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少年AliveDead あなたは何回死ねますか?  作者: 夢犬
通り魔―ロンリー・ザ・リッパー編
3/5

闇夜の出会い

 一分後…


「ブッハー!! 死んだじゃねえかよ、あの男!」


 直前まで意識を失っていた俺は、跳ね起きて叫んだ

 説明しよう、俺は特殊な体質を持っている。それは、死んでも生き返る…というより、死なない。そんなゾンビみたいな体質だ。だがゾンビとは違い、痛覚はあるし、太陽の下でも活動できる。

 どこぞの不死者のようだが、これにも欠点がある。

 それは、蘇生、もしくは再生に1分ほど時間がかかるという制約付きなのだ。

 他は……長いから省く


「全く、酷いもんだ」

「ふわあっ!?」

 

 声が聞こえた。しかも女の子のだ。とりあえず周りを見渡してみる。

 視界に映ったのは、俺と同じくらいの年の少女だ。線は細く、髪は肩まで、後は暗くてよく分からない。


「な、なんで…生きているんですか…?」


 なんだよ、その「自分が殺しました」的な言い方は…。もっと他に言葉あるだろ。

 しかし、マズイな。ホントにマズイ。

 もしかしたら、死んで意識がなかった間のことを見られていたかもしれない。


「なんのことですか?」

「なんのことって、さっきまで死んでいましたよね?」

「死んでいた? いやいや御冗談を」

「いえ、しっかりと脈と呼吸と瞳孔を確認しました」


 どんだけ律儀に死亡確認してんだよ。だけど、そこまでされるとヤバイぞ


「ど、どうしてなんですか」


 ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ、どうすんだよ俺! オレェェェェェエエエエ


「クッ、こうなれば」


 こうなった場合の手段は


「富岳三十六計逃げるが勝ちだぁー!」


 そう、逃げる。思いっきり、例えるなら、100mで世界新記録出すくらいの速度で…

 これが実際に出るのだから怖いことだ。8秒だって7秒だっていけちゃうぜ?

 どうしてそんなに力が出せるかだって? 俺は何度か死んでるから、脳が筋肉にかける制限が緩くなって居るのだ。

 回りくどいから、はっきり言うと火事場の馬鹿力に近い。脳のリミッターが外れかけているから、ある程度は人間の限界を超えられる。だが、俺自身の肉体は、少し鍛えられた程度のものなので、限界を超えた分、負荷に耐え切れずに自壊する。

 俺の体は、その自壊したぶんもしっかり再生するから、多少の無理は利いてる。むしろ、破壊と再生を繰り返すからこそ、人間の限界を超えた力が出せるのだろう。


 そうやってどこかの誰かに説明しているうちに、少女の姿がみるみる内に小さくなっていく。追いかけてはこないようだ。

 完全に見えなくなったところで、走るのをやめた。

 

「何なんだ、さっきの女の子」


 少しだけ気にはなったが、すぐに頭から切り離した。


「もう会うことなんてないだろう」


 それと同時に、通り魔のことが気になった。


「俺のことを知ってたわけじゃなさそうだし…、無差別って考えるのが正しいよな。それに、あの体捌き、どこかで…」


 考えながら、夜の道を歩く。そうしているうちに家についてしまい、何も得ることなく、その夜は終わった。

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