第三話:ダーウィン
この小説は作者のノリと勢いでできています。
誤字脱字やここの展開おかしいだろ、と思うところがあれば遠慮なく言ってください。
更新は不定期ですがなにとぞ勢いで書いていますのでご理解ください。
とりあえず俺はダーウィンへ移動する途中で、この世界についていろいろとレンに聞いてみた。
この世界は大きく分けて5つの大陸に分かれているらしい。
東に風の国”シルフィール”、南に火の国”フラフール”、西に土の国”ヴァンフール”、北に水の国”ウィルフール”、そして更に北にも大陸があるのだが、そこは瘴気が常に覆われていて人が住めるような場所ではなく魔物もかなりのレベルの奴が徘徊しているらしい。
それぞれの大陸には特化した文化が栄えており、俺たちが今いる風の国は薬や回復系の魔法などが発達しているという。
「じゃあ、風の国出身の人は風系の魔法が得意なのか?」
「一概にそうとは言い切れないけど、初めて習う魔法がその出身の魔法になるから、たいていの人はそうなちゃうわね。」
「その言い方だとかなり一般的に魔法は広まってるんだな。」
「まぁ、便利だしね。冒険者ならどの系統も初級魔法程度なら使えるはずよ。さて、そろそろ城壁が見えてくるはずよ。」
「おぉ、あれか。かなり大きな町だな。」
俺はそういいながら町をみる。山をところどころ切り崩したようなように作られていて頂上には立派な城が建てられている。この世界には王政でもとってるのか?
「とりあえず、町に入ったらギルドにいくわ。その後大賢者様の元へ向かうから。」
「そういえば、俺も冒険者とやらにはなれるのか?」
俺は聞きそびれていた質問をする。レンは目を見開いてぱちぱちと瞬きする。
いや、そんなに驚かれても。というかそのしぐさかわいいな。
「冒険者になりたいの?」
「あぁ、情報を集めるのにはもってこいだと思うしな。ちょっと興味もわいた。」
「かなり、危険なこともあるわよ?」
「だからこそだな。情報を集めるためには多少無茶をしなくちゃいけないときもあるだろうし、何よりこの世界は物騒だからな。腕を上げておく必要はあるだろう?」
「それはそうだけど・・・。まぁ詳しい話はあとね。少し待ってて、入国審査してくるから。」
そういってレンは城門の前の兵士に近づいていき、なにやらカードらしきものをみせていた。
――――――――リン♪
「うん?」
後ろから音がしたような気がした。俺は後ろをふりかえってみるがあるのは先ほど通ってきた森しかみえない。
「気のせいか?」
「なにやってるの?入国審査終わったからいくわよ。」
首をかしげている俺を不思議に思ったのかレンがたずねてくる。
「いや、なんでもない。気のせいだったみたいだ。」
そして俺はレンに続いて城門をくぐる。
――――ワタシヲタスケテ―――――
その声は誰の耳に届かずに風に消されていった。
――――――――――――――――――――――――
町に入るとまるで祭りの露店のように店がならんでいた。
「祭りでもやってんのか?かなり賑わってるけど。」
「いつもこんなもんよ。旅の人も多いし、年中お祭りみたいなものだわ。さぁ、こっちよ。」
そういってレンはどんどん先へと足をむける。俺はこの人ごみの中ついていくのに必死だ。
「ち、ちょっと待ってくれ!」
「まったく、遅いわよ。ほら荷物持ってあげるから」
そういってレンは俺が持っていたワイバーンの爪やらなんやら背負う。というか軽く持っているけど結構な重さのはずなのだが・・・
そんなことを思っているとレンは一つの店に入った。俺もそれに続く。
店に入ると中は武器や防具、本といったメジャーなものから何かよくわからない液体や何かのモンスターの頭蓋骨(よく豪邸においてある装飾品みたいなやつ)など、傍からみると何の店なのかわからない。
「おじさん、これ売りたいんだけど」
「あいよ、嬢ちゃん。やけに荷物が多いが今度は何持ってきたんだ?」
「今回はちょっとすごいわよ」
レンと店のおじさんは何やら盛り上がっているが、俺にはそれよりも店の中の物の方が興味をそそられたので店の中を見て回ることにした。
すると隅の方に多くの本に囲まれながら真っ黒な本を見つけた。
周りの本には題名が書かれているし、本の装飾がされているものなど少しでも目立つようになっている(本にそんな装飾が必要なのかと疑問に思うが)がその本の表紙には何も書かれていない。
しかし、なぜか俺はその本に惹かれているのがわかった。何か特別な本なのだろうか?
「ボーッとしてるとおいてくわよ!」
「おぉ!わるい。」
俺がそんなことを考えているうちに話し合いは終わったらしい。
その本を不思議に思いながらも俺はレンとはぐれないように進んでいった。
――――――――――――
「じゃ、この辺で待っといてくれる?報告済ませてくるから。」
といってレンはギルドの受付へと向かっていった。俺は周りに目を向ける。ギルドの一階は酒場みたいになっていて多くの冒険者が酒など飲んで話し込んでいる。レンはそのまま二階へ上がっていったのでギルドの受付は二階にいあるのだろう。
すると周りの人の目線がレンの後を追ってき、その後俺に殺気のこもった視線を送っているのがとてもよくわかった。あぁ、確かにレンはきれいな金髪に体も非常に女の子らしい、顔も整っているのでおそらくここのアイドル的存在なのだろう。
ということはこの後の展開としては・・・
と考えていると二人の強面の冒険者らしき人がこっちへ近づいてくる。
この世界にきてから俺は、巻き込まれやすい体質になってしまったのだろうか・・・
「おいガキ、ここは遊びでくるようなとこじゃねーんだぞ。」
「帰ってママのところで遊んでな。」
げらげらと周りも一緒に騒ぎ出す。
いや、何か分かりやすいやつらだな。とりあえず、適当にあしらっておくか。
「何か俺に用でもあるのか?この後連れ(レン)と用があるんだが。」
「お前みたいなガキがクレイグスさんのことを呼び捨てにすんじゃねーよ。」
「ちょっと痛い目しないとわからないかな~。」
といってあからさまに腰の剣に手をのばす。もう一人の方はなにやら呪文を唱えたとおもうと拳が淡い光を発し始める。
ここで喧嘩起こしていいのかな?と思ったが周りの連中もとめるどころか煽り、賭けまで始めだしたのでよくあることなのだろうと勝手に判断する。と、そこにレンが報告が終わったらしくもどってきた。
「ゴメンね。ちょっと遅くなったって、何してるの?」
「うん、見てのとおり絡まれてる。」
「絡まれてるってその二人結構強いわよ。大丈夫?」
「まぁ、このくらいなら何とかなるよ。」
と、まったく動じずにレンと話していたのが気に障ったのだろうか、体格のでかい男のほうが剣を抜き俺に向かってきた。
「このガキっ!!くたばれりやがれ!!」
男が剣を振り下ろす瞬間、俺はその男の懐へと<疾風>で入り込み手を鎧にあてた。
「へっ?」
「<衝破 >」
そうつぶやくと男は後ろっで構えていた相方をも巻き込んで壁まで吹っ飛んでいった。周りの観客も声を失っている。手加減したつもりだったのだが。
「・・・・・あれ?・・・・・・・やりすぎたかな?」
「やりすぎよ。」
マジで手加減を覚えないと危ないかもしれん。俺とレンはその場そさっさと離れるように二階へと上がっていった。
「それで、大賢者ってのはどこにいるんだ?」
「あら、普通についてきたから下で聞いたのかと思ったけど。大賢者様はこのギルドのマスターなのよ。」
なるほど、大層な呼び名だしそれなりの地位に就いていてもおかしくないな。
そのまま奥の部屋への扉の前へと移動する。
「ここよ。先にアポイントはとっているから行くわよ。」
「了解。」
俺たちはそのまま扉をくぐっていった。
8/30少し加筆しました