第六話:ウィード魔法学校
この小説は作者のノリと勢いでできています。
誤字脱字やここの展開おかしいだろ、と思うところがあれば遠慮なく言ってください。
更新は不定期ですがなにとぞ勢いで書いていますのでご理解ください。
そもそも魔法学校はこの世界にはあまり数がないらしいが、風の国は他の国に比べ多く存在している。その中でもウィード魔法学校は主に魔力の高い者、所謂エリートが集まる。生徒数は1000人を超え10才からと年齢や種族は決められていないため様々な人が集まる。
クラスは初級、中級、上級と分けられそれぞれ昇級試験と卒業試験が存在し受かれば上のクラスへと上がれるのだが、上級へと上がれるのは全体の約一割でほとんどの人は中級で卒業していく。
この世界では日常生活でも使われている魔法だが、平民のほとんどの人は親やその村ごとで自主的教えられているものである。しかし教えられるのは初歩の初歩であり高等な魔法を扱うためには魔法学校に入らなければほぼ不可能である。そのため、どの魔法学校も平民の入学を拒否してはいない。しかしながら教育費が高いため一部才能が認められ授業料免除などで入った人以外は貴族となってしまいその比率は9:1ぐらいだそうだ。
「そんなんじゃ、いじめとか差別とかあるんじゃないか?」
「そうなんだけどね。相手を叱ろうにも貴族の子供を叱ると後々面倒なことになるケースが多いからほとんどの教師は黙ったままなのよ」
どこの世界も抱える問題は同じらしい。
俺たちは街の一番西に位置するその学校へと足を運んでいた。
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そろそろ歩き始めて一時間くらいなのだが一向に着く気配がしない。
「どんだけこの町は広いんだよ」
限度ってもんがあるだろ。
周りにはすでに建物はなく林である。さながらウォーキングコースだ。
「一応この町の首都だからそれなりの広さは持ってるわよ。でもそろそろ着くわ」
そういったレンの後を追うように坂を登りきるとそこには西洋の城が存在していた。
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そうですか、城ですか、個人的には教会みたいなものかなと侮ってましたよ。
ほんとになんでもありだなファンタジー。
これからこんな違和感が無くなっていくのだろうか?と思いながら俺は魔法学校に向けて歩き出した。
門の前に着くと兵士が2人警備していた。
「そこの者止まれ!!」
大声を出された瞬間、俺はビクッと体を震わせた。
いきなり怒鳴るなよ・・・
「風のギルドマスター、ジン・ローウェルからの手紙を預かってるわ。学園長に会いたいのだけれど」
そう言ってレンは一枚の手紙を取り出し兵士に一人に何かカードと一緒に渡すと兵士は詰所?みたいな所に入っていった。
「なぁ、手紙はジンさんからので分かるけどあのカードって何?」
たしかこの街に入る時も出していたような気がする。
「あれはギルドカードよ。ギルドに登録するともらえるもので身分証明にもなるから便利なのよ。その人の個人情報や能力値も出るから使い所は気をつけないといけないけどね」
しばらくして兵士が戻ってくる。
「お待たせいたしました。どうぞお入りください」
門を抜けるとそこは・・・まぁ、なんとういかイメージ通りの風景が広がっていた。
広大な庭に花畑、奥には授業中なのか生徒が集まって魔法の実践練習を行っているらしい。
あ、今一人ふっとんだ。
建物の中に入るとさらに驚かされることになる。外から見た大きさと内部の大きさが明らかに違っていたからだ。さすがに絵は動いてはいなかったが・・・
「どの魔法学校もこれが普通なのか?」
「まさか、ここは特別よ。ほかの学校はもっと小さいしここまで設備は整っていないわよ。」
最上階に着くと学園長室と書かれた扉あった。
「失礼します。レヴェリー・クレイグスです」
「どうぞ」
中から落ち着いた女性の声が聞こえた。扉を開け部屋へと入る。すると人のよさそうな初老の女性が机に座ってこちらに目を向けた。
なんかジンさんのときもこんな感じだったな。
「あらあら、レンさんじゃないの。久しぶりねぇ、あなたがいなくなってからは学園も静かになったものよ。」
そういって笑みをこぼす。
隣を見るとレンは、「そのことはッ」と狼狽している。ここの卒業生らしけど意外と問題児だったのか?
「それで、そちらのかたは?」
そういわれて挨拶もしていないことに気付いた。
「すみません。自己紹介が遅れました。ハヤト・クロカワといいます」
「これはご丁寧に。私はこの学校の学園長をしております、ヴァネッサ・フローガルと申します。それでこの学園にどのような御用時で?」
「それはこちらにまとめてあると思います。叔父様からの手紙です」
そういってヴァネッサさんに手紙を渡す。彼女は封を開けて内容を確認するとため息を付いた。
「まったくあの人も困ったものですね。いきなりこんなことを言われても・・・。まぁ、かのギルドマスターに貸しを作っておくのも悪くないかもしれませんね」
そういって意味ありげに微笑む。
あれ?意外と性格が・・・
若干引きながら俺はヴァネッサさんに質問する。
「あの、俺たち内容を知らないんですが、いったいなんて書いてあったんですか?」
それを聞くと彼女は、本当にいい加減ねとぼやきながら俺の質問に答えてくれた。
「長々と文章が書いてありましたけど、簡潔にまとめると“あなたをこの学園に入学させてくれ”ってかいてありますね」
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いやいや、いきなりすぎるでしょ。というかジンさん、説明くらい最初にしといてくださいよ。
さすがにこの展開は予想できなかった。
レンも横で頭押さえて首振ってるし。まったく叔父様ってばとつぶやく声が聞こえた。
苦労してんだな。
「しかし・・・」
そこでヴァネッサさんは口を出す。
「さすがにギルドマスターの頼みでもいきなり入学させることはできません。」
そうだよな、こっちの世界に放り出されて魔法の“ま”の字も知らない俺をいきなりエリート集団に入れてくれるなんてことはあるはずが・・・・
「ですので、試験をだしますので、それで合格することができたら、入学を許可しましょう」
あるはずが・・・・・・
「さて、ではハヤトくんといいましたね?こちらについてきてください」
あるはずが・・・・・・
俺の横をスッと通り過ぎた彼女の顔を見ると確実に笑っていた。
うわ、この人絶対に面白がってる!!
こうして俺の入学をかけたテストが本人の意思とは無関係に行われることとなった。
感想お待ちしております。