最強に挑戦!
少しアップ遅れましたが、読んでいる方いないと思うので、大丈夫でしょうw
俺は剣を振る。
しかしその剣はまんまと避けられる。そしてカウンターの剣が俺の胸を襲う。その斬撃を避ける事は、俺にはできなかった。
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時は4日前。ギャング潰しを趣味でやっている俺は、次に潰すギャングを決めた。そこは、最強と称されている[獄門首]だ。俺はその最強ギャングと闘う為に、本拠地のあるシルルーフ山脈の麓ーシルルーフ村へと向かう。
俺は模造刀と、ヴォルグソードを持ち、家を出た。お金も少しは持っている。
俺はシルルーフ村へ電車で行く事にした。いくら、同じ州のイティディアでも、東の端と西の端では相当な距離だ。
電車に揺られる事、5時間。相当な距離という事はわかるだろう。
「ここがシルルーフかぁ〜。
空気がおいしーな!!」
シルルーフ村は見渡す限りの自然が広がってる。そこにポツポツと家が数件という所だ。シルルーフ村は人口の割には広大な土地である。お隣さんとの距離が1キロ離れていても、ちっとも可笑しい事はない。
「とりあえず、荷物置くか。」
俺は1人でそう呟き、シルルーフ村にある宿を探しに行く。
宿を探すのに、そう時間はかからなかった。
駅から1番近い建物が、宿であったからだ。
部屋を借り、荷物を置いたら、模造刀だけ持ち、部屋を出る。
俺はこれから最強のギャングと闘えるという事に対し、胸を踊らせていた。
「須藤さんが相当強かったけど、その須藤さんより強いって言うし...
楽しみ他ならないぜ!」
俺はそう言って、走りだした。
まず初日は探検をすると、昔から決めていた。俺には親がいない。正確には親を知らないだけだが。だから、いろんな街に遊びに行ってた。その時からの習慣だ。
しかし相手は広大な村。
もちろんの如く迷ってしまった。民間が少ないのも逆に迷う。
俺はフラフラと適当に歩く。
気づいたら夜になっていた。
俺は空を見上げる。星空がとても美しかった。
「あれはオリオン座だな。」
俺はオリオン座しか、星座がわからない。オリオン座は形的にも覚えやすかった面がある。
「寒いし、早く帰りたい」
俺は掠れ声で言い、また一歩踏み出した。
俺は宿どころか、民家すら見なくなっていた。しかし、そんな所はこの村で沢山見て来たから、特に気にも留めなかった。
そんな所で、明るくなった。
「はあ。
民家も見ないし、宿の場所すら聞けないのか...」
どこから来たのかわからないから、後に戻る事もできない。
「クソォォォォォオ!!!!
始まった瞬間、終わりかよ!!!!!」
力いっぱい叫ぶ。自分で叫んどき、自分の鼓膜が破れそうになった。
俺はまた、歩き出そうとする。
その時だったー
「うるせぇぞ!!」
声が聞こえた。周りを見渡す。
しかし誰もいない。
俺は気のせいかと、少し落ち込み歩き出す。
「待てや!コルァ!
人の眠り妨げといて、おはようもなしか!」
俺はもう一度見渡す。
そして、見つけた。
地面に倒れていた。
そういやさっき
「おはようございます。」
俺は朝の挨拶をして、道を聞こうと近づく。
「本当に挨拶だけか・・・
謝れや!」
そいつはデブでハゲのおっさんだった。
「ごめんなさい。
そんな事よりシルルーフ村どっちですか?」
「そんな事よりって!」
俺は笑う。
俺はジョークのつもりだった。しかし、おっさんはブチ切れした。
「そんな事よりって、大切な事をそんな扱いしやがってぇぇぇぇ!!!」
おっさんは俺に殴りかかってきた。
「うおっ!」
俺は避ける。しかしおっさんの攻撃は、やまない。
「刀を抜く隙さえ無い・・・」
「ぐぉりゃっ!フンゴッ!ハッ!そいやっ!よいしょお!」
シュシュシュッと♪
軽々しく避ける。しかし連打は反撃の隙さえ与えない。
「チッ!こうなったら・・・」
俺は拳を屈んで避け、そして、右ボディを喰らわす。
「ガチンコだっ!」
急にボクシングが始まった。
殴られるの覚悟で飛び込む。
懐に潜り込み、アッパーを喰らわす。
その攻撃で決着がついた。
「流石ヘヴィー級。
パンチが重いぜ。」
俺は、袖で汗を拭った。
あれ?KOしたら、道聞けないじゃん。
・・・うわー!!!なんて事をぉ!!
やっちまったぁ!!!!
俺は暴れる。頭を抱えながら・・・
「バカだー!俺、バカだー!
うわー。」
俺はおっさんを揺する。目を開けない。
「・・・・・・終わった・・・」
俺は明後日の方向を見ながら言った。
「バカ!!
そう簡単に終わってたまるか!」
後ろから声が聞こえる。
振り向くと、武装したおっさん軍団がいた。
「おっさんが天使に見える」
おっさんに聞こえないように呟く。
そこでだ。
おっさんが斬りかかって来た。
俺はそれを避け、カウンターを入れる。
しかしおっさん達は、体型や顔に似合わず華麗に避ける。(加齢かな)
5人がかりで、俺を斬る。
俺はそれを避け、攻撃を少しずつHITさせる。浅手なので、1回1回のダメージは少ない。これなら、全員を気絶させるのに、3日はかかる。
1発で仕留めたいな。策は・・・
不慣れだが、やってみる価値はあるだろう。
俺は1人に向かって、捨て身の突進をした。
<覇!>
音速の打撃を、額に喰らわす。
気絶する。俺はそいつから刀を奪い取り、左手で持つ。
「二刀流だっ!一応は修行済みだ!」
俺はそう叫ぶと構えを取る。
俺は集中力を高め、敵の攻撃を待つ。返し技戦法だ。相手が斬りかかってくる。俺は相手の刀を左手の剣で弾き、ガラ空きのボディに突きを喰らわす。うずくまり、動かなくなってしまった。
他も同じ戦術で倒した。
・・・やってもうたぁっ!
同じ轍を踏んでもうた!俺、アホや。もう、嫌や。
俺は二刀流の技を少し試してみた。
うん。いい技だ♪使いこなせれば相当になるね。
俺はそう思い、気持ちを明るくしようとした。いや、正しくは、そう思ったら気持ちが、明るくなった。
ーその時であった。
殺気!!
俺はバックステップを踏む。
すると、さっきまで俺が立っていた場所から煙が立ち昇った。
「いやあ。素晴らしいなぁ。さっきのに気づくなんて。感心やわ。」
俺と同じ位の歳だろう。メガネをかけ、寝癖をたてた髪の男が、パチパチと拍手しながら煙の中から出てきた。
「誰だ?」
俺は、男の明るい感じとは対象的に、低く殺気の篭った声で言う。
「名前言った方がいいかいな?あんたさんと会うの今日が、最初で最後やと思うけどなぁ」
「お前が死ぬからか?」
俺は挑発的な態度を取る。
しかし男は俺が予想してたのとは違う反応を、示した。
「ハッハッハッ!!!おもろい事言うな」
ありゃ?キレて、かかってくると思ったんだけど。世の中甘く無いな。
「案外、冗談じゃ無いぜ。」
俺はニヤリと笑う。
「冗談じゃないのも嬉しいわー。
僕も強い人と闘う事は好きやからな。」
「あら、奇遇だね。俺も強いのと闘うのは好きだ」
男と俺は目を見合わせ、同時に笑う。
「まっ、あんたさんに教える名前なんて無いし、今ここで勝負していくかな♪」
男は肩に背負っていた刀の柄を握った。
「その下手の方便を使えないようにしてやるっ!」
俺は二刀流を構えた。
しかし、男に俺の言葉は効き目たっぷりだったようだ。
男は少し俯き、低い声で言う。
「お前、俺がさっきよ方便圏出身じゃないときづいたのか?」
男の口調や、声のせいで俺は、一歩後ずさりしてしまった。
「・・・・・あ、ああ。」
俺は顔を引きつらせて言った。
男は俯きながら、さっきのように、俺にまた話しかける。
「もういい。今日は闘う気が起こらない。今から名乗ってやる。それは、また会うことを意味す。俺の名は諸星総司[諸星総司]だ。」
「お、俺はカミヤだ。」
「そんな事は既に知っている。」
そう言った総司の顔はとても怖かった。俺は後ろに倒れそうなのを、必死に堪える。
総司は続ける。
「俺の名を知った。3日後、シルルーフ村の決闘上で、決闘を申し込む。ルールは本物以外なら、なんでもー
それで、勝負しよう。」
総司は笑う。しかしそれは楽しさの笑みでは無い。
「わかった・・・」
俺は何もない左方向を見て言った。
「ならよい。
西の方角を進め。」
そう言って、総司は姿を消した。
俺はポカンとその姿を見つめているだけだった。
西の方角・・・
太陽の出てる方角から考えて、こっちだろう。
西の方角を歩くと、無事に宿に着いた。
☆★☆★☆★☆★☆★
決闘の日が近づく。明日が決闘だ。
昨日は決闘上の下見をしてたら、1日が潰れた。
「今日・・・調整しとかないとな♪」
調整とは、いったいなんなのか?自分でもわからなかった。
あの総司って奴をギタンギタンにして、獄門首に目をつけられる。そしたら、トントン拍子でボスと闘える!
俺は頭の中で何度もおさらいした。俺はあの総司って奴に勝てる。オーラ?的な面では負けている。しかし、剣技で優っている。そう確信していた。
「よし!剣振るか。」
俺はそう言って、刀を置いてる場所に近づく。
「あっ!あのおっさんの剣、持ってきちゃった!」
俺は、軽く舌を出した。その後誰も見ていないなと、確認した。
刀が2本。二刀流・・・そりゃ、二刀流の方が、優勢である。しかし俺は片手剣で1本、一筋で英雄になりたい。そう思っている。
「どうするか・・・」
俺は二刀流で闘う!片手剣で最強になるのはその後だ。最短の道を選ぶ。
俺は刀、2本持って外に来ていた。基本技などをおさらいする。
・・・ダメだ。
4連撃すらできない。
おさらいじゃ、ダメだな。マジで修行するつもりで行かないと、明日負ける。負けるなんてまっぴらだ。
「フッ」
息が弾み始めた。夏が終わろうとしてるとはいえ、暑いものは暑い。
「勝つしかない。
・・・いや、勝たないとならない」
俺は疲れた体にムチを打ち、修行を続ける。
なんとか、基本は取り戻せた。
「必殺技も一個は欲しいな」
無我夢中
俺は剣を振り続けた。
☆★☆★☆★☆★☆★
俺は11時間という長い時間、睡眠を取った。
今日は、決闘本番。負ける訳にはいかない。しかし俺の体は落ち着いていた。
「女神は俺を見てるのかな?」
一応、俺は神を信じていない。しかしこういう時にだけは、神に頼む。都合のいい事だ。
勝つしか無いー
「怖気ずいて逃げるかとおもったんだがなぁ」
総司がニタニタと笑いながら言う。
俺は心身共にリラックスしている状態。
怯む事は無かった。
「逃げる必要ない」
俺は総司の目を見て言う。総司はそれに微笑をした。
「後悔してからじゃ、おそいぞ」
「俺に逃げた逃げた言ってるけどさあ、それって本当は、自分が逃げたいからじゃないの?」
俺は総司を煽る。総司は取り乱した。
「逃げるだとぉ?ふざけてー」
「お喋りは良いから、始めよう。」
俺は片手目を瞑りながら、自分の出せる最高の、感じで攻撃に入る。
総司は軽く舌打ちをしていた。
60秒前。
つまり60秒後勝負が始まる。負ける訳にはいかない。俺は二刀流を構える。それに対し、総司も剣を構えた。総司は両手剣を使うようだ。
そんな事してる内に5秒前。
4.3.2.1.0!
0と共に2人は飛び出した。そして、中央で剣と剣が当たる金属音が鳴り響く。
俺の左手に持ってる剣と、総司の剣がぶつかり、火花を上げる。火花が2人の顔を照らす。総司の顔はニヤニヤと笑っていた。
「余裕の笑み・・・ってか」
俺も笑みを浮かべる。
俺は右手の剣で総司の剣を狙う。
決まった!完璧!
そう思った。しかし、総司は予想外の反応速度でぶつかり合っていた剣を戻し、ガードする。そして、バックステップを、一度して、また突進して来た。
俺の剣は左手でしか、守りを出来ない状況。右手の剣は前に伸びきらしたままだ。
カウンターは使えねー。守りを堅くするか。
俺は左手の剣で、迎え撃とうとする。しかし総司が狙ったのは、俺じゃなかった。無防備な俺の右。そう、右手の剣に当てて来た。俺の剣は無残に吹っ飛ばされる。
「なっ」
俺は声のでない叫びを上げた。
総司は舌で剣を舐める。悪魔のようにも見えてきた。
「続きいくよ〜ぅ♪」
総司は跳ぶ。俺は剣の方に走る。が、間に合わない。総司の剣が襲う。
ヤバイ。
そう思った瞬間、俺は咄嗟に剣を左から右に持ち替えた。
<サイドカット>俺は、左方向から、右方向に剣を振る。
奇跡とでも言えよう。その攻撃は、総司の剣の腹を捉えていた。パキィと無残な音をたて、総司の剣は折れた。しかし、俺の剣も刃こぼれをしてしまう。
「んだと?」
総司は目を丸くする。冷や汗をたくさん掻いている。
俺は一度刃こぼれした、剣を見た。
「そんな事構うものかっ!」
俺は剣は上から下に振る。無防備な総司の肩に命中した。
「うぐっ」
総司は目が飛び出したように、目をみ開けた。
「まだまだぁ!」
俺は下に垂れた剣を斜め上に振り上げる。
総司はよろけるが、それじゃあ勝負がついた事にはならない。
どちらかが気絶するまでだ。
俺は剣を型は一応あるものも、無闇矢鱈に振った。
「かぁっ!」
俺は上段から振り落とす。
ピシッ!
突然音がなった。俺は音の発生源を探した。
すぐにわかった。俺の剣が折られていた。
「ちょっとは手加減して欲しかったのですがね。
まっ、総司君では勝てない事は元からわかってましたがね♪」
俺の真後ろから声が聞こえた。早い。見えないし、気づく事すら出来ない。
「折ったのあんたか?」
俺は低い声で言う。
「すみませんねぇ。そうでもしないと、総司君死んでしまいますから。いくら偽物とはいえ、殺傷力はありますしね。たとえ消しゴムでも人を殺す事は出来ますしね」
「お前、何者だ?相当な手練れだろ?」
男は笑う。
「手練れ・・・かもしれませんね。
何せ私、獄門首の副リーダーやらせていただいておりますしね。」
副リーダー・・・
弱い訳が無い。
俺は笑みを浮かべた。もちろん、強者に出会えた嬉しさである。
「早速だが、決闘してもらおうか。
副リーダーさん」
副リーダーは笑う。
「私と勝負・・・
プライドとやらが、ズタズタにされると思いますよ。」
副リーダーは、総司とは比べものにならない、殺気を繰り出す。俺は暑くないのに汗をかく。
俺は逃げるような形で、吹っ飛ばされた剣を、拾いに行く。
俺は構えをとった。副リーダーも構えをとる。
闘いが始まった。
俺は剣を振る。
しかしその剣はまんまと避けられる。そしてカウンターの剣が俺の胸を襲う。その斬撃を避ける事は、俺にはできなかった。
☆★☆★☆★☆★☆★
俺は掠れ行く意識の中、副リーダーがこう言った事は覚えていた。
「ほらね。」
俺は悔しさで、顔を歪める。
それもその筈。俺にとって、完全敗北は初めてだからだ。俺は拳を強く握った。
絶対に次は負けない。
何よりも速さで、圧倒的に劣っている。パワーなら、こっちに分が有るだろう。
「あの速さ・・・」
俺は顔を強張る事しかできなかった。