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【第二部開始】初心者マスターとポンコツコアの迷宮運営記 〜なんでもありの外道ダンジョンでも独立国家になれますか?〜  作者: 綴木春遥
第一部 ミストフォークと聖女の剣<下> Apex Predator 編

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070.epilogue.1 魔王城


 森の獣たちによる電撃戦から始まり、カナリア作戦で呼び込んだ冒険者とおまけでついてきた騎士団。そして四つ目鹿との決戦。その全てが終わった。

 厳密には騎士団の生き残りが二十人前後ダンジョンの中に閉じ込められているが、時間の問題。


 そして手に入れたのは膨大な支配領域。

 四つ目鹿のボスらしき鹿を倒したことで、やつらが縄張りにしていたこの森とさらに北にある山々を丸ごと手に入れたらしい。

 DP収入もなかなかすごいことになっている。そしてDPはこれから更に集められる。


「コアちゃん、騎士の生き残りはどんな感じ?」

「今は第二階層の迷路ね。何のトラップもないけど、星獣用に控えさせてたモンスターがぎっしりだからもうすぐ死んじゃうかも?」

「おっけー、なるべく長く時間をかけて殺す様に伝えておいて。滞在ポイントは少しでも稼ぎたいからね」

「おけおけ! モンスターちゃんたち聞こえたわねー? 逃げられない様に手足を千切って転がしておきなー」


 なんか俺の命令がえぐみを増して伝わっている気がするけどまあいいや。

 そんなことより俺にはしたいことが山程あるんだから!


「グレイス、護衛にちょっとついて来て」

「ガジガジぐるる」

「あいつらは死んだらあとで食べていいから」

「がう」


 騎士たちが死ぬのを楽しみにしていたグレイスの説得完了。こいつは食い物の待てを覚えたのかもしれない。このまま従順になってくれないものか。


「あら、護衛だなんてどこか行くの?」

「丘の頂上だよ。上の出入口を放っておいたらコアルーム直通になっちゃうからね」

「ダンジョンの外側を改築するのね! なら私も着いていくわ」

「さすがに外に出るのは危ないから少し待っててよ。簡単な準備ができたら呼ぶからさ」

「ふぅん……それまで私はひとりでどうしたらいいの?」

「そんな寂しそうにしないでよ。コアちゃんにはたくさんやって欲しいことがあるんだ。まずは——」


 それからコアちゃんに幾つかの頼み事をした。

 その内容は

 一つはフェルの背中に付けられる船のような荷台を作って貰うこと。フェルをいつまでも洞穴の入口に置いておくのは勿体無い。かといって何故かあの竜は俺のことが好きすぎてキモいのでなるべく遠ざけたい。フェルにはいずれ遠征部隊用の運搬係をして貰う。そのための準備。

 二つ目は現在のダンジョン内に待機しているモンスターたちの半数程を部隊編成して森の調査をすること。支配地……ダンジョン化したとはいえ、元から住んでいた生物が配下になった訳ではない。また襲撃などされては困るので排除する。生態系など知ったことではない。この土地は俺の物だ。邪魔な奴は全て殺してDPにする。

 そして三つ目、と言いたいところだが一旦はここまで。多分これだけでもキャパオーバーだろうから、コアちゃんには森に出る遠征部隊の様子をちょこちょこ見てもらって情報をまとめて貰えればいい。支配地化したことで周辺の森と山はコアちゃんの視界内だ。モンスターを目印にコアちゃんが直接見てくれれば、これまでのようにゴブリンのお遊戯会を見なくて済む。あれは面白かったけど意思疎通の方法としてはゴミレベルだったから。


 さて、そういう訳でグレイスと一緒に丘の上に戻ってくる。

 丘上の出入口は地下に続く階段が剥き出しになっているので誰が見てもバレる。隠さないといけないのだけど……せっかくなら夢をひとつ叶えようと思う。


「グレイスー遠くにいかないで俺のこと見守っててねー」

「がじがじ」

「噛めとはいってないぞー少し離れろー、あとでお肉あげるから」

「ぐるる」


 グレイスを出入口の穴のところに配置して、俺は懐かしの硬い棒を呼び出して丘の土の上に線を引いていく。

 まずは、出入口を囲う様に大きめの四角を描く。

 次に、四角から三十メートルくらいの間隔を空けて四角くの周囲を円でぐるりと囲う。


「大きさはこれくらいでいいかな? コアちゃん今手ー空いてるー?」

「ちょっと待ってー、今最後の部隊を送り出したところー」

「はいよー」


 とそれから待つこと数分、再度通信が入る。


「もう大丈夫。何をしたらいい?」

「俺の書いた線が見える?」

「見えるよー」

「じゃあ、まずはこの四角に合わせて家を立てて欲しい。仮家だから天井は真四角でいいから、素材はなるべく硬いものにして」

「うーん……山の方に色々使えそうなものがあるけど……石と鉄ならどっちがいい?」

「鉄みたいに硬い石」

「面倒なこと言わないでよ、はい石の家」


 ぽん! と黒っぽい色の石壁と天井が生えて黒い豆腐型ハウスが出来上がる。無骨、だがそれがいい。


「いよっしゃー! やっと拠点らしい拠点ができたぞ! 洞穴暮らしじゃない、まさにサバイバルクラフトゲームのチュートリアルハウス! 映えより効率! あらゆる建築の原点! ふつくしい!」


 やっぱゲームみたいな世界のはじまりの家と言ったらこの豆腐ハウスなんだよね!

 オシャレ建築なんてエンドコンテンツなんですわ!


「うおー! 俺の冒険はこれからだぁー!」


 尚、ダンジョンマスターなので外に冒険に出る予定はない。


「え……なんでそんな真四角な建物で喜んでるの? シノミヤってもしかしてセンスない?」

「はっ! この素晴らしさがわからないとはコアちゃんもまだまだだね。この建築物はこれからの発展を意味する……そう、言うならば未来の象徴なのだよ」

「原始的の間違いじゃなくて?」

「……」


 それについては否定の言葉が出ない。まあ、いい。コアちゃんにはわからない話だったんだ。理解されなくてもいいさ。


「それよりコアちゃん。次は円の部分を同じ素材で囲んでくれない? 厚さは……試しに三メートルくらいで、高さは三十メートルくらい」

「ただの壁にそんなに素材とDPを使っちゃっていいの? ダンジョンの改築だってまだ手をつけてないのに」


 コアちゃんの心配はわかる。洞穴から五階層まで作ったダンジョンは粗だらけで、しかも五階層より上は長い階段が続くだけ。勿論改築は必要だ。だからこそ、しっかりと洞穴側から攻略して貰わなければならない。


「こっちの出入口は俺たち専用、侵入者に使わせるつもりはないからね。壁と家で出入口は塞ぐ。でも、壁は空からなら入れるから完全封鎖にはならない。ダンジョンのルール内だ。そして、この壁の内側——豆腐ハウスは将来的に城に作り変える。ダンジョン攻略後に辿り着く魔王城になるのさ!」

「魔王城!! そっか、シノミヤお城が欲しいって言ってたもんね!」

「ああ、俺とコアちゃんのお城だ! 城にはめちゃくちゃ強いモンスターを集めて守りを固めて難攻不落にする! そして俺とコアちゃんは玉座でふんぞり返る!」


 あえて言葉にはしないが、モンスター娘ハーレムだって諦めてはいない。美人メイドも山程揃える。俺の部屋だってあんなワンルームになんでもぶち込んだ部屋じゃなくて、ちゃんと棲家らしく風呂は風呂、寝室は寝室にしたい。でっかいベッドで美人メイドやシスターや小悪魔ちゃんに囲まれて寝るのだ!


「私たちの城、玉座……すごい! すごいよシノミヤ! 私たち……最初はあんなにちっちゃな洞穴で暮らしてたのに……いつ死んでもおかしくなかったのに、シノミヤは本当に夢を叶えちゃうんだね!」

「当たり前だろ? なんのために生きてると思ってるんだ。幸せになるためだろ」

「……うん、うん! そうだよね! 私たち、幸せになってもいいんだよね!」

「ああ、だからこれからもよろしく頼むよ相棒」

「うん! シノミヤ大好き!」

「がるる?」

「安心しろ、グレイスは魔王城の守護者第一号だ。お前もこれからは城住まいだぞ」


 今は豆腐ハウスだけど。

 フェルは……フェルは臭うしなんか距離感が怖いから……まあ、壁の外ならいいか。


「ま、そういう訳だからコアルームはまだ流石に移転は危ないから出来ないけど、コアちゃんも一度こっちにおいでよ」

「はーい!」


 返事と同時にキラキラと目の前に光るバレーボール大の球体が現れた。

 そうか、外も支配領域だから転移しようと思えばできるのか。


「えへへ、二人で空を見るのなんていつぶりかな?」

「そういえば久しぶりな気もする」

「ねえ、シノミヤ」

「ん? なに?」

「私の声に応えてくれてありがとう。これまでずっと、守ってくれてありがとう」


 ぴかぴかと点滅しているコアちゃんはなんだかいつもより儚げで、緊張しているようで面白い。


「それがダンジョンマスターの役目だからな」


 何を今さら緊張することがあるんだか。俺たちの関係は最初から何も変わっていない。

 俺のすべきことも変わっていない。

 ダンジョンを育ててコアちゃんと俺の命を守って贅沢すること。

 たったそれだけのことだ。



エピローグはあと二話あります。

現在の執筆状況ですが、(投稿分も含めて)30万字に到達してep.097です。ep.100が見えてきました。

つまり三月中の目標達成&三月の毎日投稿もほぼ確定です!

さて! みなさん! ここまで無料で読みましたね!

じゃあ、まだの人は⭐︎を投げてね! なんと今なら無料で⭐︎を投げられます!

無料だから! いつもタダでヤらせてあげてるんだから! ヤリ逃げは良くないよね! ↓↓↓↓↓

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