突然の始まり
初めまして、夢幻遊騎です。わけあってここで書くことになりました。
とりあえず、この作品が安定したら、新作でもあげていこうかと思ってます。
どうかよろしくお願いします。
夜は遅く、すでに0時を回っているだろう。最近、物騒な話で通り魔がでるらしい。被害者は皆、体のどこかを切られている。犯行時の服装はどれも同じで、同一犯による犯行だとされている。だから、遅い時間帯は人の数が少なくなってきた。世の中危険がいっぱいだ。だが俺は――
「だーから、俺はもう違うんだって」
俺の目の前には、数人のガラの悪い男共。世に言うチーマーやらヤンキーだ。
「俺はもう破壊皇じゃないんだよ」
口に出したくもない単語を口にして、嫌になってきた。こうやって変な奴らに絡まれるし、高校でも疎まれるし、いいことなんて無い。
だからこうやって、俺に挑んでくる馬鹿どもをこうやって、わざわざ――
「ボッコボコにしなきゃわかんねーのかよ」
律儀に全員を返り討ちにしなきゃ、後から面倒なことになりかねないし、もう二度と向かってこれないようにしないと、わかってくれない方々だし。
こうやって、道端に倒れて呻いてる方々をみると、あーあやっちゃったよ感に苛まれたり、このあとどうしようかみたいなことを考えることもあったりする。
「そんじゃ、後はアンタらに任せた」
踵を返し、逃げるようにその場を離れた。それと、吐き捨てるようなに
「最近、通り魔とかいるらしいから、気を付けろよ」
とか言ってみたりした。
それからしばらく、家路を歩いていたのだが…
「ん?」
いつの間にいたのか、目の前には人。しかも、全身真っ黒な服装。明らかに怪しい。というか、通り魔こいつじゃね、とすら言われかねないだろう。
ただの通行人だろう。そう思いたかった。けど、俺の本能が、「コイツは危険だ」と告げている。
悪い予感は的中するもの。漫画や小説じゃ当たり前だが、ここは現実だ。そんなこと、起こるわけ――
「ッ!?」
気づけば、体を反らしていた。
それまで体があった場所に、銀色の光が通過した。目を凝らしてみると、それはナイフだった。折り畳み式の大型ナイフ。通称ジャックナイフ。
つまり、悪い予感は的中したのだ。コイツは、例の通り魔。
「アンタ、最近ニュースでやってる通り魔さん?」
訊いても答えなんか返ってこない。代わりに来たのは、通り魔の突進。前にナイフを突き出しながら俺に向かってくる。
前に突き出されたナイフを払い、そのまま蹴りに持ち込もうとした。だが、通り魔は払われたのと同時に体を回転させ、さらに切り込んできた。
蹴りに持ち込むことができなくなった体勢で、無理やりバックステップして、どうにかナイフを避けた。俺はそこで気づいた。
なんで、あの通り魔は体がさらに回転しようとしているんだ? 気づいた時にはもう遅かった。
賽は投げられた。
通り魔から投げられたナイフは、見事に心臓に命中し、刃の半ばまで刺さる。そして、通り魔は心臓に突き刺さったナイフを拳で殴った。それにより、ナイフがさらに深く刺さり、衝撃が全身を駆け巡った。
「――!」
地面に倒れ、夜の空を見上げた。視界が赤く染まり、意識が落ちていく。
「あ…がっ。ぐぅ」
こんなところで、俺は…死ぬのかよ。通り魔のやつ、絶対に許さねえ――ッ!!
コイツには、一発ぶん殴ってやんねえと、俺の気が済まねえ。
「お、ぼえ、とけ…」
死力を尽くして、通り魔に刻ませる
「今、おま、え、が…殺した、俺の、か、お、を」
俺、黄泉渡新の顔を
「次に、あっ、たら…おま、え、が…ぶん、殴られ、る、俺の、顔、をッ!!」
そして、俺は意識を失い、力尽きていった
この『死』が、運命の歯車を回し、この世界を回していく。
彼、黄泉渡新を中心に、関わる人間を巻き込み、物語が語られていく。
主人公無双ってカテゴリにしたのに、いきなり死んでるし!?
書く前から気づいてましてたよ、ええ。
これが始まりです。大事なことなので2度いいます。これが始まりです。
何ぞと、この作品をよろしくお願いします