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クリスマス

風邪引いたりなんだりしておくれた。

クリスマス


「雪…」

「どうしたソリット、浮かない顔して」

僕は今オリーブと2人でいる。ルピナスはネーキと一緒に友達と遊びに行ってるって聞いた。アップルも友達とお茶会してるらしい。

「雪にはあんまりいい思い出ないから…」

「それでか…そうだな。あっちの世界の人たちと一緒にクリスマスパーティーでもしてきたらどうだ?」

「オリーブ達はいいの?」

「ああ、リーダーも休んでほしいし。目一杯楽しんで来な」

「ありがと、オリーブ」

「じゃあ買い出しに行くか」

「うん」





僕たちはお店が並んでる大通りに出た。

「おっ?珍しい」

「野生のプロテアが現れた」

「ゲームの世界じゃねんだぞ…」

今出会った人はプロテア、結構強い。

「なんか雑な説明された気がするがいいか」

「「…!」」

その時全員に緊張が走った。

[テレパシー]

(ソリット、オリーブ。わかるな)

(うん、何かに狙われてる)

僕たちは敵に悟られないように平静を保つ。なかなかの急展開だ。

(せっかくソリットにクリスマスパーティーを楽しんでもらおうと思ったのに)

(そんなこと計画してたのか)

その時何かの結界が貼られたような感覚を感じた。

すかさずプロテアが調べる。

(ソリット、鑑定できるか?この結界セキュリティに多くの魔力を割いている)

(だとしてもプロテアでもダメか)

結構手強そうだな。

(鑑定できたよ。訓練用の結界っぽいね。負傷しても即座に回復するようになってる。けど、通行人は対象外。最終手段の住民を巻き込んで攻撃はダメっぽい)

(ソリットが本気を出して一気に行くか?)

(ダメ。野生味が強い魔物だと、強大な力を前に興奮して襲いかかってくる可能性がある。限界まではあげるけど…)

(相手かなり強いぞ…普通の結界に見えてこちらの習性をよく理解し、様子を見る。さらにはチャンスがあれば俺らを倒してしまおうと言う算段か…)

(ソリット何か打開する案はあるか?)

(…相手を退かせて、住民も守る方法はある。ただ相手に情報を与えることになるけど)

(いや結構リスクあるなそれ…)

(だが時間もそんなにないしそれしかないか…任せたぞ)

僕は深呼吸をし、用意をする。

[ディストリア]

(うお!)

(どうだ?)

「上手く行ったけど逃げられた」

「まじか…って言うかお前それ、めちゃくちゃ強いんじゃねえのか?」

「多分僕が知ってる技の中で一番強いと思う」

「ソリットが太鼓判押すのか…相当だな」

「まあお前らはその感じ、買い出しだろ。行ってこいよ。こっちは俺の方で何とかするから」

「ありがと」

「じゃ、行くか」



ーーー???視点ーーー



ソリット、厄介な存在だ。リスクはほぼないと思っていたが…少しテレポートが遅れていれば逆に狙っているこちら側が死んでいたな。だが、怯んでる場合ではない。早めにソリットを殺さなければ…あいつは襲ってくるものには容赦しないが、友好的にしてくるものには普通に接すると言う。そうなると我の最悪のシナリオになりそうだな。考えても仕方ない。我こそが魔王になる、いや…ならなければいけないのだ!






「よし、買い出し終了」

「じゃあ、準備して行ってこい。楽しめよ」

「うん、行ってくるね」

そうして僕は買ったものを持って世界を渡った。





「お、ソリットじゃん。どうしたの?こんな寒い日に」

「あれ?ヴェルカは?」

「ヴェルカはドラゴンの親族に会いに行ってるよ」

「ある意味価値観が合ってる」

「どう言うこと?」

「こっちの話」

「あ、」

そう聞こえ、声の方向に目を向けた。

「あ、すいせい…」

「ソリットくん、どうしたの?」

「今日、クリスマスパーティーでもしようかなって」

「今日って12月25日だっけ?」

「まあわかんないけどいいかなって」

「へー、何か飾り付けとかした方がいい?」

「そこまでこだわらなくていいかな」

そう言った時少しすいせいの目が暗くなった。

「じゃあ何か買い出しとか…」

「もう行ってきたけど…」

「ふーん…なるほどね〜」

すいせいはまだ何か言いたそうな顔をしている。

「すいせいちゃん、諦めても…」

「あ、でも料理は多いからすいせい手伝って」

そう言った時すいせいの目に光が戻った。

「やった」

静かに喜んでる。よかった。

「よかったねすいせいちゃん」

「いや…ソリットくんを手伝いたいと思って」

「じゃ、すいせいちゃんをよろしく」

「はーい」






「エプロン似合ってる」

「エプロン似合ってる」

「「あ!」」

何と言うか、ちょっと恥ずかしい。

「あぁっと、ソリットくん。メニューは?」

「えっと、一旦揚げ物の用意をしよっか」

「わかった」

ジャガイモを細く切り水にさらしておく。

「ジャガイモこんな感じでいい?」

「そう、じゃあ鶏肉の味付けとかお願いできる?」

「がんばる!」

僕はその間にシチューの野菜を切っておく。

「〜♪」

すいせい上機嫌だな。

「こんな感じでいいかな?」

「うん、いいよ」

次は…

(ソリットくん、眠そう)

「シチューお願いできる?」

「…わかった」

そして僕の方は揚げ物に入る。

水分をとったポテトを片栗粉につけた。

「これ揚げるの?」

「そう」

「気をつけてね」

「わかった」

ジュー ジュー

「油が踊る音!私揚げ物久しぶりかも?」

「僕はたまに作るけどね」

「そういえばこの世界の油って高くなかった?」

「そこら辺は…またいつか教えてあげる」

「あ、そう?濁されちゃったな…」

「まあ別にやましいものでもないんだけど、今説明するとどんどんやること増えるからまた後ね」

「はーい」

「じゃあ多分そろそろお湯沸騰してくるから沸騰したら火を止めてルーを入れて。僕は手羽先を揚げてるから」

「了解」

えっと、肉はどこ置いたっけ…

「ふあぁぁ…」

「変わる?」

「え?」

「いややっぱりソリットくん眠そうだから、火傷とかしそうで…」

「できる?」

「うん!」

すいせいは僕の目をしっかり見て頷いた。その目は雲ひとつない空のような目。

「…じゃあよろしく」

「がんばるね」

と言うわけですいせいと役割を交換し僕はルーを入れていく。

うん、このぐらいかな。

僕は火を止めルーを入れていく。そして弱火にし、煮込んでいく。

ジュー ジュー

グツグツグツ

その間にサラダ作らないと。

サニーレタスを一口サイズに切ってモッツァレラチーズ、トマト、ソースと絡める。

「できた」

「できた?じゃあソリット君は休憩してて」

その時僕は見えてしまった。

「あ、ちょっと火力強い…」

パチ!

「アツ!」

すいせいが油ハネの攻撃を受けた。

「ひー、熱いよ…」

すいせいがあたふたしてる間に、フライドチキンを救出。

「すいせい、手。貸して?」

「え?これでいい?」

すいせいは手を出してくれた。やっぱりちょっと赤くなってる。すいせいの手を僕の手で優しく包む。

「あ、ありがと」

氷魔法で冷やしながら、回復魔法で治療する。

「大丈夫?」

「うん…」

そろそろ治ったかな。

「これでよし」

「ありがとう」

「じゃあ最後にケーキを作ろう」

「はーい」

僕が材料を出してる時にすいせいに1つの疑問が浮かんだ。

「ねえソリットくん、料理冷めちゃわない?」

「大丈夫、保存効果のある魔法をかけてあるから」

「なら大丈夫かな…?」

「スポンジとクリームはできてるし、いちごもあるから…」

トントントントン シュ! チャ チャ

タタタタタタタ チャチャ サ!

スー スー

「ちょっと待って」

「何?」

「私いる?もう飾り付けだけになっちゃったけど…」

「すいせいにはその飾り付けしてもらおうと思って」

「本当に?」

「うん」

「やった」

「はい、ホイップクリームとイチゴ」

「自由にやっていいの?」

「いいよ好きなように」

「〜♪」

クリームの小さな山で外壁を作って、イチゴを均等に乗せている。

「こんな感じかな」

「いいね、シンプル」

「じゃあみんな呼ぶ?」

「うん、呼ぼうか」







みんなを呼んできた。

「お!すごい!」

「これ、ソリットお兄ちゃんとすいせいお姉ちゃんが作ったの?」

メナーがそう聞く。

「うん、そうだよ」

「2人で作ったの?」

次はゼールが聞く。

「そうだけど…」

「一緒にいて楽しかった?」

「まあ…」

「楽しかったけど…」

2人が詰め寄ってくる。

「ピーウお姉ちゃん!こんな人たちのことをラブラブって言うんだっけ?」

「ふっw…まあ…そうね」

そう言われた時反射ですいせいの方を見てしまった。

「「あ…」」

完全に目が合ってしまった。

「ピーウ…ダメとは言わないけど何てこと教えてるの?」

「まあ、その…」

「…」

「…」

何と言うか全身が熱い…

「はいはい、2人をいじめるのはそのぐらいしにして食べるよ」

「ああ…うん。召し上がれ」

「「いただきまーす!」」

「ん!この鶏肉美味しい!」

「ふぅ…」

少し安心した。

「安心した?」

「…バレた」

「こう言うのってルナお姉ちゃん強いよね」

「強いとは…」

「とにかく強いの」

まあずっと恥ずかしがっていても仕方ないので料理を口に運ぶ。

「うん、いいね」

「美味しい!さすがソリットくん」

「やっぱり…」

「…し」

ゼールが何か言おうとしたのをクルスが止めた。

「2人とも、時間があったら料理教えてください。参考にしたい」

「…いいよ」

「私はソリットくんに教えてもらってる側だからな…」

「一緒に教えてあげる」

「やった、ありがと」

そうしてしばらく食事を楽しんだ。






「はいケーキ」

「何これ!」

「美味しそう」

「人間の料理技術はすごいわね」

「しまったな…みんなにケーキ食べさせたことないかも」

「何人いるんだろう」

すいせい、ルナ、メナー、ゼール、クルス、ピーウ。

1、2、3…

6か…特に難しくないかな。

「いやダメだよ?」

「え?」

「流石に料理人なしは気が引ける」

何を感じ取ったんだ?

「…でも7は難しいし」

「じゃあ私の半分あげる」

すいせいがみんなに言った。

「…いいの?」

「う、うん!大丈夫!」

「返答が違う気がするけどじゃあそう言うことで」

「じゃあ遠慮なくもらいますね」

「食べていい?」

「いいよ、各自食べて」

「すごいじゃん!2人とも!」

「ありがと」

「美味しい!」

「すいせい、先食べて?」

「あ、うん」

「みんな…これ邪魔しちゃダメだよ」

「はい」

「わかった」

「えっと、ソリット君も食べる?」

「…あぁ、うん」

「こうした方がいい?」

その時、すいせいがケーキが乗ったスプーンを僕の口の前に出してきた。

「…あむ」

「美味しい?」

「…うん」

その時何かすいせいが考えていた。

僕は何かを感じ取って、スプーンにケーキを取った。

「こうした方がいい?」

「うん……あむ」

「何と言うか…2人とも、甘酸っぱいね」

「…!な、何が?」

「いや、こっちの話」

「なんか無言になっちゃったよ」

「みんなも食べてよ。スプーンが止まってるよ?」

「ああ…ごめん」

その後、みんな美味しそうに食べてくれた。料理人としてはありがたい。






その後、お風呂に入った後、各々部屋に入って行った。

そして僕とすいせいはベットに入っている。

「ソリットくん、サンタくるかな」

「いい子にしてれば来るよ」

「別に幼稚園児じゃないんだから」

「あんまり夜遅くもあれだから寝よっか」

「引っ張られてるけど…私の方が年上なんだよなー」

「おやすみ」

「おやすみ」

「…」

「…」

「私の腕落ち着く?」

「うん、落ち着く」





「…んぁ」

「…んん」

「あれ?」

「プレゼント?」






「ママ!この箱何?」

「私の部屋にもあったよ!」

「私の部屋にもあったんだよな…ソリット、おいた?」

「いや、置いてないよ。多分サンタさんがくれたんだよ」

「サンタさん?」

「いい子してるとプレゼントがもらえるんだよ」

「じゃあありがたくもらおうかな」

「私、マフラーもらった!」

「私も…」

「私は本」

その後しばらくプレゼントを楽しんだ。






「ちょっと次の場面切り替わるの激しくない?」

「ちょっと激しい」

「で、帰るの?」

「流石にね」

「じゃ、バイバイ」

「バイバイ」


「え、待って今のボケ回収しないの…」






「あ、ソリット」

「何?帰ってきたのに意外にあっさりしてるね」

「楽しめたか?」

「うん。プレゼントももらえた」

「ねえソリット」

「何、アップル」

「私たちこの歳になってもプレゼントもらえるんだね」

オリーブ(21)

アップル(20)

ルピナス(23)

「サンタさんって寛容だね」

「w…」



はい、鼻笑いオチです。

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