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異世界奮闘記  作者: 黒
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第十四話:出会い その2

この小説は作者のノリと勢いでできています。

誤字脱字やここの展開おかしいだろ、と思うところがあれば遠慮なく言ってください。

更新は不定期ですがなにとぞ勢いで書いていますのでご理解ください。



この世界の四季は大陸ごと固定されているので一つの大陸ごとでそこまで急激な気温の変化はない。春の季節であり四大陸で最も穏やかな気候であるこの大陸では、本日稀にみる最高の気温、湿度であった。これ以上過ごしやすい天気は今年中には来ないのではないかと思われる天気の中、教室の中には正反対な凍りつくような雰囲気のなかで時間が流れていた。


「(ねぇ、ハヤトのせいでこんな空気なんだからどうにかできないの?)」


「(いや、そんなこと言われてもどうにもできないだろこの空気)」


「授業におしゃべりはいけませんよ。ハヤテさんにレヴェリーさん。それともお説教の方がいいのですか?」


「「いえ、結構です。すみません」」


先ほどすでに説教をされている身としては勘弁願いたい。

授業が始まってからも何回か質問されたのだが一つも答えられないので(まぁ、何も知らないので当たり前なのだが)他の生徒からもバカのレッテルが張られているのは間違いないと思われる。目立たずにという当初の目標はこの時点で失敗に終わってしまったであろう。しかし、それによって俺とは別の意味で目立つ人も現れた。


「では、空気中に存在する魔法を起こすエネルギーとなる物質のことを総じてなんと呼ぶでしょうか?え~っと、ではハヤトさん」


・・・この人は生徒の名前を俺しか覚えていないのではないだろうか?学園長から説明されているといっていたが、あの人のことだ。アバウトな感じでしか教えられていないのであろう。もしくはまったく事実とは異なる情報を教えていることもあり得そうだ。


「・・・わかりません」


「はぁ~。またですか」


周りからくすくすと声を抑えた笑い声が耳に入る。わかっていてもあまり気持ちいいものではないのは明白だ。


「しょうがないですね。ではエステルさんお願いできますか?」


その言葉に一人の女子生徒が金色の髪を掻きあげながら立ち上がる。その顔にはため息でも混じっていそうな感じではあったがそれもしょうがないだろう。なぜなら先ほどからハヤトが答えられない質問には彼女がすべて答え直しているのだ。しかもすべて完璧な回答である。まさに典型的な劣等生と優等生の差が表れているように見えるわけだ。


「空気中に存在するエネルギーのことを総称してエナと呼び、エナにはそれぞれ火素、水素、風素、土素、さらに上位種として光素、闇素が存在します。また体から発せられるオーラとエナを総称して魔力マナと呼びます」


「さすがですね。ではみなさんこれから実際にそれらを目で確認してみましょう。」


答え終わった彼女の方を見てみるとすでに座っており先生の話を聞いていた。と不意にこちらに顔を向けてきた。・・・睨まれているのは気のせいだろう。


「ハヤトさん。ちゃんと聞いてないとまた先生に怒られちゃいますよ」


エルがシャロン先生の目を盗み見て声をかけてくる。俺やレンみたいに見つかるような

へまをしないとこはさすがだ。


「あぁ・・・そういやエルはさっきの金髪の子のことよく知ってるか?」


「え?知っているって聞かれたら知ってますけど。受けてる授業同じですし。でも詳しいことはあまりわかりませよ?知ってるのは名前と成績くらいです」


「ああ。それでいいから教えてほしい」


「え~と、名前はエステル・アタナシア・ブランシュ。成績はさっきも見てのとおりトップです。大きな功績を残したことがあり貴族の中でも結構上位に位置していていますから、あまり下手にかかわると何されるかわかりませんよ」


・・・今の説明でめんどくさい奴に目をつけられたらしいことは分かった。


「ハヤトさん?」


首をかしげながらこっちを見上げるようにエルがのぞきこんでくる。そういった行動が性別を間違えられる要因になっていることに気付かないのだろか?

そう考えたところでシャロンが手を叩いてクラスの注意を向ける。


「では、一番簡単な火素を指先へ集めてみましょうか」


そう言いながら自分の前で一本指を立てたかと思うと、そこへ赤い球体が表れる。光はそこまで強くはないが遠目から見てもそれが魔法によるものだとはっきりとわかる。それに続けて黄、青、緑の球体が続けて現れ指先の周りをゆっくりと回転し始めた。


「この赤い球体が火素の結晶です。同じように青が水素、黄が土素、緑が風素となります。この状態はただそれぞれのエナを固めただけですが―――」


と言った途端に赤い球体以外は一瞬にして消え去る。残った球体は指先へ停止するとその数を三つへと増やし小さな音とともに同じ大きさの火の玉へと変化した。まさに種も仕掛けもない本物のマジックというやつだ。


「このようにエナにオーラで指向性を与えることにより魔法を引き起こします。ここで一番大切なのはイメージです。エナに指向性を与えるためには自分のオーラにイメージを刷り込ませ、そのオーラをエナへと混ぜるといった感じでしょうか。このあたりは各個人の感覚なので実際にやってみながら覚えるしかないです。魔法の詠唱はイメージを固定化させる条件づけといってもいいでしょう。・・・と言っても無詠唱で行うことのできる魔法なんて限られていますけどね」


最後は笑いながらシャロンは指先を振って三つの火の玉を消した。その動作に淀みがまったくないところを見ると優秀であることがわかる。さすが有名魔法学校といったところか。先生のレベルも高いのだろう。


「では実際にやってみましょう。指先に一番イメージしやすい火の玉を作ってみましょうか。頭の中で火の玉が指先に現れる場面を想像してみましょう」


シャロンのその言葉に周りの生徒たちは目を閉じて集中し始める。横のエルもレンも同じように目をつぶって―――


「あれ?レンはやらないのか?」


「私はもう初級は一度すべて受けているからこれくらいは楽勝よ」


そう言いながらシャロンと同じように指先に火の玉を作る。

そうだった。この人もあっち(優等生)側だった。


自分で話を振っておきながら落胆することに嫌気がさしながらこっちも集中し始める。

まぁ、イメージすると言ってもそのままゲームのや漫画で出てくる感じでいいだろうと目をつぶって指を前に出す。そのまま親指と中指を合わせそのまま勢い良く音を鳴らす。

魔法を使う不思議な感覚に目をあけた。指先から何かが抜けていくような感覚。目の前には3つの火の玉が完成していた。


「あ、あれ?」


思っていたよりも簡単に出来ちゃった?とそう思って横のレンを見ると――――


「・・・・・・」


指先に火の玉を出した状態で固まっていた。何か起こったのかと思いレンが見ている方向へ顔を向けるとそれまで詠唱を行っていた他の生徒たちが一斉に無言でこちらを見ていた。

額に冷や汗が流れだすのが分かる。さっきまで何もできなかった奴がいきなり目の前で一発で、しかも無詠唱で魔法を成功させたのだから無理もない。


あぁ、嫌な予感がと思ったが皆の反応はそれに反したものだった。


「「すっごーーい!!」」


「今、どうやったの?」


「ちょっと、俺にもコツ教えてくれ!」


と一斉に俺の周りを取り囲む。その目は先ほどの俺を見る感じとは正反対だ。


「えっ、ちょっ。待って」


一斉に集まった人波を何とか元に戻そうと懸命にその場にとどまらせる。ふと目線を上げるとエステルと視線が合った。彼女だけは先ほどの場所から動かず視線だけをこちらへ向けていた。その顔はなぜか悔しそに顔をゆがましていた。


◇  ◇   ◇


ふう、とため息が出てしまう。レンもこちらへ疲れた顔を向けながら話しかけてくる。


「さっきの授業は大変だったわ・・・」


「ああ、まったくだ」


結局あの騒動は、シャロンが生徒たちを魔法で引きはがすまで終わらなかったのだ。そのおかげでシャロンには、より一層目をつけられたのは言うまでもない。


「まぁまぁ、お二人とも。でもそれも仕方ないですよ」


 授業が終わり廊下を三人で歩く中、エルが目をキラキラさせながら二人に話しかける。その姿はまるでご主人にかまってほしい犬(ただでさえ犬耳というオプションがついているのに)そのものだ。


「いきなり無詠唱の魔法を使うんですもん。僕だって驚きましたから。そんな高等技術どこで覚えたんですか?」


「そうは言ってもな・・・しいて言えば漫画か?」


そう言われてキョトンとするエル。そりゃここの人たちに漫画なんて言っても通じるわけがない。


「ちょっと、そこのあんた」


 あぁ、漫画とか思い出したらなんか読みたくなってきたな。この世界に似たようなものが存在しているとは思えないし。読みかけのものとかたくさんあったんだが。


「あ、あれ?ち、ちょっと、聞いてる?というか気づいていない?」


 早く元の世界へと戻る方法を考えないとな。しかし、今日の授業で俺にもちゃんと魔法が使えることが判明したわけだ。


「ま、待ちなさい!無視!?この私を無視するの!?」


今までも使っていたらしいが自分の意思ではっきりと確認できたのは初めてだしな。一歩前進と言っていいだろう。


「・・・いいわ、そっちがそのつもりならこっちにも考えってものがあるから」


 とりあえず俺が使えそうな魔法はどこかで調べるなりして練習しておこう。というかさっきからなんか騒がしいな。

 考えに耽っていた意識を外へと向ける。すると慌てた様子のレンとエルたちと目があった。


「二人とも、どうしたんだ?」


「『どうしたんだ?』じゃないわよ!!」


「とにかく後ろ!後ろを見てください!!」


 不思議に思いながら振り返る。そこに見えたのは―――――


「あたしを無視するなんていい度胸してるじゃない」


―――――空中に何本もの火の槍を構えた金髪優等生だった。


長い間放置してすみません!!


こんなことはこれからしばしばあるでしょうが、気長に待ってくれるとうれしいです。



というかこの主人公襲われまくってるなぁ~

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