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【第二部開始】初心者マスターとポンコツコアの迷宮運営記 〜なんでもありの外道ダンジョンでも独立国家になれますか?〜  作者: 綴木春遥
第一部 ミストフォークと聖女の剣<上> 始マリノ歌 編

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000.爆誕!新生ダンジョン!!

2026年1月中に10万字目標≪達成≫

2月中に20万字目標≪達成≫

3月中に30万字目標≪達成≫ New!

現在は4月中に40万字目指して毎日21時に定時更新中。







 静かな森の奥、針葉樹が風に揺れて音を奏で、小鳥やリスたちの鳴き声が唄を乗せる。遠くでは犬か狐が遠吠えて、群れた鹿か何かの動物たちが草を揺らして蹄で土を叩く音がする。


 風流。


「風流だねー」


 俺の心を読んだかのように肯定するのは光るバレーボール大の白い球。電球みたいに少し透き通った球。


「コアちゃん、ここ野生動物多くない? 熊とかいないよね?」

「コアもシノミヤと一緒に産まれたんだからわかんないよ」

「そうかー」


 コアちゃん——自称ダンジョンコアと名乗るバレーボールにシノミヤと呼ばれたのが俺。

 日本で新卒社会人一年目をなんとか乗り切って年末休みを迎えたところで急に魂だけ引っこ抜かれてきたらしい(コアちゃん談)。


 コアちゃんがダンジョンコアとして産まれるときにダンジョンマスターとして気が合いそうな魂引っ掴んで連れてきたって言われたときは痺れたね。意味わかんなくて。

 尚、地球の俺は魂抜けて体だけ生きてる状況かもしれないとのこと。なぜ曖昧かと言うと、コアちゃんには地球に干渉する力は無いから。


 唯一、よその世界に干渉できるタイミングで偶々この球に選ばれただけだからどうしようもないらしい。

 どうしようもないと言われたら、こちらとてどうしようもないのである。


「でも熊とかいたらやばくない? ここ森の中の洞穴だよ、巣にピッタリすぎて狙われない?」

「狙われるのから守るのがダンジョンマスターの役目でしょ」

「でもさぁ、ここただの洞穴じゃん」


 横幅三メートル、奥行き五メートル程の穴である。ダンジョンを名乗るには烏滸がましいにも程がある。


「それはあれでしょ、シノミヤがマスターの力で改築して強くしていくの」

「俺の体みたいに?」

「うん」


 俺の魂がコアちゃんにこの異世界に連れて来られたという話はさっきしたところだが、ならば今の俺の体はどうなっているかと言うと……コアちゃんがダンジョンコアの権能で創り出した、こっちの世界基準でちょっといいスペックの体に魂が移植されているらしい。


 とはいえ、鏡がないのでどんな顔になっているのかはわからないのでコアちゃんに尋ねてみたところ、黒髪と黒目で落ち着いた良い感じと言われた。つまり、顔については全くわからないということだ。

 体に関して言えば、立ち上がってみれば少し目線が高い気はするし、肉付きもいい気がする。

 あと、一回ダンジョン(洞穴)から出てパンツの中を覗いてみたらちょっと大きくなってたことには感謝した。


 それはともあれ。


「ダンジョン強化ってどうやるの?」

「シノミヤがこういうことがしたいなーって伝えてくれたら、私がDP(ダンジョンポイント)使って実行するみたい」

「ふーん、そこはよくあるポイントシステムなのね」


 ちなみに、ダンジョンコアのコアちゃんは生まれたてのせいか知識が浅い。経験に及んではゼロである。

 まだ自分に何ができるかよくわかっていない赤ちゃん状態なのはこれまでの数時間の会話のやり取りで察した。


「じゃあたとえば、もっとダンジョンを広くしたいとかなったらDPはどのくらいかかる?」

「いっぱいかなぁ」

「いっぱいかー、今あるので足りそ?」

「今DP全然ないよ」

「そっか……はい!? 今なんておっしゃいました!?」


 俺たちがこの洞穴にダンジョンコアとダンジョンマスターとして産まれて数時間。現状確認のために会話とコミュニケーションを取っていただけでモンスターも召喚していなければ、ダンジョンに罠も仕掛けていない。


 それなのにDPがない!? じゃあどうやってこのダンジョン……とすらも呼べない洞穴でコアちゃんと俺を守ればいいの!?


「遠くの世界からシノミヤ呼ぶのと、シノミヤの新しい体創るのにDPほとんど使っちゃったみたい。私は役立たず。守って、ダンジョンマスター」

「なんでそんなことにDP使っちゃったのよ! 俺なんかただの日本人だよ! 戦う力なんてない役立たずだよ! もっといいモンスターをマスターにできたでしょ!」


 この世界と地球にどのくらいの距離があるのか知らないが、なんで会ったこともない相手の魂のためにそんなことをしたのか不思議でならない。


「だって……これからずっと一緒に暮らしていく人とノリが合わなかったらつらいと思ったんだもん」

「ノリ重視採用! まさかの内面重視! 嬉しいのか複雑!」


 そもそも選ばれるときにどういう方法だったのかわからないので何をどうみられていたのかわからないのが怖い! けど、言ってることはわかっちゃう!


「まあ、確かに俺も、コアちゃんと話してみてなんか喋りやすいなーとかは思ってたよ? でもだからって……」

「そうやってチョロくて優しいとこ好き」

「光るバレーボールに褒められてもなぁ」


 しゃーない、こんな狭っ苦しい洞穴さっさと開拓して立派なダンジョンにしてやるか。


「DPって貯まったら立派な部屋とか城とか作れたりする?」

「するよ、土地も広げられる」

「お風呂付きの豪邸立ててモンスターメイド侍らせて王様ごっこできる?」

「DPがあればなんでもできる!」


 コアちゃんがそう言うならきっと本当にできるんだろう。

 ならばせっかくの異世界人生、死なないためにも生きてくためにもデカい目標立てていきますか。


「コアちゃん、このダンジョンをでっかくして誰にも襲われないくらい強いモンスターでいっぱいにして俺たちの楽園を作ろう!」

「おー!」


 ピカピカと光るバレーボール、もといダンジョンコアのコアちゃんと俺の目標が決まった。


 そうとくれば、次はダンジョンポイントを稼がないとね!

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