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【企画・詩】作品

あの夏の光は 【夏の光企画】

作者: 香月よう子



「夏の光」


その人を想う時

遥かな海の調べが聴こえる

低く低く寄せ返す波

銀色に煌く水面

どこまでも紺碧の(ブルー)

いつの日か戯れていた

あの夏の光は









__________________



「君のいない夏」


君に触れた僕だけが抱いた

その温もりは確かなもので

忘れはしない忘れられない

君が姿を消したあの夏の朝

眩しかった陽射し鳥の囀り

君がいない君だけが欠けた

日常を未だ信じられないで

ただ立ち尽くしている僕を

嘲るかのように今年もまた

夏は巡り来る孤独のままに









__________________



「十五の夏」


髪を切ったのと君は

いつもの笑顔で僕の前に現れた

あれは真夏の午後三時

顎のラインがシャープなボブカット

耳に銀のイヤリングを揺らしながら

可愛いでしょと君は笑う

ねえあたしのことすき?

ほんとうにあいしてる?

甘えた声で君は問うた

答える代わりに僕は君を抱き締めた

そのまま離さなければ良かったのに

眩しかった輝いていた

あの十五の夏の光の中

君は逝った

僕だけを独り置き去りにして

その理由(わけ)を僕はいまだに探している

幾たび夏が廻り来ようと









__________________



「夏の幻」


ぎらつく太陽

焼けるアスファルトの匂い

横断歩道を渡る人混みの

漂う蜃気楼の中

あの人と出逢った

あの夏の日の幻








__________________



「蛍舞い」


闇夜にほんのりと灯る

金色の光を追い

捕まえた

掌の中には

暗闇をぼんやりと照らし出す

蛍の舞う夏の夜



挿絵(By みてみん)



本作は、銘尾友朗さま主催「夏の光企画」参加作品です。


参加させて下さった銘尾さま、お読み頂いた方、本当にどうもありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 企画より拝読いたしました。 夏は、多くの人が色々な思い出をたくさん持っていると思います。 それゆえに、寂しさのような感情が生まれるのですよね。 なんとも切ないものです。
[一言] 夏の光をたくさん膨らませて頂きました。 それぞれの世界観が短いお話の中で完結していて、凄いです! 特に「君のいない夏」、文字数がぴったり揃っていて圧巻でした。 「夏の幻」が好きです。 …
[良い点] 拝読しました。 企画より、お邪魔いたします。 まず一番に、言葉や文章のなめらかさに見惚れてしまいました。どこにも引っかかるものがなく、流れるようになめらか、描写も美しく、想いも強く、大…
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