星霊兵装2
「それじゃあ、シラユキ?この腕輪に星霊石を嵌め込んで欲しいんだけど」
「しょうがありませんねぇ〜…はい、これでいいんでしょ」
アオイの言葉に対して、面倒くさそうにそう言ってシラユキが自身の星霊石を薄い腕輪に嵌めると、白いラインが腕輪に入る。どうやら成功したようだ。
「次は…ユキカゼ、その腕輪を着けて」
「ん…着けた」
「よし…最後に、【星霊兵装】って唱えて」
「ん、せいれいへーそう?…うにゅっ!?」
ユキカゼの言葉に反応して、腕輪に仕込まれていたアイテムボックスの機能から武器と防具が出現する。機械チックな斧の形状をした武器と、同じく機械チックな脚装備、胸部分のみを守るような形状のチェストプレートと手には手甲が装備され、猫耳には耳飾りとような加工された金属がつけられており、防具がない部分は内部のインナーが隠している。
「カッコいい、それでいてかわいい…最高です」
「…でしょ?」
「はい、良い仕事をしましたね…貴方への好感度を少し上げておきますね」
基本的に星霊は女性型が多く、女好きで男嫌いなのが知られている。なので、並大抵の事では好感度は上がらないのだが…アオイの下心ない対応と、シラユキとの趣味趣向が近しい為仲良くなった?と言える、極めて特殊な事例だ。
「おぉ…この斧軽い♪」
「いや、今のユキカゼはシラユキを兵装として纏って身体強化が施されてるようなものだから軽く感じるけど、他の人だと持ち上がらないよ」
「にゅう…えいっ」
ユキカゼが手に持つ純白の斧を、針葉樹の大木に向けて振るうと、いとも簡単に切断されてズドォンッと大きな音を立てて倒れる。
「凄い…」
…この後、音を聞いて何らかの魔物がやったのではないかと、慌ててこちらに来たお義父さん達に事情を説明しなければいけなくなった…