。なんか恥ずかしい。
「入隊希望者・・・かな?」
奥の扉から恰好いいとしか言いようのない、体つき、顔つきをした男が出て来た。肩には俺の体重ぐらいするんじゃないかと思うぐらいの、大剣を背負っている。髭を生やし、キリッとした顔つきなので、正直言ってめちゃくちゃ怖い。
「入隊希望者?」
俺はヒイッと声を漏らしそうなのを堪え、言う。
「・・・はい。そうです」
男は何度か頷くと、言う。
「俺の名前は倉嶋アギトだ。ここの支部長をしている。
ヨロシク頼む」
アギトさんはニコッと笑いながら言った。しかしその笑いは、俺にとって恐怖の対象でしかない。
「ヨロシクお願いします。
俺は大鉈です。カミヤと呼んでくだされば幸いです。」
しまった。これはいきなり言い過ぎた。呼び名を自分から言うのは、アウトっぽいぞ。
「カミヤ君か。ヨロシク。
じゃあ、入隊試験すっか?」
俺はキョトンとした。いや、するしかなかった。入隊試験?そんなものがあったのか?
無論、受からない訳ではない。というか、どちらかと言うと受かるだろう。しかしいきなり俺実力を見せつけなきゃいけないのか?
「・・・・・はい。」
「よし!
じゃあ、ユミー!入隊試験の監督お願い!」
ユミと言われ決して若くはない女性が出て来た。
「いっつも、あたし任せね。」
ユミさんに睨まれ、アギトさんは肩をすくめる。
ユミさんすげー!
「お二人さん!でて来てー!」
そう言われ、俺と同じ位の男女がヒョイっと出て来た。
「君たちが今年の希望者かー。
ヒョロッコイのが多いねー。期待しとくよ!」
ヒョロッコイ・・・
決して俺はムキムキとは言えん。しかしヒョロッコイとは・・・
「自己紹介してください。
あっ。あたしは真鍋裕美。ユミって呼んでね。」
なんかこの人テンションが違うな。踊りながら自己紹介してる。
「俺はカミヤってんだ!」
俺は元気に、挨拶した。元気に!
印象を良くするためとかじゃないんだからっ!
「私は黛瑠奈です。」
黛瑠奈はブスッとした感じで言った。黛瑠奈は顔自体はとても可愛い。色白で真っ黒な髪を腰まで伸ばしている。それに背も高い。世間的には背が高いと言われている俺の5センチばかり下ぐらいだ。まっ、薄いのだけど。
「俺は土方雄大だ。」
土方雄大もブスッとしている。顔はイケメンというものだ。そして、第一印象で、こいつはクールな奴だなと思うオーラがある。俺的には生簀がねぇ野郎というやつだ。
こいつも薄い。
薄いのばっかだな♪
「カミヤ君、ルナさん、雄大君ね」
俺はコクンと頷く。他の2人も同じ事をしていた。
「なら、全員揃ったことだし、
入隊試験をはじめまーす!!!」