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【第二部開始】初心者マスターとポンコツコアの迷宮運営記 〜なんでもありの外道ダンジョンでも独立国家になれますか?〜  作者: 綴木春遥
第一部 ミストフォークと聖女の剣<上> 始マリノ歌 編

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016.第一階層迷宮化計画


 計画外のことがあったが、第一階層の拡張に取り掛かる。


「あうあうあー」


 呻いているのはグレイス。凶暴化モードが解けると急にダウナー系になるらしい。口をだらんとあけたままトボトボと俺の後をついてまわる。

 グレイスに着いては、落ち着くまで暫く時間が必要だった。引き剥がそうにも脚に齧り付いて離れてくれず、力負けするので振り解けない。満足するまで齧られていたので中々ズボンが履けず迷惑だった。業を贖えと言うのならせめて取り立て方はもっと変えてくれ。こんなソフトに粘着されるとは聞いてない。


「グレイスが鎮静化している間に作業を始めよう。コアちゃん、改築中のフロアをモニターに映せる?」

「もちろんリアルタイムで映せるよー」


 コアちゃんって普段は人間味のあるボールなんだけどたまに画面と本体一体型パソコンみたいになるときがある。今は中間くらい?


「改めてみると本当にただの洞穴だなぁ」


 初日に歩幅で計測した感じが、幅三メートル、奥行き五メートルほどの洞穴である。今は部屋を分けてある関係で余計に狭く感じる。


「とりあえず、入口から仕掛け扉までの空間はそのまま出入口用の廊下にしよう。仕掛け扉側を奥に広げていく感じで、四角く徐々に大きくしてみて」

「うけたまわりっ!」


 今はモニターになっているコアちゃんから元気のいい返事。

 球の形をしたモニターから一階層目が拡張されていくのを、残りDPを確認しながら観察する。

 まずは迷宮……つまり、迷路化するための土台作りなのでDP消費は広さによって変動していく。手持ちの予算内に収めるために地味だがしっかり確認しながらやらなければならない。


「コアちゃん、一旦ストップ」

「ほい! どったの? 残りDPが気になる?」

「いや、右側の方に長く伸びて変な形になりそうだから気になる。きっちりじゃなくていいから正方形にならない?」

「うわー、一番苦手なやつ! こっちは感覚でやってるんだから難しいんだよぅ!」


 なんでこんな大事なところがコアの感覚でやることになってるんだよ。

 ダンジョンの仕様には統一規格とかないのか?


「頑張るけど、角が一つ増えるくらいはごめんね?」

「それくらいは……やっぱダメだよ。角が増えると迷路作るのが難しくなるし面積が増える。正方形は忘れていいから四角く頼む」

「これ以上のワガママは許しませんからね!」


 若干拗ねた様子のコアちゃんをなんとか宥めながらちょっと左右で長さの違う四角い広間が出来上がったので、入口と隠し部屋の方を位置調整して中央で一本線になるように結ぶ。


「じゃあ、さきにこの第二階層と階段を隠し部屋に繋げようか」

「それならドラッグ&ドロップですぐできるよ」


 どういう仕組みで改装してるんだろう。ドラッグ&ドロップできるならマス目とかありそうなものだけど……広間作りはフリーハンド感あったしなぁ。ダンジョン、不思議。


「あうー」

「とりあえず、形だけは予定通り完成かな。お疲れ様、コアちゃん」

「完成なんてまだまだよー! これから迷路作るんでしょ! 迷路! どんな迷路にする?」

「ぶっちゃけ罠のことは考えてあるんだけど、迷路のこと考えてなかったんだよね。俺あんまり迷路づくりとかして遊ばなかったし。コアちゃんの方でいい感じに作れない?」


 完全に考えなかった訳でもないが、紙もペンもないので頭の中で迷路を作ろうにも、途中で記憶が曖昧になる。普通に無理だった。


「え!? 好きに作っていいの!?」

「迷路用の壁だけね。行き止まりとか、気づいたら同じところぐるぐるしちゃう系ので。俺は罠の方で考えがあるから地面とか天井は弄らずに、通路の壁だけお願い」

「ふぉー! ダンジョンの迷路づくり! 遂に私も人間を苦しめるために打って出る時がきたのじゃー!」

「あうあ……グルァ?」


 別にコアちゃんが打って出ることは一生ないが、コアちゃんの台詞に思うところがあったのか、グレイスが腕に噛みついてきた。こいつはどうにも俺が憎くて憎くてしょうがないらしい。

 仕方がないので、葉巻を咥えてイグナイト。


「がう……」


 葉っぱの煙がトラウマなのか、グールという存在が煙を嫌うのかわからないが、俺が葉巻を吸うとグレイスはゴミを見る目で距離を取る。

 グレイスが噛むから仕方なく吸っているのにこの仕打ち。俺が依存症になったらあなたのせいなんですけど?


「迷路っ! かーんせーぃ!」

「どれどれ……おお、いい感じに普通の迷路だ」


 コアちゃんモニターで見渡すと、広間がしっかりとした迷路になっていた。流石に上から俯瞰して見るとすぐに正解の道はわかってしまうが、侵入者はそんなことはできないから問題ないだろう。


「よし、次は下に降りて実際に歩きながら罠を作っていこう」

「おっけーい」

「がうがう」


 実はダンジョン内は俺やコアちゃんは勿論、モンスターズも一定の条件下で転移が可能だ。

 これまでは狭すぎて転移を使ってこなかったけれど、これからはモンスターの遠征や守備配置で転移を多用することになるだろう。負担はDPではなく俺のカオス。よくわからんけど多分魔力的なものだ。


 今回はただ階段を降りるだけなのでそのまま下に移動して、三人? で迷路を歩く。コアちゃんモニター無しで歩いたので、何度も行き止まりに当たって戻ってを繰り返した。そこそこいい出来なんじゃないだろうか?


「罠なしの状態で入口側の廊下まで二時間くらいか?」

「正確には一時間と四八分だね!」


 それはすごいな、今までコアルームまで入口徒歩十秒未満だったのに。それが約二時間。広さって偉大だわ。


「よーし、じゃあここからは嫌がらせ罠を作っていくぞー」

「おー!」

「あうー」


 ということで、計画通りに一つ目の罠……というか、嫌がらせゾーン。


「天井からハーフ壁、五十センチメートル空けて床からハーフ壁。これを連続で二十枚」

「それ知ってる! 前に一回作ったやつだ!」

「正解!」


 侵入者はパッと見では通路の奥の目線が完全に切れていて先が見えない。しかも、地味に少し面倒なだけで乗り越えられる高さの壁、腰を屈めるか這いつくばれば通れる天井からの壁。それの繰り返し。足腰に来る。武装も難しいだろう。

 一番最初に上下ジグザグ壁地獄にしたのは巨大生物の襲撃(レイド)対策。

 あとは冒険者の体力と気力を削ぐため。


「あ、最後の壁は上壁にして少し長めにしてね。腰の高さより下、四つん這いか匍匐しないと抜けられないように」

「最後の一枚だけでいいの?」

「うん。そこにモンスターを配置して殴らせるから」

「おー、第一防衛ライン!」

「あう?」


 グレイスが自分の顔を指差しながら首を傾ける。ユニークモンスターの出番がここな訳ないでしょ。きみは隠し部屋で待機だよ。


「ここの上下ジグザグゾーンは将来的には矢とか落とし穴とかも追加しようと思うけど、今回は次に行こう」

「はーい」

「グル」


 そうして暫く三人? 迷路内をうろうろしていくつかの罠を仕掛けた。数自体は少ないけれど、これまでモンスターたちが集めてくれた素材のおかげでDPを節約して、計画した最低限の守りはできたと思う。


 あとは、いつ冒険者がやってくるか、それとも別の誰かに見つかるか次第。

 できれば最初は、盗賊の塒に襲いかかるような武力派じゃない冒険者か一般人に見つけて欲しい。


 残りのDPもほぼ使い切ったし、内部のことはとりあえずここまで。

 あとはまた、明日モンスターズが復帰したら戦力の配置とか遠征部隊についても考えないとな……


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― 新着の感想 ―
DPがわかんなーいとか言うくせに時間は細かいやんw
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