らんどの半年後
拙著『5カ月経過後のらんど』の続編であり年末から3ケ月程度前を回想しながら話は展開する。
有期雇用従業員のらんどは熟年で動作はどちらかというと緩慢だと見られがちなものの、今勤める製紙工場では大過なく仕事をしている。
福祉就労にみられがちな複数人でチームワークをもって作業をしていくのとは少し異なっている境遇に今ある。
一般企業で交わされる企業会話を聞き取捨選択しながら、障害就労枠である自己の仕事に落とし込めるものを提案していく立ち位置である。
少し別の話としてらんどは6.5時間の仕事が任されているなか仕事量が少なくこのことが係長たちにとっても懸念している。
一方、日曜訓練として簿記を学んでいる理由も一つではなく複数であるが、やるかやらないかは別として事務仕事を理解する窓口に簿記もあると考えたのは確かであった。
来週水曜日には本社の人事の方とNPO法人の障がい者就労担当の二人が会社に来る予定である。
来社のいきさつは最低賃金改定に伴い書類記載内容更新及び新たな仕事を障がい者に任せられるかの判断をNPO法人から頂くためである。
らんどは俎板の鯉の心境だが会社の役に立って給料をもらい生活していくことをファーストプライオリティとしている。
現在進行形の物語であるため現今の時世にも作風は左右されるかもしれない。ただし作品を重ねていけば『らしい』作風へと落ち着くものと思われる。