表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第二部開始】初心者マスターとポンコツコアの迷宮運営記 〜なんでもありの外道ダンジョンでも独立国家になれますか?〜  作者: 綴木春遥
第一部 ミストフォークと聖女の剣<上> 始マリノ歌 編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/77

005.モンスター大活躍?


「わんわん!」

「ふみゅう」


 翌朝、コボルドの肉球にゆさゆさされて目が覚める。


「おはようコボさん。起こしてくれてありがとう。みんなもおはよう」

「シノミヤおはよー」

「ゴブー」


 それぞれに挨拶をして洗面台で顔を洗う。ああ、狭苦しい!

 毎度のことながらイライラしていると、コボルドがつんつんと何かをアピールしてくる。


「どしたん?」

「わう」


 ついてこいと言われた気がして洞穴の外に出る。コボルドに案内されたのは、昨日コボルドに穴を掘って貰っていた場所。

 なんだなんだと穴の中を覗き込む。


「スラさん、何しとん?」


 穴の底にスライムが居た。そういえばさっき挨拶した時居なかったな。


「わんわん」

「……」


 コボルドが穴の中をよく見ろと訴えているので、穴の中でべとべとしているスライムをよく観察すると、半透明の水溜りの中で茶色の物が動いた気がする。土に色が似ているせいで気が付かなかった。


「もしかして、うさぎか?」

「……!」

「わふ!」


 スライムに穴から出てきてくれと頼むと、ずるずると不気味な動きで穴から這い上がってくる。スライムの体内でうさぎらしきものが暴れているのが余計に気持ち悪い。


「生きてるのか! やったなスラさん!」

「……! ……!!」


 俺の感動の声にスラさんが無言で体の一部を変形させてサムズアップ。

 溶鉱炉に沈んでいくアレみたい。というかなんでゴブリンと言いコミュニケーションがサムズアップ? まあ、言葉わからないし助かるけど。


「わふわふ、わんわん」

「ふむふむ、なるほどわからん」


 一生懸命状況を説明してくれるコボルドの言葉とか一切わかんないし。推測に過ぎないけれど、夜中に穴に落ちたか塒にでもしようとして穴に入ったところを捕まえてくれたのかな?


「それにしても生きて捕まえてくれてよかった。ダンジョンに吸収させたらDPになるかもしれない」


 昨日のニワトリがDPになったのだから、うさぎだってワンチャンある。

 そういう訳で洞穴の入り口でダラけているゴブリンを尻目にダンジョンに帰還。


「コアちゃーん」

「はーい! おかえり、あなたー」

「ちょっとこれ吸収してみてー」

「じゃあ先に殺して〜」


 コアちゃんのよくわからないボケはスルー、物騒な言葉が返ってきたがダンジョンの仕様上仕方がない。


「ゴブさん、ちょっとこの棒でやっちゃってくれる? スラさん、うさぎの頭だけ出せる?」

「……」

「ゴブ」


 スライムは相変わらず声が出せない無口系キャラだがうさぎの頭はしっかり出してくれた。うさぎの体はスライムの体内でもがいている。昨日のニワトリと違ってノーマルサイズなのでちょっと絵面が悪い。


「ゴブさん、早めに頼む」

「ゴブーッ!」


 ゴブリン、ダンジョンで強化された木の棒をスイカを割るように振り下ろす。


「ピギッ」

「…………」


 うさぎの悲痛な断末魔と同時、激しくスライムの体が飛び散る。

 頭だけ出してくれたんだから横にスイングでいいんだよゴブさんさぁ。スラさんまで倒してどうすんのよ。


「じゃあ、うさぎとスライムの死体吸収するねー」

「……! ……!!」


 コアちゃんの言葉に飛び散っていたスライムの破片が慌ててプルプル震え出して抗議する。核は生きていたらしい。というか、死んでても吸収したところでDPにならないんだから吸収しないからそんなに焦らなくてもいいのに。


「……」


 考えていたことが見透かされたのか、スライムからの視線が若干じっとりしている気がする。目はないけど。


「DP入った?」

「うん。ゴブリンの足一本分くらい」

「なるほど?」


 じゃあ、ゴブリンはうさぎ五、六匹分くらいのDPなのかな?

 だとしたら、ゴブリンとコボルドにはうさぎ探しをして貰ってもいいかもしれない。

 ニワトリと違ってノーマルサイズのうさぎなら最弱モンスターでも負けはしないだろう。

 そうなるとダンジョン防衛戦力がスライムと俺だけになるが……昨日のスタート時点よりはマシか。


「よし、じゃあ今日はとりあえず昼まではゴブさんとコボさんでうさぎやリスみたいな小動物を探してみてくれ。スラさんは俺の手伝いよろしく」


 そう、この世界に目覚めた時からリスや小鳥のような存在の気配は感じていたのだ。なんなら別に小さくて弱い……勝てる相手なら蛇とかだっていい。森にいる勝てそうな獲物の捕獲を指示する。


「わんっ!」

「ゲッ、ゴブ」


 コボルドは尻尾を振って嬉しそうに、ゴブリンはやっぱりなんか不服そうに、けれどちゃんと命令通りに棒を持って森に向かってくれる。


「シノミヤー私はー?」

「コアちゃんは奥の安全なところでいい感じにしといてー」

「わかったぁ」


 コアちゃんはふよふよとダンジョンの最奥へ戻っていく。


「じゃあ、スラさんと俺は穴掘りと壁作りをしようか」

「……」


 そういう訳で、午前中の仕事の割り振りが決まり、俺は素手で穴を掘り、スライムはそれをダンジョンに運ぶ。この時にスライムに取り込まれた土は体内でべとべと塗れになったおかげか、ちょっと粘度を増すので、ダンジョン入り口に積み上げた土は自然には崩れない程度の強度になっているのがありがたい。

 とはいえ、力を入れて蹴ったりしたら簡単に壊せるような強度なのであくまでも防壁ではなく、身を潜める用にしか使えないけど。


 穴は今回のうさぎなどを捕まえる落とし穴に使えることがわかったので、場所を変えながら土を集めていく。あとで、昨日ゴブリンに集めて貰った草や葉っぱと枝で蓋をしよう。夜のうちに獲物がかかればよし。

 ダンジョンマスターなのにダンジョンではなくダンジョンの外に罠を作っているのはどうなのかと思わないこともないが、ダンジョン内の床や壁はDPを使わないと構造を変更できないので、今はそのDPを貯める手段を増やさないと。


 そうして俺と最弱モンスター三匹での午前中の地味な作業の結果、俺は泥まみれになりながら落とし穴を五つ作り、コボルドとゴブリンはうさぎを一匹とトカゲみたいな生き物を三匹、少し大きめのネズミを五匹捕まえてきてくれたのでダンジョンで処理して吸収させた。


 尚、コアちゃんはその間ダンジョンの最奥でチルいミュージックを流してくれていた。

 聞いたことない音色の楽器や曲調だけど、大事だよね、BGM。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ