人の心ほど弱く、また強いものはない。
どうも。
今回も誤字があると思いますが、楽しんでください
俺はサルファン港に向かって歩く。
俺は4日程前、3大ギャングの一角を落とした。そして、今日は、また一角落としにサルファン港に向かっている。
サルファン港には[シークラウン]という、ギャングが存在する。3大ギャングだけあって、相当な所だろう。
「なあ。シン。お前は何故付いて来た?」
俺が話しかけた相手[市倉慎之助]はこっちをチラッと見て、
「カミヤ一人に任せるのはあれだからだ!」
と言った。別に俺、任されてないし、ギャング潰しは趣味だ。趣味悪っとか思うなよ!
「別に俺一人で...」
「お前一人だと、遠距離弱いじゃん。そこで、スナイパーの俺っしょ!」
なんで、お前なんだよ。お前よりかは頼りになる人を、沢山知ってるぞ。俺。
俺はジト目でシンを見つめる。
「信用ならんて言うのか!?
ふっふっふっ。修行の成果を見せるしか無いようだな!」
「別にお前の成果なんて、たかが知れてるだろ。そんなんわざわざ見たくねーよ。」
シンはその後抗議してきたが、無視する。
シークラウン。あの栗須と同格以上。燃えるしかないだろ。
ドカッ!
曲がり角を曲がった時に、何かにぶつかった。
青い髪をポニーテールに結んだ可愛い女の子だ。その娘は顔を赤らめて、走ってどっかいった。
「なんだよ今の少女漫画みたいなやつ。」
俺は呟いた。
「お、意外だな。カミヤが少女漫画読むなんて」
シンは必死に笑いを堪えながら言う。
「読まねぇーよ!別にそんくらい常識だろ?」
「俺に常識を聞くなっ!」
シンってそんなアホやったっけ?
サルファン港に着くまで後1時間くらいだな。歩くのは。シンがブツブツ文句言っているが、無視する。また、歩きだす。
さっきの女の子。絶対シークラウンに関係ある。俺は直感的にそう思っていた。自分の直感は、よくあたる。
「シン。さっきの女性さ、なんかあるよな?」
シンはそれを聞いて、困ったような顔をする。
「俺には、なんもわからねぇ。」
「そうか。」
「なんかあるのか?」
シンの顔はいつになく真剣であった。
「お前、シンもしかして」
「ああ。
そのもしかしてだ!
俺はさっきの女の娘に惚れたっ!!」
そうでございますか。そうだと思いましたよ。
「そんなんじゃねぇよ。
あの娘、シークラウンに何かしらの関わりがある。」
それを聞いて、シンは驚く。
「どうしてそんなのわかるんだ!?
あの娘に限ってそんな事...」
「勘だ」
「勘って...」
「俺は、勘に絶対的な自信を持っている。」
それを聞くと、シンは目を細めて見てきた。
「いや、本当だって!本当に勘よく当たるんだって!」
シンはまだ、疑っているようだが、無理矢理納得しようとする。しかし、やっぱり納得できないようだ。
「親友のお前を疑うのには気が引けるが、それでも、あの娘が...」
シンはそれ以上言わなかった。俺も何も言わないようにする。2人の間に沈黙が続いた。
先に口を開いたのは、シンの方だった。
「今、この状態で仲間はカミヤ、お前だけだ。仲間のお前を信じれなくて何になるんだ!」
シンは力強く言った。決意の表れだ。
「ふん。シンが格好良く見える。」
「俺は元から格好良い!!」
「どうだか」
俺は鼻で笑って歩を進める。
でも、あの娘は何かに怯えていた。
☆★☆★☆★☆★☆★
サルファン港に着いた。潮の香りが漂う港町だ。潮風を感じながら、探索程度に歩いていると、運よく夕焼けを見れた。朝から夕方まで歩いた疲労が、一気に取れたような感じだ。
「海に映る夕焼けは、何故こんなに美しいのか?」
シンはボソッと呟いた。
そして、街を軽く一周し、宿を借りて、そこに泊まった。俺とシンは相部屋だった。
夜、疲れていたのかシンは、すぐ眠ってしまった。俺は眠れなかった。寝ようとずっと目を瞑っていても、眠れないので、俺は模造刀を持って、外に出る。
俺は2時間近く剣を振った。タオルで、汗を拭い、宿に戻ろうとする。
その時、昼間の青い髪でポニーテールの女の子に出会った。
「あの。昼間はすみません。」
俺の事を覚えているか探りを入れて見る。
「あ、あの方ですか。
いや、走っていた私が悪いんですよ。」
「なんで、あんな遠くの方まで走っていたんですか?」
彼女はチラッと、俺が右手に持っている刀を見、そして俺の顔を見た後
「ちょっと用事がありまして」
と、微笑みながら言った。
この感じ。彼女は嘘をついている。俺は確信した。
「用事ってなんですか?気になります。」
彼女は困った顔をする。
「秘密ですよ。」
なかなか手強い。
「気になるじゃないですか。
どこに行ってたんですか?」
「ちょっと、サドルミネアの方まで。」
サドルミネア。ここから徒歩で2時間位かかるところ。相当遠くだ。
俺はここで勝負にでることにした。
「あなた、何か隠してますよね?」
彼女は驚きの表情を浮かべたかと思うと、すぐさまおっとりした表情に戻し
「そんなこと無いですよ。」
と言う。しかし、そこで引き下がる訳にはいかない。
「俺、なんとなくわかるんですよ!」
「あなたの思い過ごしじゃない?」
彼女は意地でも言わない様子であった。
「思い過ごしじゃないよっ!」
「なんなの!?あなたさっきから?」
彼女はとうとう、怒りだした。
「誤魔化そうとしないでよ!」
「キャー!痴漢よ!」
彼女が急に叫んだ。まずい。
その時彼女は、怯えていた。俺を泣きそうな顔で見た。
俺は厄介事はめんどいので、走って逃げた。
☆★☆★☆★☆★
「えっ!?昨日あの娘に会ったの?」
シンは驚いた。俺はコクリと頷く。
「んで、どうだ?」
「ああ。俺の予想は当たっている。
彼女はシークラウンに何かしらの関わりがある。」
「そうか。」
最後に見せたあの顔。忘れられない。
あの顔。助けを求めていた。しかし、何故、言葉を使わなかったのか。
危険だからだ。
もちろん俺がだ。俺がシークラウンに突っ込んでいくと、思ったからだろう。だから、喋らなかった。しかし、本当は助けて欲しい。
助けるしかないでしょ。
「おい!シン。」
「ん?」
「彼女を助けるぞっ!!!!」
「えっ?」
疑問符を付けていたシンを他所に、俺は宿を飛び出た!
しかし、飛び出たはいいが、行く宛も無くウロウロするハメになった。俺は街中をウロウロする。
5時間は経っただろう。俺はさっきまでの意気込みは、無くなり、ボンヤリしながら歩き回っていた。シンに至っては、片手で食べられる物を買い漁り、食べながら歩いている始末だ。
俺たちは半ば諦めムードだった。
俺たちは何も考えずに、ひたすら歩いてしまったから、街の方から外れてしまった。それに気づかず、歩いていると、グラサンを掛けた男が、近づいてきた。
「こんな所に何かようか?」
「人を探していまして」
グラサンの男が、興味あるように、
「どんな人?」
と、問う。
俺とシンは目を合わせて、その後
「青い髪をポニーテールに結んだ、俺たちと同じ位の女性なんですが...」
と言う。
「青い髪をポニーテールに結んだ女性。
そんな人あの娘しかいないね。」
「知ってるんですか!?」
「もちろんだとも。
栞ちゃんでしょ?
彼女なら、今はポルナリアにいると思うよ。」
ポルナリア。ここから徒歩15分位の街だ。これは有力は情報である。俺とシンは目を合わせて、ニコッと微笑んだ。
「お兄さん、ありがとう!」
俺はお礼を言う。グラサンの男は困ったように笑いながら
「お兄さんはやめてくれ。今年で42だ。」
言った。シンはそこからお世辞を、並べ始めた。
そして、お世辞が止む頃を見計らい、
「とにかく、ありがとうございます」
と言っとく。
そして、俺はシンの腕を掴んで、ポルナリアへと向かう。
☆★☆★☆★☆★
俺たちはポルナリアに着いた。
彼女、そう栞さんを探す前に定食屋に駆け込む。今は15時。朝から何も食べてないので、とてもお腹が空いてる。
定食屋のカウンターに着き、メニューを見る。俺はカキフライ定食、シンは焼肉定食を頼んだ。俺とシンは、各々が頼んだ定食を、急いで口にいれる。(そういや、シンは何か食ってたような)
3分で食べ終わった。ここから栞さんを探す。その前に、手がかりを手に入れることにする。
「おばちゃん、青い髪の女性こなかった?」
「栞ちゃんの事かい?栞ちゃんなら、1時間位前に来たよ。」
「どこに行ったかわかる?」
「えっと、工場に行ったよ。」
工場か。
「ありがとう。おばちゃん!」
「おばちゃんじゃなくてお姉さんだよ」
おばちゃんは冗談混じりで言った。
俺とシンは工場へと向かう。工場だけなら、普通わからないが、このポルナリアには、工場は1つしか無い。銃器製造所。しかも本物だ。
工場の近くまで来た。煙たくなってくる。
俺は平気だったが、シンは咳込んだ。
「げほげほっ!煙ってえ!」
「ああ。」
しっかし、ここまで煙たいのは逆に珍しい。そういや、ここの工場長ってズボラな奴だったな。
俺たちは工場のドアを、勢い良く開けた。
中にいた作業員達が、一斉に俺たちを見る。俺はそんなのお構い無しに、青い髪の女性を探した。受け付けルームにはその姿は無かった。俺は、メインのエリアへ、走る。自動扉が開く。
「あ、ちょっと君!」
作業員の声が聞こえたが無視する。
メインのエリアに入った。外とは比べものにならない程、煙たい。目が痛くなってきた。シンは涙を流している。
「ちょっと君たち。この煙には、有害物質が入ってるから、このマスクとゴーグルをして。」
そう言って、作業員はマスクとゴーグルをそれぞれ、2個ずつ渡してくれた。俺はそれを付けて、広い工場内を見渡す。
青い髪の女性は楽に見つける事ができた。俺は走って近寄る。
青い髪の女性、栞さんは俺に気づく。ギョッとした顔をする。
「何なのよ。昨日みたいな事になるわよ。」
栞さんはドスの効いた低い声で言ってくる。
「何回しても、俺は何回もお前の元へ行く。それが一番近道だからな。」
栞さんら近道という部分に?を浮かべている。
「ここじゃ、あれだわ。外に行きましょ」
そう促される。俺は言われるがまま、栞さんの後ろを歩く。それに、シンも続く。
俺たちは喫茶店に入った。
俺はコーヒーを、シンと栞さんは紅茶を頼む。
「あなた達。私に何を求めてるの?」
彼女は俺に目を合わせて言う。
「求めてるって訳じゃないけど、ちょっとな。」
俺も、目を合わせて言う。
彼女はフーと溜息をついた後、
「ちょっとって何?」
それに対して、シンが何か喋ろうとする。俺はそれを止め、
「俺さ、カタバミっていうギャングを潰した、張本人なんだ。俺はそれでさ、ギャング潰しをするようにしたんだ。それで、次はシークラウン。んで、あんたがシークラウンに関わりがあると思って。」
栞さんは複雑な表情を浮かべる。嬉しいと心配だろう。
「栞さん。あなたは何か、胸に抱えてるよな?」
「そんな事ない。」
栞さんは、本当の事が言うのが辛いのか、小さい声で嘘をつく。
「でも、関わりはある。」
栞さんはコクリと頷く。その点は否定しても意味ない事を理解していた。
「シークラウンに関わりを持って、辛い事が有るだろ!」
「ないわっ!」
栞さんは、声を荒げた。それでも、俺は屈しない。
「ないなら、どうしてこんな所にいるんだよっ!?
何か有るからだろ!」
栞さんは、泣きそうな顔になる。
「私が来たいから、来たのよっ!」
「来たいってこんな変美な街の、変美な工場にか!?」
栞さんは顔を真っ赤にする。
「そうよ!変美な街に来たかったのよ!」
シンはあたふたしていた。それを横目に、俺は立ち上がる。
「弱みを見せずにがんばるより
ときには弱みを見せたっていいじゃないか 」
俺は冷静にさせるようなトーンの声で、言う。しかし、今の言葉に栞さんは、揺らいだようだ。急に栞さんは泣き出す。
栞さんも立って俺の胸ぐらを掴んで来た。
「私は、昨日言われたように嘘をついてた。
そうよ!私はシークラウンにある弱味を握られて、それで、コキ使われている。
到底、無理な事やらされているのよっ!」
俺は視線を栞さんに向けるだけで、何も言わなかった。
「今全部出来なくたっていい
ちょっとずつでもいい
一歩でも進歩
でも0歩は0歩のままだ 」
俺はそんな状態が3分程続いたので、3分間考えた言葉を口にだした。
「あんたも、私を助けて」
栞さんは、今にも消え入りそうな声で言った。もっていうのが気にかかる。
「もってどういう事だ?
もちろん助けてやるけど...」
栞さんは、涙でぐちゃぐちゃになった顔でこっちを見る。
「私を助けてくれるっていう人がもう一人いるの。その人はシークラウンのメンバーなんだけど...」
それ以上は誰も、何も言わなかった。
俺たちはそんな状態で喫茶店を後にする。
そして、俺とシンは宿のあるサルファン港へと、帰る事にした。
栞さんは去り際叫んだ。
「明日、もう一回ここに来て!」
俺は手を上げて返事をする。
シンは叫んでいるようだが...
☆★☆★☆★☆★☆★
俺たちは6時に起きて、ポルナリアに向かった。宿をでたのは11時ごろ。
ポルナリアに着いたのは11時30分を少し過ぎた頃であった。昨日、栞さんには、明日としか、言われていないので、何時頃かはわからないでいた。だから、昼前に着くようにした。俺とシンは早めの昼食を、取るために昨日の定食屋へと入った。
「いらっしゃーい。
あら、昨日の」
俺は軽く会釈し、昨日座ったカウンター席に座ろうとする。しかし、お座敷の方から声が聞こえた。
「あんた達、こっち。」
この声、忘れるはずもない。栞さんの声だ。俺は、そっちを見る。そして、近寄る。
栞さんの横にはフードを被った男性がいた。
俺はそのフードの男の向かいに、腰を下ろす。
「ごめん。わざわざ遠い所まで」
そう言って栞さんは頭を下げた。シンはそれに対して、手を振りながら
「いやいや、そんな。
そうだ、栞さん。俺らまだ自己紹介してなかったな?俺はシンってんだ。
んで、こいつがカミヤ」
俺は頭を下げた。
「なら私も。
私は桐谷栞。」
フードの男も続く。
「俺は土方冬馬だ。よろしくな。
名ばかりは、シークラウンにあるが、お前達派の人間だ。」
「あ、どうも」
そして、俺たちはご飯を食べながら、今回の事に対する意図や、作戦などをたてた。
「栞さんを守る!」
最後に俺がそう叫んで、終わった。
俺たちはその場を後にした。
そして、サルファン港に帰る。
☆★☆★☆★☆★
襲撃は明日。
作戦とは、俺がシークラウンの本部に攻め込む。そして、トウマさんが、内部からの攻撃などで、混乱、撹乱させる。そこをシンが撃つ。
この作戦で栞さんを助ける。
それが、明日の作戦だ。
☆★☆★☆★☆★☆★
襲撃予定時刻の2時間前、栞さんが部屋に来た。
「あ、どうも栞さん。」
「こんにちは。今日は頼むわよ」
栞さんは明るかった。それが表面的な明るさだとは、直ぐにわかった。
「おう!」
シンは緊張で足がふらつきながら寄って来た。
「栞さん。俺頑張る。」
「頼む」
気づいたら30分前だった。
よし、行くか!
☆★☆★☆★☆★☆
シークラウンの本部の何かのホールの扉の前で、軽く深呼吸をする。
3秒数えたら、行こう。
3、2、1。
よし、今だっ!
扉を勢いよく開ける。
「うおりゃっ!」
軽く叫び突入する。
その途端、大量の銃弾が俺に向かって飛んで来た。俺はかがんですべての弾を避ける事ができた。
俺がこの時間にくる事がバレていた?
俺はその時、1人の男の顔が浮かんだ。
「いやぁ。残念。これでお前を倒せると思ったんだけどなぁ。
やっ。カミヤ君。」
そこには、俺は昨日会った男。トウマさんがいた。
「トウマさん。もしかして」
トウマは唇が三日月のような形にして、笑った。
「そのもしかしてさ。
俺は、栞を助けるつもりなんて、微塵もなかったよ。」
俺は、トウマという、最低な男を睨む。
「おお。怖い怖い。
さてと、気を取り直して、みんなこいつボコボコにしちゃって。場合によっては殺してもいいから。
俺は栞を誘拐しないとね。誘拐して栞を、グチャグチャに壊すんだ。
ボスが船で待ってるし、急がなきゃね。」
俺は終始ニヤニヤしている最低な男を、睨み続けた。
最低な男が見えなくなった途端、銃弾が飛んできた。俺は避ける。相手の数は50人位いる。ピンチだ。
「シン!お前は栞さんを守りにいけ!」
力一杯俺は叫んだ。模造刀で、相手のザコをなぎ倒していく。しかし、数が数だ。早めに終わらせないと。
残り4人まで、削った。しかし、俺はもうヘトヘトだった。
ヤバイな。
相手の4人はとても怒っている様子だった。
「ハァハァ。お前らも倒す!ハァハァ」
相手の4人を刺激したらしい。全員が突っ込んで来た。
俺は呼吸を整える。
よし!行ける!
「うおおおおお!!!!」
俺は銃弾を避け、相手に突っ込んで行く。
喰らえっ!!
<クロスカット>
近かった相手、2人をいっきになぎ倒す。
そして、落ちているショットガンを拾って、1人に撃つ。弾は見事に命中する。
残るは一人!
「トウマァ!
おめぇごときに左右される程、俺たちは弱くねーんだよ!
むしろ強い位だっ!」
俺は最後の1人に突進する。
喰らえっ!!
<覇!>
音速の突きを喰らわす。
最後の1人も、倒れた。
「こんなに疲れるのか。
俺は強くないな。
強く在ろうとし、ているだけだな。」
そう呟いて、ホールを後にした。
そういや、船とか言ってたな。
港に行くか!
俺は港に走った。
☆★☆★☆★☆★☆★
俺は港に着き、周りを見渡す。
すると、海の方にボートがあるのを目撃した。目を凝らして見ると、青髪の女性が乗っているのを確認する事ができた。
栞さん。
すると、ボロボロのシンが来た。
「悪りぃ。栞さんを守れなかった。」
「今は悔やんでいてもしょうがない。追いかけよう!」
俺は停めてあったボートに飛び乗る。それにシンも続いた。
俺は、全力で漕ぐ!
これなら追いつけそうだ。
30分後。肉眼で楽に確認できる所まで来た。
「栞さぁーん!」
栞は俺に気づく。
「カミヤくぅん!助けて!」
俺はボートから跳んだ。俺はボートをジャンプで移動しようとする。普通なら無理だ。でも、今だけは普通じゃない。いける気がした。
「助けるって約束したじゃないですかっ!」
ボートに乗れた。
「キサマァ!」
トウマが俺に突進して来た。
俺は栞さんを担ぐ。トウマさんの剣を避け、バックステップを踏み、その後助走を付けボートからもう一度跳ぶ。
「ありがとうっ!」
栞さんは涙を流していた。女の子を泣かしやがって!
俺はトウマにかなりの憤りを、覚えた。ボートに着地した。栞さんをボートに置く。そして、ボートの方を睨む。
「勝負だぁっ!シークラウン!
お前らは絶対許さない!!」
その瞬間だった。ボートが消えた。ただしくは、他のものに変わっていた。
栞はガタガタ震えだした。
ボートは一口で現れた龍に飲み込まれた。
この世界には、もちろんモンスターは存在する。
「あれは、この辺りの主...
シークラウンドラゴン!!」
栞さんが震えながら言う。
主...
「逃げてっ!」
栞さんは叫んだ。
しかし、俺はそれを止める。
「ダメだっ!」
栞さんは何故?という顔で見てくる。
「追いつかれて、後ろから食われる。」
「え?じゃあ、どうしたら?」
俺は、栞さんを見て、頷いてからシークラウンドラゴンを見る。
「シン。援護頼む。
栞さんは、心配せずに俺たちが戦ってるのを見といて。絶対に守るからっ!」
俺は海に飛び込んだ。
☆★☆★☆★☆★☆★
俺は水中を泳いでシークラウンドラゴンに近づく。そして、本物の剣を取り出す。花に買って貰ったヴォルグソードを取り出す。
斬っ!
斬りつける。
グォアァァ!!
ドラゴンの咆吼が聞こえる。水中にいる俺には聞き取りづらかった。
<クロスカット>
斬りつける。しかし、ドラゴンの尾が俺に、ブチ当たる。
グッ!
俺は吐血する。
<フォーアタックス!>
4連撃を喰らわす。しかし、シークラウンドラゴンはダメージを受けてる気配がない。
くそっ!これで終わるのか?
いや、守るものがある限り、人は無敵だ!
喰らえっ!
<神の斬撃>
3日間は筋肉痛に悩まされる、最強の必殺技だ。
シークラウンドラゴンの胸を切断した。
グガァアアアア!!!
シークラウンドラゴンの断末魔の叫びが聞こえた。
☆★☆★☆★☆★
俺が目覚めたのは、ベッドの上だった。
聞けば俺はシークラウンドラゴンを倒した後、溺れて死にかけたと言う。そして、4日間も、眠り続けたそうだ。
「栞さんを守る事が、できた!」
「本当にありがと。」
栞さんがニヤニヤしながら見る。
「いつ、帰るの?」
「んー。2日後位かな。」
「そっか。後それだけか」
栞さんは少し淋しそうな顔をした。
「また、また遊びにくるよ」
俺は微笑みながら言う。すると、栞さんの表情は一瞬で明るくなった。
「ねぇ?カミヤ」
「なんだ?」
栞さんはニコニコする。そして、
「なんでもなーい!!」
と言って、部屋から出て行った。そういや、俺が起きた時、そばに栞さんがいた。看病してくれていたのだろうか?
「シンいるか?」
返事は無い。どこかに遊びに行ってるのだろう。
肝心な時にいないんだな。
俺はシンに尋ねたい事があるから、俺も部屋を後にし、シンを探しに行く。俺の経験上、こういう時、シンは最後の日まで宿に帰ってこない。だから探しにいかないと。
それで、聞かなきゃな。
「栞さんが俺の看病してたの?」
と。
YESだったら、栞さんに礼言わなきゃならないからな。