どうしたんだろう?
更新です!
優海ちゃんにキスしようとした時、風香ちゃんの顔がよぎった。つまり僕はまだ風香ちゃんのことが諦めきれてないようだ。そんな未練がましい気持ちを持っている自分の不甲斐なさに嫌気がさした。
日曜日になっても優海ちゃんは僕の家に訪れることはなかったし連絡もなかった。
(嫌われちゃったかな……)
そう思いながらこの休みの間、僕は色々優海ちゃんとの交際について考えてみた。そして一つの結論に達した。
(一度風香ちゃんの気持ちを確かめよう)
改めて考えると別れてから彼女とあまり話してなかったし、僕に対しての気持ちをちゃんと聞いてなかった。それに別れてからの彼女の謎めいた行動が気になる。本当のところ僕のことどう思っているのだろうか。それと優海ちゃんの今の気持ちも……。
そして月曜日、朝からまだ頬の痛みを感じつつ気合いを入れて登校しクラスに着いてちらっと風香ちゃんを見たが、いつもの感じがした。
(やっぱり風香ちゃんには話してないのかな?)
そして授業が始まったが先生の話しより風香ちゃんが気になって、あまり頭に入ってこなかった。
「どうした小野原? やけに顔が赤いぞ? まだ頬が痛むのか?」
同じクラスの友達の福井が昼休みご飯を一緒に食べながら眉をひそめて訊いてきた。
「ん? それは気合いを入れているんだっ」
「なんで?」
「それはー、色々と気持ちの整理をするためだっ」
「ふーん。まぁ、頑張れ」
「おう」
ご飯を食べ終わり僕は風香ちゃんを眺めながら作戦を練っていると、
「何一人踏ん張っているんですか?」
近くから声が聞こえたので見ると、小石川がニコッとしながら中座していた。
「お、小石川!」
「しっ。甲斐先輩に見つかりますっ!」
「……」
確かに風香ちゃんはこっちを見ていない。小石川が来ていることに気づいてないみたいだ。なるほど、彼女にバレないようにここに来たのか。
「で、何の用だ?」
「帰り一緒に帰りませんか?」
「なんで?」
「は? こんな可愛い女子が誘ってあ……いるのに、断るんですか?」
明らかに怪訝そうな顔だった。こっちは考え事しているっちゅーのに! あ、もうっ。
「いやいや、そこまで深い関係でもないのに一緒に帰るのは妙だなあと思って」
「へぇ。そんなこと言うんですか、そうですか」
彼女はすっとスマホを取り出す。あ、こいつっ!
「わっ待て待てっ。分かったとりあえず落ち着けっ! まずは話をしようじゃないかっ」
「いいえ。断る権利は貴方にないはずですっ!」
そう彼女は声を低めながら強い口調で言う。よし、こいつとも決着をつけるかっ。
「よし、分かった。一緒に帰ろう」
彼女はニヤリと笑い、
「では18:45ごろに校門前で」
そう言って彼女は立ち去った。そして優海ちゃんに一緒に帰れない由の内容を送信した。
そして放課後。様子見のため部活を休んでいる間、暇なので図書館に行って本を読む。何回かスマホを確認したが、未読の状態で優海ちゃんからの連絡はない。
「どうしたんだろう……」
彼女は比較的返信が早いのでやはり嫌われてしまったかと思ったが、いくら嫌いになったとしてもまだ付き合っているんだから返信ぐらいはして欲しいと不満にも思った。
そして18:45頃に校門前で一人待っていると夕日はほとんど沈みかけて、空は紅く染まっていた。
「小野原せんぱ~い」
小石川が来た。さてこいつが持っている写真をどうするかだな。
「待ちましたか?」
「うん、待っ……てない」
「今、待ってたって言いかけませんでしたか?」
「いや、言ってない」
「……そうですか。では帰りましょう」
そう言って彼女と帰ろうとしたが、いきなり僕の帰り道と反対側だった。
「帰り道、反対側なんだけど」
「……こっち側に来て下さい。私を一人で帰らすつもりですか?」
僕はため息をして、
「はいはい」
と答えた。最初はどうなるかと思ったが話してみると意外と彼女と話が噛み合った。
「お、今週の『山田の刃』見たのか!?」
「勿論です。女子に人気ですから」
「僕も見たが、やはり惣次の剣さばきが凄い格好いいな」
「それもそうですが、やはり雄次郎様のクールで格好いい所が素敵ですね」
「まったく、女はこれだよ。イケメンに弱い」
「何言ってるんですか。当たり前ですよーっ」
そして他の話もしていると、彼女は女子テニス部に所属しているそうだ。
「そうなのか。知らなかったーっ」
「小野原先輩ってもしかして学校のことあまり興味ない?」
「そうなのかな?」
「そうだと思いますよ。色々と友達に訊いてみて下さい」
「分かった分かった」
とは言ったが福井に訊く頃には忘れてそうだ。
「あ、そうそう。今日優海ちゃんどうかしたんですか?」
「え?」
「風邪でもひいたんですか?」
「ど、どう言うことだ!?」
僕は小石川の肩をがっと力強く掴み叫んだ。
「小野原先輩痛い……」
「あぁ、済まな……、いや、優海ちゃんがどうかしたのか!?」
「いや、そのう……」
彼女は目線を反らすがしばらくして頭を軽く下げ、ため息をはいて話をした。
「今日あの子学校休んでるんです」
「な、何だって!?」
僕は仰天した。
「体調崩したのか!?」
「それを知らないから小野原先輩に訊いたんじゃないですか!?」
僕は居ても立ってもいられずその場から走り去った。
「あ、ちょっと小野原先ぱ……」
小石川の声は風の音でかき消されて、もう聞こえてこなかった。
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