プロローグ
不定期にアップします。
「キカイジカケの青春」もお読みください。
俊敏な動きで飛んでくる銃弾を避ける。そして、一気に間合いを詰め、右手の刀で銃弾を撃った者を斬る。
この戦いは玩具を使って行われた遊び。
「ドヒャアー。またカミヤに負けたぁ!いつも負けるぅ!なんかズルしてるんじゃないか?」
それに対して、カミヤと言われた男が言う。
「ズルなんてしてるわけないじゃん。この刀だって、シンが持ってきた物だしさ」
それを聞いたシンは少し不満そうな顔でカミヤを見て、
「修行してくる!」と言って、走り去ってしまった。
見えなくなるまで、見届けた後、カミヤも帰路を歩き始めた。
今の時代はどの国も戦争に明け暮れ、領土を広げようとする毎日。
毎日、大量の死者を出す。それでも死を恐れずに戦う者だってている。死に怯えながら戦う者だっている。
今の時代の科学技術では銃よりかは、刀の方が優勢である。と言っても強者が持った場合に限ってだ。弱者が持ったってそこまでである。
唐突だが、自己紹介させていただこう。俺の名前は大鉈神弥[おおなだかみや]この国。クリアネル国に住む、16歳だ。
この時代、学業よりかは、武力の方が重視されている。学業はしなくて良いのだ。だから学校なんて無い。20歳になった時の徴兵の為に、日々修行を積んでいる。
そんな中この街。イティディアのガキ達でトップを走っているのがこの俺である。
俺は剣士だ。銃弾は目で見て避ける。そのくらい、動体視力と反射神経、敏捷性などが兼ね備えられている。